二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 俺のオトシモノ——。 【REBORN】 ( No.2 )
- 日時: 2010/09/06 18:06
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
雨の夜の日、俺はキミを見つけた。
—Data,01— 暖かい手と涙
「・・・」
俺は目の前においてあるダンボール箱を見て固まった。
(ちょ、まてやコラ。普通こういうのって猫とか入ってるものだろ。何で何で何で・・・)
「人間が入ってんだよ」
俺は傘を差しながら、そう突っ込んだ。
少年は冷たい雨の中、ドロドロの姿でダンボール箱に入って寝ていた。
俺は急いで傘を少年にさして、俺が羽織っていた白衣をかけてやる。
(とにかく、家に連れて行くか・・・)
俺はそう思って、少年を担いだ。
◆
——ガバッ
「・・・!」
「目を覚ましたか?」
俺は周りを見た。
何処かの部屋らしい。
服が何時の間にか着替えさせられていた。
「大丈夫か?」
「・・・誰だ・・・」
俺は立ち上がり、男か女か判らない人を睨みつける。
ソイツはヘラッと笑うと、俺の頭を撫でた。
「怖がらなくていいんだぞ?大丈夫だ。何があったのかは知らないけど、良く、がんばったな」
「・・・ッ!」
(超直感が、)
やさしくて、暖かい手。
俺は体から力が抜けて、座り込んだ。
「っと、大丈夫か?」
「・・・」
「ホラ、スープでも飲め」
そういって差し出されたスープを、俺は啜る。
毒は入ってないらしい。
飲み込むと、暖かい気持ちになって、自然と涙が零れ落ちた。
「・・・うっ・・・」
ホロホロと零れ落ちる涙に、ソイツは驚いて目を見開いていた。
「お、オイ・・・大丈夫か?」
「・・・」
俺は無言で顔を俯かせる。
「あぁ、名前、言ってなかったな。俺の名前は、蒼崎刹那。精神外科医をしている十八歳だ」
「・・・」
「お前の名前は、話したい時に話せばいいからな」
そういうと、蒼崎刹那は俺の頭をまたポンポンと撫でた。
◆
少年はスープを全て飲みきると、俺の白衣の裾を握った。
「・・・行くあてが無いんだろう?なら、此処でしばらく過ごすか?」
俺がそういうと少年はコクッとうなづいた。
体中に刻まれた火傷や切り傷。
何があったかは問わないが、気になった。
(幼児虐待、)
思い浮かんだのはソレだったが、俺は余り触れないようにした。
「そういえば、何歳なんだ?」
「・・・四」
四歳らしかった。
俺はハハッと笑って少年を膝の上に乗せた。
「まだ眠いんだろ?ゆっくり休め」
すると少年はコクンッと寝てしまう。
俺は布団をかぶせてやって、俺も横で目を閉じた。
- Re: 俺のオトシモノ——。 【REBORN】 ( No.3 )
- 日時: 2010/09/06 18:25
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
俺は目を覚まして朝の準備をした。
白衣を羽織り、鞄に荷物を詰めた。
「・・・ん」
「目覚めたか少年」
俺はニッと笑って少年の頭を撫でた。
寝ぼけ眼を擦りながら、少年は俺を見る。
「悪いけど、今から仕事なんだ。夕方には帰ってくると思うけど、昼食とか朝食とかは———」
「自分で出来る」
「・・・へ?」
少年はタッとベッドから降りると、台所に向かった。
俺もその後を付いていくと、少年は軽く朝ごはんを作っていた。
「・・・スゴッ!」
「自分で作って食べられるから」
「でも、お前・・・」
俺は顔を歪めた。
少年は?マークで首をかしげた。
「・・・いいか、絶対に家から出るなよ?」
俺はそういって、玄関の扉を開けて出て行った。
◆
「・・・」
俺は朝食を口にして、蒼崎刹那の事を思い出していた。
朝食を食べ終わると、椅子から降りて俺は先程寝ていた部屋に入った。
立てかけてある写真立てを勝手に見てみる。
写真のガラスは部分的に割られ、もう1人の誰かが判らなかった。
そしてその隣においてあるオルゴールを手にとって、螺旋を巻き、音を鳴らしてみた。
部屋にオルゴールが鳴り響いた。
「・・・この、曲・・・?」
俺は少しだけだけど、知っていた。
この曲は———。
◆
「ふー、疲れたー」
俺はギィッと椅子を回す。
弁当を手にとって、弁当の蓋を開けた。
「何か機嫌良いな、お前。何かいいことでもあったのか?」
職場友人の、竜牙峰 零(りゅうがみね ぜろ)が話しかけてきた。
俺は「んー?」と言って答える。
「俺、昨日子供拾ってさー。その子が気になって」
「・・・子供?」
竜牙峰は顔を歪めた。
(少年と涙と彼女)