二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: バトテニ-If you can become happy- ( No.4 )
- 日時: 2010/02/09 19:29
- 名前: 亮 (ID: 2nrfRM.C)
01 平和
全国大会が終わって一週間。
青学テニス部にはいつもの練習風景があった。
「みなさん、おつかれさまですッ ドリンクですよ〜」(香澄)
青学テニス部のマネージャーの香澄は、レギュラー達に練習後のドリンクを配る。
このドリンクは香澄の手作り。
マネージャーの仕事は主に、レギュラー達の世話だから、健康に良いモノを乾と作っているのだ。
香澄のは乾とは違って、飲みやすく、おいしい。
だからみんな、香澄が配るドリンクを楽しみにしている。
キツイ練習の後の、至福の時間だ。
「ありがとう」(大石)
「サンキュー」(タカさん)
「助かるよ」(不二)
「ありがとー」(英二)
「桃と海堂とリョーマもドリンクだよッ」
「ん、悪いな」(海堂)
「ありがとうッス、先輩」(リョーマ)
「待ってましたァ!」(桃)
「「「!?」」」
「な、なんだよ、この味は・・・ッ」(海堂)
「フツーのドリンクじゃないだろ・・・」(桃)
「ま、まさか、コレ・・・」(英二)
皆、一斉に香澄と乾の方を見た。
「えへへッ それは私じゃなくて、乾先輩が作った【新】ペナルティーだよ〜」(香澄)
「今回のも自信作だ」(乾)
「香澄ちゃん・・・;」(大石)
「香澄ッ また乾と手ェ組んだなッ」(英二)
「汚いッスよ! 乾先輩ッ」(桃)
「香澄は一言も“自分が作った”とは言っていない。だまされる方が悪いぞ」(乾)
「それが汚いって言ってるんですよ!」(桃)
桃と乾が口げんかを始める。
香澄が配るドリンクを、部員が楽しみにしているのを知っている乾の作戦は、今日が初めてじゃない。
だけど、皆、だまされる。
皆、香澄のことが好きだから。
香澄のことを、大切に思っているから。
その度に、桃と乾の口ゲンカが始まる。
香澄は、そんな光景大好きだ。
「まァまァ、ケンカは止めなよ」(タカさん)
「そうだよ。それにコレ、おいしいよ?」(不二)
「乾先輩の自信作ですもんね」(香澄)
「「「それはお前らだけだろッ」」」
「「え」」(不二・香澄)
「2人の味覚、どうかしてますよ」(リョーマ)
「あーッ 言ったなこのヤロー」(香澄)
「止めろ、香澄、越前。集合だ」(手塚)
「「はーい」」(リョーマ・香澄)
手塚はレギュラーを集め、明日からの合宿の説明をした。
竜崎先生は同行しないらしい。
香澄は、それが不思議だった。
だけど気にかけなかった。
合同合宿だから、他校の先生がくるんだろう、そう思ったから。
「氷帝と立海大との合同合宿だ。油断せずに行こうッ」(手塚)
「「はいッ」」
ここのチームが大好きだった。
皆、イイ人。
皆、優しい。
皆・・・信じられる、信頼できる。
平和だった。
それがあまりにも当たり前すぎて、全く感じていなかった。
“平和”なんて言葉、当たり前すぎた。
・・・でも、違ったんだ。
“平和”って当たり前じゃなかったんだ。
共に越えてきたたくさんの試練。
笑ったり、泣いたり、ケンカしたり、悔しがったり。
そんなことも、振り返らなかった。
毎日が楽しくて、平和で、明日も、その先もきっと続く。
そう思っていたから。