二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: KINGDOM HEARTS〜heart for you〜 ( No.1 )
日時: 2011/02/24 16:29
名前: aqua (ID: wPOt.fn5)

第1章     No.ⅩⅤ


「君は……誰?」
ロクサスは言う。
目の前には、自分と同じ服を着た少女がいた。
「……すごく、大事な事のはずなのに、思い出せない」
「それでいいんだよ、ロクサス」
そして、少女は崩れ落ちそうになり、ロクサスは、その子を受け止める。
「……俺が、君を傷つけたの?」
「ううん、あたしが勝手に消えようとしてるの」
少女がロクサスの手に自分の手を重ねた。
「さよなら、ロクサス。また会おうね」
少女は微笑む。
「あたし、ロクサスとアクセルに会えてよかった。二人は親友だもん。それだけは忘れないで」
頬に触れていた彼女の手が落ちる。
「ダメだ……シオン」
思い出す。忘れるはずがない。大切な親友のことを。
光がシオンを包み込む。そして…
「シオン………!」
シオンは消え、サラサ貝だけが残った。
そして、ロクサスの頬は濡れていた……





それから、14日たったある日、いつものようにロクサスたちは円卓に集まっていた。
ロクサスは椅子に座る。でも、シオンの事でずっと悩んでいた。
ずっと。ずっと。任務の時だって……。
「今日は、新たな仲間を紹介する」
ゼムナスが言った。
「ⅩⅤ番目だ」
その言葉に、ロクサスは反応した。
目に映ったのは、フードをかぶった女の子が立っていた。
「No.ⅩⅤ、イクサリス」
ロクサスは、胸の辺りが苦しくなった。
また、シオンのときの様に…。
そんな言葉が頭をよぎった。



ロクサスはいつものように任務に出かけた。
今日は、アクセルとのペア任務だった。
いつものようにハートを集め、いつものように時計台へ行き、いつものようにアクセルとアイスを食べて……。
違う。いつもはシオンもいた。当たり前だと思ってた。でも、今になってきずいた。失ってから…。でも、もう遅い…。



次の日、いつものように任務があった。
サイクスのところへいって、任務の内容を聞く。
すると、後ろから少女が来た。イクサリスだ。
「今日は、彼女との任務だ。」
サイクスの言葉に、ロクサスは少し顔をゆがめた。



ロクサスとイクサリクは、ハート回収を命じられた。
ロクサスとイクサリクは、順調にハート回収を進めた。
ノルマを達成し、ロクサスは時計台へ行こうとした。
「ロクサス」
ロクサスは声のする方に振り向く。イクサリクだった。
初めて彼女の声を聞いたので、少しビックリした。
「どこにいくの?任務は終わったし、帰還しなくていいの?」
「あぁ…俺ちょっとよる所あるから、先帰ってていいよ」
「わかった。じゃあね」
少女は闇の回路の中へ入っていった。



時計台へいくと、アクセルがいた。
「おっ!来たか」
アクセルが言った。
二人でアイスを食べながら、何気ない話をしていた。
「なあ、アクセル」
「何だ?」
アクセルは聞く。
「あの子も…イクサリクもシオンみたいになっちゃうのかな……」
ロクサスはうつむき言う。
「さあな、そこんとこおれもわかんねえ」
アクセルはアイスをかじる。
ロクサスもアイスをかじる。
そして、いつものように帰還し、いつものように夜が明けた……。