二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

後遺症 ( No.333 )
日時: 2011/01/14 02:39
名前: 宮園 紫奔 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)

 例えるならばそれはまるで地獄絵図のようで、しかし絵図というわけではなく聴覚で感じることしかできないものだった。悲鳴、うめき声、喘ぎ声、叫び声、怒声——様々な感情が入り混じった聞いているだけで気分の悪くなる、ひたすらに歯を食いしばって耐えるしかない自分が惨めになってくるほど恐怖と怯えを帯びたその阿鼻叫喚は、脳内でぐちゃぐちゃに融け合わさりひずんだ『音』として形を成していた。もはや声などとは到底感じられず、今にも湯煎にかけられたチョコレートのようにどろどろに溶けていってしまうのかのような不安定で脳髄を麻痺させる音は、一向に止む気配を見せない。加えて体は石になってしまったかのように動かなく、必死に動かそうと努力するもそれはただ単に体力の無駄遣いに終わる。

 おまけに体中は外部から全身が強く圧迫されているように痛く、今にもぎりぎりと骨が鳴りだしそうだった。ただ折れるなどという不安は頭をよぎることはなく、どうにかなってしまいそうな痛みだけが体中を蝕んでいく。それは刺すような痛みでも、焼け付くような痛みでもない。ただ単に圧迫されている、プラスチックの箱にぎゅうぎゅうに体を押し込められているようなそんな圧迫感が痛みと化しているものだ。鳴りやむことを知らない阿鼻叫喚の音とそれは不協和音を奏でるようにとげとげしく混ざり合い、すぐさま分裂していく。それを何度も何度も繰り返し、ぎゅうぎゅうと体を締め付ける痛みはさらに増していく。阿鼻叫喚はそれほど大きくはならず、むしろ体を締め付ける痛みをこらえることに思考がいっていた。

 ふわり、と全く動かすことのできなかった脚に不意に浮遊感を感じた。無理矢理膝から下がぐにゃりと折り曲げられて持ち上げられているような、決して心地よくはない感覚だった。上半身とその浮遊感に包まれている膝から下に痛みが集中していき、ぐわんぐわんと脳が悲鳴を上げるように渦巻きだす。目を必死に閉じ歯を半ば食いしばりそれらから逃れられるように努力は続けているものの、浮遊感は吐き気を催すひどく心地悪いものへ変わり、痛みは体がぐしゃりとつぶれてしまうのではないかと思うほど強くなっていく。宙吊りにされているかのような感触に包まれ、必死に閉じた瞼の裏には体内の細胞や血液が蠢くかのように、虫にも似たぼんやりとした輪郭の小さな球形のものが幾重にも詰め込まれ、這い回っている。

 いつにも増して、とことん酷い。声を出そうと必死に喉を酷使してみても、掠れた小さい呻き声が少量排出されるだけだった。しかしそれらは長く続くことはなく、恐らく一分も経たないうちにぼんやりと闇の中に落ちるように消えていった。それと同時に、意識も暗闇の中へ沈んでいく。


「……今回、酷かった」
 そんなに生活リズムを崩してるわけでもないのに、彼は心内でぼそりと呟いた。昨夜の名残などは微塵も残っていない、ごく普通な状態の体。クリーム色の女じみた長髪を振って、大きくため息をつく。何度も経験したとはいえ、一向になれる気配はない。むしろ今回のは、前にもまして余計に酷かったのだ。これからもずっと続くのだろうか、そう考えるとひたすらに憂鬱感だけはつもり、再度彼はため息をついた。


(後遺症)

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金縛りってつらいね。上のは金縛りの描写です。マジであれはひどかった。一昨日経験しますた。
彼っていうのは照美です。アフロディです。神のアクア飲んだ後遺症、とでも思いこんどけばいいと思います。
なるのは脳が起きて体が寝てる状態だかららしいですね。寝る時間がまちまちだったり疲れてるとよくなるらしいです。
照美はきっと過去にうなされ続けて寝れない日々が続いて、やっと寝れたけど脳は安心しなくて体だけが寝てる状態になっちゃって金縛りになってるんだと思います。
それでその金縛りを神のアクアの後遺症を考えてたり。とりあえず金縛りつらいってことです←