二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 星のカービィ 運命の車輪 ( No.19 )
- 日時: 2011/03/26 09:01
- 名前: 月兎 (ID: A2bmpvWQ)
デデデ城。
城というくらいなら、プププランドで一番大きく、一番立派。
たくさんのワドルディ達に守られて、君臨している。
「で?なにか起こったの?メタナイト卿」
フームは、デデデ城で車を降りてから、メタナイトに問いかけた。
「予言だ」
「え?」
「予言がでたんだ」
「…?なんか…よくわかんないんだけど…予言って?」
「「リボンさんです!」」
「わ!」
メタナイトとよくわからない会話をしていた途中、二つの声が話に入ってきた。
「あーロロロ、ラララ」
カービィは二つの声の持ち主の名前を呼んだ。
上を見ると、青色のロロロと赤色のラララが、カービィたちを待っていたかのように、現れた。
「リボン…?予言?なんの接点があるんだ?そりゃ?」
トッコリは不思議そうに首をかしげる。
「「リボンさんが予言で未来を見たんだって!」」
ロロロとラララの声が、ハーモニーのようにあわさる。
「え!リボンって予言とかできるの!?」
カービィがびっくりしたように言う。
「クリスタルの力で未来を見たそうだ」
メタナイトは言った。
「「僕(私)はまだどんな未来がわかったのかは知らないんだけど、アドレーヌさんが急に『リボンがカービィを呼んでって言ってる』って」」
「ああそっか!だから昼食会にいなかったのかあ」
「だからわざわざ呼びに来てくれたのね」
フームは納得したように手をあわせる。
「陛下。別についてこなくてよかったんでゲスよ」
「あの車はわしの車だぞい!わしが絶対乗ってないといけないんだぞい
!」
「邪魔したくせに…」
エスカルゴンは、ため息をする。
「「案内します!こっちです!」」
ロロロとラララがカービィたちを誘導する。
そして、とある一室にたどり着いた。
「陛下!ここです!」
部屋の入口には、ワドルディたちの総隊長、ワドルドゥがいた。
「ごくろうでゲス」
エスカルゴンが軽く敬礼をすると、ワドルドゥは敬礼を返した、そのあとに扉を開ける。
カービィたちは中に入る。
このさいロロロとラララは、ワドルドゥに呼ばれて、仕事に戻った。
部屋の中には、リボンとアドレーヌがいた。
二人とも、いつもなら昼食会にでるのに、今回は出ていなかったのだ。
「陛下、エスカルゴンさま、メタナイト様、カービィを呼びに行ってくれてありがとうございます」
リボンは礼儀正しくお礼を言った。しかし、その表情はかたく、笑顔ではなかった。
隣にいるアドレーヌも、表情を曇らせている。
なにかに、おびえているようにも見える。
「わっはは!もっと感謝してもたりないくらいだぞい!」
「陛下!あんたその言葉、大幅に空気読めてないでゲス!」
デデデの空気を読んでいない発言は、エスカルゴンによってあっさりと処理されてしまった。
「…未来って…なにかあったのかよ…」
トッコリは不安そうに問う。
リボンは口を重そうに動かす。
「実は…今までは黙っていたんですけれど…私の故郷リップルスターのクリスタルは、少し先の未来を見ることができるんです」
「え!そうだったの!?そのクリスタルって、そんな能力もあったんだ
!初めて知ったよ!」
カービィは、とてもびっくりしたようだった。
なんせクリスタルは、昔、カービィが旅をしたときに、集めるべき大切な宝石だった、だからこそその能力に驚く。
「前から星と星の移動を一瞬でしちゃうから、すごいって思ってたけどまさかそこまでとは思ってなかったよ!」
「なつかしいぞい。あの時はわしも大活躍だったぞい」
「あたしたちと旅してたころのほうが、大王はかっこよかったわよ」
「な…!わしは今だって十分かっこいいぞい!」
アドレーヌの言葉に、デデデは反抗しかねる。
「…デデデって昔旅してたんだ…」
と、フーム。
「考えられないよな…マジで」
と、トッコリ。
「今の生活をもう少し見直してほしいでゲス」
と、エスカルゴン。
「陛下…昔にはそんな時代があったのですね…」
と、メタナイト。
「なんなんだぞい!貴様ら!わしを馬鹿にするのも大概にしろ!」
と、腕を振り回すデデデ。
そこで「オホン!」と咳払いする、リボン。
どうでもいいお話になってきたので、場面を変えたかったのであろう。
「…話を続けさせていただきます」
リボンは、どこからともなく、クリスタルを呼び出した。
リップルスターに保管されている、巨大なクリスタルの一部であろう、淡い空の色と海の色に輝く宝石は、誰もが目を奪われてしまう美しさを持っていた。