二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: -ONE PIECE- 月追う兎 \返信100突破!/ ( No.162 )
日時: 2011/02/13 18:06
名前: なまくら将汰 ◆yKq/Ct0zKs (ID: /gSTfiqf)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

[>Episode42

沈黙が続くキッチン。
デイルはこういう空気が苦手で、サンジになんと声をかければいいのか分からなかった。
それに、今まで短いながらも一緒に冒険してきた仲間だ。自分も別れは惜しい。

「「・・・・・・・・・・・・」」

そんな沈黙を破ったのはルフィだった。

「サンジー!!!おれにもアイス!」
「ん、ああ。わかった」

その後に続いてウソップとゾロもキッチンに。
気まずい空気が緩和され、ほっと胸をなでおろすデイル。
そしてアイスを一気にかきこんで、一言。

「ごちそうさま!うまかった!!」
「ああ」

ニイッと笑ったサンジを確認してから、デイルは男部屋へ。
そして自分の荷物の入った引き出しを開けた。
中にはガラクタと思えるもの、たくさんのメモ帳、折れて使えなくなった鉛筆など色々なものが入っていた。

「あった!!」

しばらく中をガサゴソと漁っていたデイルだったが、どうやら目当てのものが見つかったらしい。

「ふふ。マナの奴、絶対喜ぶぞー!!」

それをポケットに入れ、男しかいないむさくるしいキッチンへ再びデイルは向かった。



そして翌日。
麦わらの一味はアームグ島に着いていた。

「マナ、お姉ちゃんはどこにいるの?」
「うん・・・多分街のどこかにいると思うんだけどね・・・」
「どーした、マナ。元気ねえな?」
「うん・・・」

誰が声をかけても同じような返事しかしないマナ。
そんなマナをデイルは複雑な表情で見つめていた。

「マナっ!?」
「あ・・・・・・」

マナを呼ぶ声。全員がその方向を向いた。
そこにはマナに良く似ているが、どこか大人びた雰囲気のある女性が立っていた。

「ラナお姉ちゃん!!」
「マナ、よくここまで来たわね!」

全員が姉妹の感動の再会を黙って見つめていた。サンジだけは目がハートマークになっていたが。

「あんた、麦わら、よね。それに飛び兎・・・」
「ああ。そうだぞ」

ルフィが答えればラナは深く頭を下げる。

「ありがとう。この子を・・・マナをここまで連れてきてくれて」
「いいって。そんなん。おれたちもマナがいて楽しかったからよ」

ニカッとルフィが笑えばクルー達も笑い、頷いた。

「今日はお礼に知り合いの酒場でおごるわ。好きなだけ飲んでいって!!」
「まじか!肉もあるか?」
「もちろん!!!」

ふとデイルがマナを見る。姉との再会で元気を取り戻したのか、先ほどよりもニコニコしている。

「ラナさあああん!!!」

一通り話が終わるとサンジがラナに向かって一直線。

「え?何?」
「おれは今、あなたという荒波に襲われて流されている・・・!!」
「はあ?」

そこへいつものようにデイルとゾロが悪態をつく。

「ばーか。そのままおぼれ死ね」
「出会っていきなりそれかよ。女に同情しちまうな」
「んだとてめえら、オイ」

いつもどおりケンカをはじめた3人をスルーし、他のクルー達はラナの案内で酒場に向かって歩き始めた。