二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【べるぜバブ】しろのゆびさき ( No.2 )
- 日時: 2013/03/30 00:01
- 名前: 有村 ◆BDu0.rUntI (ID: WtzVCEg0)
1.FLUFFY
窓から差し込む陽光がだんだん赤く染まって来た頃。
初夏とはいえ六時前ともなると、徐々に日も落ちて行く。
聖石矢魔学園のとある一角、生徒会室では六騎聖による週一回の部長連会合が行われていたのである。
「まだかなぁー…」
退屈凌ぎに伸びた自分の影でふと遊んでみながら。
雪兎はちょこんと体育座りで生徒会室の前に座り込んで、お目当ての彼をずっと待っていたのだ。
待ち続けて二十分程。
影遊びにも飽きて冷たい壁に寄りかかったら。
「はぁー……っふわぁぁぁ…」
溜息が混じった欠伸が出て、ごしごしと零れた涙を手首で拭った。
ほんの少し開いたドアの隙間から中の様子を窺おうと覗き込んだが、まだまだ終わりそうな雰囲気も無い。
床に座り込んだ侭、うとうとと微睡んでは目を覚まし、また微睡んで—
何度も何度もこれを繰り返すものだから、ぱちん!と自らの頬を平手打ちしてみても、暫くすると、また。
かくん、と首が揺れた。しかし今度は彼女も睡魔に抗おうとはしない。
膝に頭をのせて目を閉じたなら、直ぐにすう、と寝息を立てて雪兎は眠り始めたのだった。
*
会合が終わったのは六時四十分を過ぎた頃であった。
しかし会合の間、雪兎の待ち人—出馬は彼女が先に帰ったのではないのかと内心ハラハラして上の空、会合どころでは無かったのである。…恥ずかしい事に。
はーっと盛大に溜息を吐くと、彼の事情に勘付いたのか静が声を掛けた。
「大丈夫よ、ゆきちゃんなら待ってるんじゃない?」
「それやったらええんですけど…多分もう帰って……」
教室を出て、言いかけた。
ドアの横に凭れかかって細い足を投げ出しながら眠る少女の姿が、目に入った。
あれ、と出馬の頭に疑問符が浮かぶ。紛れもなく、雪兎である。
「…っもー、何でこんなとこで寝てんねん。ゆき、ゆき!」
ぺちぺち。雪兎の頬を軽く叩いてみても小さく声を漏らすだけで、覚醒する気配は全く無い。
ほんま手のかかる子や、と言いながら雪兎を担ぎ上げて背負っている出馬の表情は先程よりも柔らかい。
「ほら、待っててくれてたわよ」
雪兎を背負う出馬の顔を見て、静はくすりと微笑んだ。
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ほのぼの。取敢えず二人のかんけーせーをば明確に…なって無いけど。
オチが静さんでした。