二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: バトテニ-If you can become happy- ( No.6 )
日時: 2010/02/09 19:29
名前: 亮 (ID: 2nrfRM.C)

 03 到着



「ここが合宿場かァ」(香澄)
「まさか無人島とはなァ」(桃)
「氷帝の跡部さんとかが企画したんじゃない?」(香澄)
「そうかもな」(桃)

「桃ッ香澄ちゃんッ こっち、こっち!」(大石)

「「はーい」」


香澄達は島にある宿舎へ向かった。
そこの食堂にはもう、氷帝の立海大も到着していた。


「お、青学が来たぞ」(宍戸)
「なんだ、マネージャーも来てるじゃねェか」(跡部)

「お、お久しぶりです、跡部さん」(香澄)

「あーッ 香澄ちゃんだーッ」(ジロー)
「なんや、香澄ちゃんも来てるンか」(忍足)
「ホント、お久しぶりですね」(長太郎)

氷帝レギュラーに囲まれて、ニコニコ笑う香澄。
本人は自覚がないが、誰とでもすぐにとけ込めることは香澄の特技かもしれない。


「・・・女に皆でよってたかって・・・たるんどる」(真田)

「香澄ーッ」(赤也)

「赤也ッ」(香澄)

「お、オイ! 赤也!」(真田)

真田の呼びかけにも応じず、赤也も香澄の方へ走った。

「まったく、赤也は・・・」(真田)
「イイじゃないか。初めくらい」(幸村)
「ゆ、幸村」(真田)
「合宿が始まったら、香澄ちゃんと話す暇もないんだから」(幸村)
「・・・そうか」(真田)

立海大のレギュラー達も、香澄を囲った。

そんな光景が、青学レギュラー達は気に入らない。
特に桃は、なんとなく不安を覚えていた。


・・・なーんかおもしろくねェなァ、おもしろくねェよ


香澄が皆の真ん中にいるのは幼なじみとして誇らしい気分になる。
だけど、自分以外の人にあのカワイイ笑顔を向けられるのは、正直おもしろくない。


「香澄は青学のマネージャーだぞッ 返せ!」(英二)

英二は1人、他の人達をかき分け、香澄の腕を掴んだ。

「アーン? ここに合宿に来たら、皆のマネージャーだろ?」(跡部)
「そーだ、そーだッ」(岳人)
「1人締めはダメッスよ!」(赤也)

「み、皆、何言ってるの?」(香澄)

「やーだよォ! 返して貰うからねッ」(英二)
「え、英二先輩?!」(香澄)

英二は強引に香澄の腕を引っ張った。
こうでもしなきゃ、アイツらから、香澄を取り返せないから。

「香澄、救出せいこーうッ ほいッ桃! 香澄を取られないように気を付けろよッ」(英二)

桃の耳元で、コソッと言った。

「え、あの、何言ってんスか! 英二先輩!」(桃)
「な、何よ? なんて言ったの? 英二先輩ッ」(香澄)

悔しいけど、香澄はいつも、桃のことを見てるから。


香澄はワケが分からなかったが、取りあえず青学メンバーのトコロへ戻って来られた。

安心できる場所へ、戻って来た。

氷帝の人も立海大の人もイイ人達だけど、やっぱり青学レギュラーの皆が大好きだ。


それにしても、氷帝の榊監督の姿も見えないし、立海の監督の姿も見えない。
この宿舎に入ってから、一度も大人を見ていない。

・・・何かが、変だ。

食堂の隅で、乾はそう感じていた。