二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 俺のオトシモノ——。 【REBORN】 ( No.2 )
日時: 2010/09/06 18:06
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

雨の夜の日、俺はキミを見つけた。



—Data,01— 暖かい手と涙


「・・・」

俺は目の前においてあるダンボール箱を見て固まった。


(ちょ、まてやコラ。普通こういうのって猫とか入ってるものだろ。何で何で何で・・・)


「人間が入ってんだよ」

俺は傘を差しながら、そう突っ込んだ。
少年は冷たい雨の中、ドロドロの姿でダンボール箱に入って寝ていた。
俺は急いで傘を少年にさして、俺が羽織っていた白衣をかけてやる。


(とにかく、家に連れて行くか・・・)


俺はそう思って、少年を担いだ。





——ガバッ


「・・・!」
「目を覚ましたか?」

俺は周りを見た。
何処かの部屋らしい。
服が何時の間にか着替えさせられていた。

「大丈夫か?」
「・・・誰だ・・・」

俺は立ち上がり、男か女か判らない人を睨みつける。
ソイツはヘラッと笑うと、俺の頭を撫でた。

「怖がらなくていいんだぞ?大丈夫だ。何があったのかは知らないけど、良く、がんばったな」
「・・・ッ!」


(超直感が、)


やさしくて、暖かい手。
俺は体から力が抜けて、座り込んだ。

「っと、大丈夫か?」
「・・・」
「ホラ、スープでも飲め」

そういって差し出されたスープを、俺は啜る。
毒は入ってないらしい。
飲み込むと、暖かい気持ちになって、自然と涙が零れ落ちた。


「・・・うっ・・・」


ホロホロと零れ落ちる涙に、ソイツは驚いて目を見開いていた。

「お、オイ・・・大丈夫か?」
「・・・」

俺は無言で顔を俯かせる。

「あぁ、名前、言ってなかったな。俺の名前は、蒼崎刹那。精神外科医をしている十八歳だ」
「・・・」
「お前の名前は、話したい時に話せばいいからな」

そういうと、蒼崎刹那は俺の頭をまたポンポンと撫でた。





少年はスープを全て飲みきると、俺の白衣の裾を握った。

「・・・行くあてが無いんだろう?なら、此処でしばらく過ごすか?」

俺がそういうと少年はコクッとうなづいた。
体中に刻まれた火傷や切り傷。
何があったかは問わないが、気になった。


(幼児虐待、)


思い浮かんだのはソレだったが、俺は余り触れないようにした。

「そういえば、何歳なんだ?」
「・・・四」

四歳らしかった。
俺はハハッと笑って少年を膝の上に乗せた。

「まだ眠いんだろ?ゆっくり休め」

すると少年はコクンッと寝てしまう。
俺は布団をかぶせてやって、俺も横で目を閉じた。

Re: 俺のオトシモノ——。 【REBORN】 ( No.3 )
日時: 2010/09/06 18:25
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

俺は目を覚まして朝の準備をした。
白衣を羽織り、鞄に荷物を詰めた。

「・・・ん」
「目覚めたか少年」

俺はニッと笑って少年の頭を撫でた。
寝ぼけ眼を擦りながら、少年は俺を見る。

「悪いけど、今から仕事なんだ。夕方には帰ってくると思うけど、昼食とか朝食とかは———」
「自分で出来る」
「・・・へ?」

少年はタッとベッドから降りると、台所に向かった。
俺もその後を付いていくと、少年は軽く朝ごはんを作っていた。

「・・・スゴッ!」
「自分で作って食べられるから」
「でも、お前・・・」

俺は顔を歪めた。
少年は?マークで首をかしげた。

「・・・いいか、絶対に家から出るなよ?」

俺はそういって、玄関の扉を開けて出て行った。





「・・・」

俺は朝食を口にして、蒼崎刹那の事を思い出していた。
朝食を食べ終わると、椅子から降りて俺は先程寝ていた部屋に入った。
立てかけてある写真立てを勝手に見てみる。
写真のガラスは部分的に割られ、もう1人の誰かが判らなかった。
そしてその隣においてあるオルゴールを手にとって、螺旋を巻き、音を鳴らしてみた。
部屋にオルゴールが鳴り響いた。

「・・・この、曲・・・?」

俺は少しだけだけど、知っていた。

この曲は———。





「ふー、疲れたー」

俺はギィッと椅子を回す。
弁当を手にとって、弁当の蓋を開けた。

「何か機嫌良いな、お前。何かいいことでもあったのか?」

職場友人の、竜牙峰 零(りゅうがみね ぜろ)が話しかけてきた。
俺は「んー?」と言って答える。

「俺、昨日子供拾ってさー。その子が気になって」
「・・・子供?」

竜牙峰は顔を歪めた。





(少年と涙と彼女)