二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: バトテニ-If you can become happy- ( No.5 )
日時: 2010/02/09 19:29
名前: 亮 (ID: 2nrfRM.C)

  02 出発




「おはよー」(香澄)
「おはよう。今日から合宿?」(母)
「うん」(香澄)

香澄はいつものように起きて、いつもの朝食を食べた。
家族と、他愛のない会話をしながら。

「まだ行かなくてイイの?」(母)
「うん、桃が迎えに来てくれるんだ。その後2人でリョーマのトコロに行くの」(香澄)
「そう・・・“桃”って、武くんのこと?」(母)
「そうだよ」(香澄)
「相変わらず親切ね、武くん。昔っからアンタの面倒見てくれて」(母)
「まァね」(香澄)

桃と香澄は幼なじみだ。
家が近所で、親同士も仲が良い。
2人は、いつも一緒にいた。
“桃”とか“桃ちゃん”っていうあだ名を考えたのも香澄だ。


「おーいッ 香澄ッ 迎えに来たぞー!!」(桃)

「あッ 桃が来た。 それじゃ、行ってくるね」(香澄)
「・・・行ってらっしゃい」(母)
「うん、行ってきまーすッ」(香澄)

香澄はいつものように出掛けた。
後ろを振り返ることはなかった。

「おはよう、桃」(香澄)
「オッスッ 急ぐぞ! 遅いと、越前がうるさいからな」(桃)
「うんッ」(香澄)

香澄は桃の自転車の後ろに飛び乗った。
そして桃が、スピードを出して自転車をこぐ。

そんなのはいつものことだった。
でも、香澄は知らなかった。
香澄の母が、2人の後ろ姿を、涙を流しながら見つめていたことに。





香澄と桃は、リョーマの家に寄って、学校まで行った。
すると、もうレギュラー全員集まっていて、この3人を待っている・・・という感じだった。

「「「おはよーございまーす」」」

「遅れてすいませんッ;」(香澄)
「すんません」(桃)

「早く乗ってッ 遅れるからな」(大石)

「「はいッ」」

バスに乗ると、香澄はやはり、違和感を感じた。
竜崎先生がいないと、やっぱりおかしい。
今まで、一度だって来なかったことはないのに。

「お、来た来た」(タカさん)
「遅いぞー 3人ともォ」(英二)
「・・・越前が寝坊でもしたの?」(不二)

「違いますよ、桃先輩が香澄先輩と2人で仲良くゆっくり話してたから・・・」(リョーマ)

「「なッ?!」」

「えーッなんだよソレーッ 桃ォ!?」(英二)
「え、あ、イヤ、別にそんなことしてないッスよ!」(桃)
「そうですよ!普通に話してただけですッ」(香澄)
「どうだかッ」(英二)
「仲良しだもんね、2人とも」(不二)
「・・・いいデータが取れた」(乾)




楽しい。
こうやって、皆で話して、ふざけているのが。
笑いが絶えない。
これって、いつまでも続くことだよね?
これがなくなるコトなんて、絶対ない。
なくなるなんて、あり得ない。
“永遠”だよね。
変わらないよね。

そう信じて疑わなかった。

疑う理由も、なかった。