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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*もしも、昌浩に二つ違いの姉がいたら・・ ( No.13 )
- 日時: 2011/04/25 23:31
- 名前: 翡翠 (ID: QoAeUzsP)
*紫春*
すっかり日も落ちた帰り道のことだった。
『…たけて…』
頭の中にそんな声が響いたのは。
「え?」
周囲を見回すが、声の持ち主と思えるような人影は無い。
気のせいだと思い、忘れようとしたとき…
『お願い・・だれか、たすけて・・このままでは・・』
再び声が頭の中に響く。
先ほどよりも細い声は今にも泣き出しそうだった。
「っ…!」
女性だと思われる声があまりに悲しく脳内に響き渡って、私は立っていられなくなる。
涙が溢れてきて、視界が揺れ、後ろに倒れこむ。
一瞬、倒れたら痛いだろうな、とか、そんなことが頭に浮かんだけど、頭上から降ってきた声に全てかき消された。
「…何をしている」
不機嫌な声、これは、間違えるはずの無い声。
「宵藍・…?」
私の呟きを聞いた、彼が低い声で言う。
「お前にその名で呼ぶことを許可した覚えは無い」
いつもと変わらない言葉に私は、涙を流したまま、笑う。
でも、それが最後。
そこで私の意識は途切れた。
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