二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:   †二人のBishop†  【di[e]ce】 ( No.4 )
日時: 2010/04/25 15:00
名前: 奏汰 (ID: 63Ha3w2c)

第参話 その男は運命を託す者



「あ」


また、戸が開くと同時にさっきの人達とは違う人が入ってきた。


「もう、二人とも揃っていたのか。お待たせして悪かったなぁ」


僕達の前に座るニコニコと笑うおじさん。


「え〜っと……泣いてる方が志臣で、態度が悪い方が雅羅かな?」


そう言ってまたニコニコと笑い出した。


「うっせぇ、オヤジ!」


がら君がすかさず言う。
僕は言葉が出なかった。

おじさんは困った顔をして「失礼な。これでも30前なんだぞ」と、がら君に向けていった。


「それで…どうして二人がここへ連れて来られただが」


笑顔だったおじさんが真面目な顔で言う。


「君ら二人には大事な役目がある。でも、それを今全部説明するのも全部理解するのも難しいだろうからね。今日は要点だけ言っておく」


——聞きたくない。聞いちゃダメ。
僕は頭の中でそう思った。
わかんないけどダメな気がしてくる。

でも、おじさんは言った。







「君らは、もうウチに戻る事は出来ない。これからはここで僕と暮らすんだ」







——もう、母さんに会えないの?
おウチに帰れないの?
ヤダよ…そんなのヤダよ…

聞いた途端僕は胸が痛かった。
苦しくて悲しくて逃げ出したかった。


「僕の名前は、明影。よろしく」


そう言って明影さんは「もう、遅いから寝よ?隣の部屋に布団敷いてあるから」と言って僕達を案内した。