二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 桜の図書館 (inzm/小説集) オリキャラ募集開始!! ( No.163 )
- 日時: 2011/12/24 08:15
- 名前: さくら (ID: z2eVRrJA)
キィ。ドアノブを廻せば木製のドアが声を上げる。薄暗い部屋にドア音が木霊した。木霊でしょうか、いいえ、誰でも。と言うのはこの際気にしないで置こう。
素足か。と思わせる位に音も無く忍び寄る影。革張りのソファに腰掛けた蜂蜜色の少女の直ぐ後ろに移動すると耳元で少女の名前を囁いた。カーテンが閉められ、真昼なのに日の入らない薄暗いこの部屋はバーの様だった。だが客も店員もマスターも居ない。要るのは金髪の少女と同じく先程入ってきた金銀髪の少女だけ。金髪の少女が座っている少女の先には同じ革張りのソファが置いてあり、テーブルには菓子とコーヒー紅茶などが置いてあった。
この薄暗い部屋には少々刺激の強い程の輝かしい髪を持った少女が要る。一本一本が丁寧に手入れされた美しいという文字では足りない位の丁度金と茶が混じった絶妙な彩色の髪は、毛先が銀色化しており、グラデーションのようになっている。そしてこの薄暗い部屋で良く光るルビーの様な、燃え滾る炎を意識した宝石の様な瞳。艶のある色白の肌。瞳を縁取るは、これまた長い睫毛。絶世の美少女であった。
薄い水色の細い縦ストライプの入った半袖シャツには、大きな黒いボタンが三つと同じ色のリボンが一つ付いており、周りをフリルで飾られている。女性独特の気質を保ったシャツだった。そしてその上から黒いサスペンダーが伸びる。土台が可愛らしい模様の刺繍された3段フリルの上から灰色のスカートが止められており、何かと銀色の糸で刺繍がされてある。レースの付いた黒いニーハイソックスの上から灰色のブーツ。手には黒い腕上までの布手袋でファーがあしらわれた高級そうな灰色と黒のポンチョらしき物を持っている。
今回は綺麗に整えられてはいるものの、頭上で編まれてはいないその髪は胸下まで下ろされていた。
改めて向かい側のソファに腰掛けると足を組んでテーブルのコーヒーを一口含み、ごくり。飲んだ。
「久しぶりだな。———七瀬虹彩。」
「・・・ノック位しなさいよ。」
虹彩の事を「七瀬虹彩」とフルネーム呼びをした彼女の名前は「冠羽珠琴」。及び「ミコト・ウォン・フォレストベルン」である。「冠羽」という苗字も早々居ないこのぶっ飛んだネーセンと、このキャラは「fateシリーズ」の塊だという事には、あえて触れないで欲しい。
さて、話を戻そう。彼女はこの“第43次魔聖大戦”に出場する猛者の一人である。主な武器は針金細工。彼女の武器の源となる針金細工を数々の武器に変形させ、それを武器として扱う。主属性は炎、光。副属性は天体系(月、星など空に浮かぶもの)、音楽系、花、善。
「七瀬、あんな馬鹿げた遊戯に出ると聞いたけど。」
「馬鹿げた、とは何かしら?」
「惚けるな。情報屋に高値で聞いたんだから間違いない。」
「はぁ、もう。容赦無いわね。」
「そう?七瀬程では無いと思うけど」
「あ、それと。
聞いたわ。貴女、革命家側に付いたんだってね、」
珠琴の瞳が、揺らぐ。まさか此処まで情報通が早いとは。敵という訳ではない。正直逆だ。だが流石七瀬だな、と恐れ入る。
話が、着々と進んでいく。最終地点に行くのは各地で潰しあい、人数が基準を突破した後。結構潰さなくてはならない。
円堂守。彼も同席するそうだ。嘗て伝説となりかけた男。消息不明だったらしいが。大人しく伝説になっていれば良いものを、魔聖大戦の出場権は円堂守へも送られたそうだ。
そして、松風天馬。革命家のスキルを持っており、文字通り魔聖大戦を終結させようとする。開催主催者側からしてみれば天敵のはずなのに、何故彼に出場権が渡されたのかは今だ謎。
この二人は常に最強クラスである。敵として戦う事になる以上、充分に警戒せねばならない相手だ。因みに、珠琴は松風天馬と同盟を結んでいる。
「他には、ジュリア・クラウン、サクラ・カーライト。・・・後、時空姉妹もだ」
「ときそらしまい?何よ、それ」
「知らないのか。姉・時空過去。妹・時空未来のコンビ名だ。特に妹の時空未来は、魔聖大戦最強スキル“神殺し”を持ってるんだよ。」
「要するに、充分に警戒しなければいけない。」
「そ。」
これから拙戦になりそうな戦いに思いを馳せて、虹彩は紅茶を啜った。
11J.( 革命の芽は、確かに此処にある。 )