二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: コードギアス〜空回りのルルーシュ〜 ( No.4 )
日時: 2010/12/29 16:49
名前: 蘇る秋刀魚 (ID: AsGC03V/)

大きな瞳、優しく孤を描く眉。
桃色がかった髪は彼女が歩くたびに揺れ、見る者をたちまち魅了してしまうだろう。
細身の身体にはしなやかな軍専用のオペレータースーツを身にまとっている。
出会ったのは2週間ほど前だった。いつものようにスザクへの差し入れを届けに来たルルーシュは、ちょうどこのエレベーターを降りたところで彼女とぶつかりそうになったのだ。
言うまでもないが、ルルーシュは面食いである。こんな可憐な風貌のセシルに惚れないはずがない——。
それからというもの、差し入れ回数を大幅に増やし絶世の美女軍使にたびたびアプローチしていたのだった。。。

「ルルーシュ君、あのね・・・」

その魅力的な声に反応して、ついつい赤面するルルーシュ。

「歳の差ってものがあるでしょ。あなたの気持ちはうれしいけど、私はもう26よ。わかって、ね?」

「たった10歳の差じゃないですか!」
そんな言葉が込み上げてきたが、ぐっと飲み込んだ。今更こんなこと言ったらただの恥さらしだ。

(おびえるな、俺。クールに、あくまでクールにやり過ごすんだ。)

「っん゛っん゛〜ん」

大げさな咳払いで声が裏返る。

「お、おれは、わかってます。だからこれ以上は、なにも言わないでくだ、さい。」

「・・そうね。ありがとう・・・。そうするわ」

すれ違いざまに、さよなら、と言われ、悔しさが込み上げた。
嗚呼、この俺がこんなフラれ方。。。

「こんなはずじゃなかったのにぃぃぃぃぃぃ.....!!」

悲しみに浸りながらも特務室へと向かう。

「スザクッ」

「おぉ〜ルルーシュ!!」

なにやらめんどくさそうなコンピューターの前に座っていたスザクが立ち上がる。差し入れを渡しながら、今日のできごとを大まかに話した。
スザクは行事とあってもなかなか出られないのだ。
あまり思い出したくないのだが、ルルーシュはセシルのことをたずねてみた。

「なぁ、セシル・クルーミーさんってさ、どんな人なんだ?」

「どんな人って・・。この特務室のチーフオペレーター。知らなかった?」

「へぇ・・・」

そんな偉い役職だったのか。あんなにか弱そうなのに・・・

「もしかして、好きなのか?」

「っ////...ちっちげぇよ! 今は・・・・」

スザクはにやにやしながら差し入れを口にした。

「なに、ってことはもうフラれたのか。何回同じことやってんだか」

「・・るせーー。」

皇歴2011年4月、あちこちで春が芽吹き始める頃、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは相変わらず青くもない春を送っている。