二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 星のカービィ 運命の車輪 ☆参照700突破★ 完結間近!!  ( No.236 )
日時: 2011/05/07 17:02
名前: 満月の瞳 ◆zkm/uTCmMs (ID: A2bmpvWQ)

第17章  おわりの赤色





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遠い昔の夢を見たように気がする。

夢を見るのは久しぶりだった。

一味と出会った時のことや、修業させてた時のことや、山に行くはずだったのに、なぜか穴に落ちて地底洞窟の冒険した時のことや、爆弾の火薬調合を間違えて危うく火事になりかけたことや、馬鹿騒ぎでドンチャン盛り上がって、ワインを全て飲み干されたときのことまで、なんか人生に走馬灯を見ていた気がする。

今までの記憶を掘り起こされた気分。

別に悪い気はしない。

悪い気分でもない。

逆に、なんだかすっきりした気分がする。

…記憶がなつかしすぎて、感動してるのか?

…そういうわけではなさそうだ。

なんだか、頭が重い。

体中が痛い。

そういえば、さっきまでバリバリ戦っていたような…。

まあ、よくわからない。



『なーにしてんのサ。こんなとこで』

…なんか変な声が聞こえる。

幻聴?

『馬鹿言ってんじゃないのサ。幻聴なんてそんな小細工、ぼくが施すわけがないのサ』

誰だ?妙に毒の入った口調だが。

『毒?そりゃあ当たりまえのことサ。ぼくは毒吐きなんだから』

…相当なホラ吹き野郎ってことか?

『失礼だネ。ぼくはホラ吹きじゃあないのサ。嘘吐きサ』

どっちにしても変わらないじゃねえか。

『アハハ…それもそうだね…ていうか、君はなんでこんなとこにいるの
?』

は?

『ここ、死の世界の入口だけど』

…マジかよ…。

『君、死ぬの?』

いや、死にたくはないが…。

『じゃあ引き返さなきゃ』

…どうやったら戻れるんだよ。

『自分が帰りたい人の元に、帰ればいいのサ』

どうやってだよ…よくわかんないんだが…。

『君にはまだやるべきことがあるだろ?帰るべき場所があるんだろ?』

…まあ、あるけど。

『だったら早く行かなきゃ』

だからどうやってだよ。

『心の目を開けるんだよ』

心の目?

『君は今、眠っているんだ』

じゃあ、ここは夢なのかなのか?…世の中不可思議なことが多いな。

『アハハ、だから世界っておもしろいんだよぉ』

…で?その心の目っていうのは、どうやって開けるんだよ。

『君が今一番会いたい人を思い浮かべるのサ』

…。

『あ、絶対に死んだ人を思い浮かべちゃだめだよ。そうしたら間違いなく死ぬからね』

会いたい…やつか。

『1人くらいいるでしょー』

いや、3人と136匹いる。

『…ずいぶんと欲張りだね…やっぱり盗賊団のお頭だけにあるのサ』

多人数には、適応するのか?

『さぁねー…やってみたら?』

…そうする。

『ハハハ、君は本当に仲間思いなのサぁー…ドロッチェ』

なんで俺の名前を知っているんだ?

『なんででしょうか』

…いい、めんどくさいから聞かん。

『あれれ』

しかし、終わりの道をたどるところ、止めてくれたのは感謝している。

『そうそう、ぼくに感謝するのサ!』

…余計なひと言で一気に失せた。

『むぅ』

お前の名前はなんだ?

『ぼくの名前?ぼくはマルクなのサ!』

マルク?どこかで聞いたことがあるような…。

『くふふ、そりゃそうだよぉ、ぼくはカービィと少々接点があったからね』

カービィと?

『そうだそうだ!どうせならカービィに伝えてくれない?』

何をだ。

『『運命』に気を付けて』



『あーあ、本当なら最初の夢で伝えられてたはずなのにィー、あいつすぐに起きちゃったのサ!せっかくぼくがおしゃべりしてあげたのに!』

悪いが、何を言っているのか全くわからないんだが…。

『まあ、メッセージを伝えてくれればいいのサ!』

わかった。

『じゃあ気を付けてねー』

…最後に一つ問う。

『なぁに?』

お前は、戻らなくていいのか?

『あはははははは。そうだね、…でもぼくは戻れないのサ!』

なぜだ?

『…じゃあ、ぼくも君に1つだけ問うていい?』

いいぞ。

『君は、人間(生物)を殺したことある?』

…。

『ぼくはあるよ』

…。

『星の数ほど殺したよ。殺戮したのサ』

…。

『その罰なのサ』

…そうか。

『じゃあ今度こそバイバイ。君は、ぼくと違って、帰れる場所があるだろ?』

…お前は

『?』

お前は、死んだのか?

『質問は1つだけじゃなかったの?まあいいや、ううん』

生きているのか?

『わかんないのサ。生きているようで死んでいる。もしくはどちらでもないのサ』

…。

『でも、いいのサ。ぼくは、今とっても気分がいいのサ』

それは、よかった。

『ははは。じゃあ本当にさようなら』

…さようなら。




















『…あはは』

『よかった』

『ちゃんと君には、戻れる場所があるんだね』

『ちゃんとメッセージを伝えてくれると、うれしいのサ』








『カービィ』

『『運命』に気を付けてっていうのはね』

『『運命』に囚われないでってことなのサ』

『『運命』は絶対に確定して決まっているんじゃあないのサ』

『『運命』は、自分で作るのサ』

『『運命』…未来は自分で作るものなのサ』

『ちゃんと、自分で道を作っていくのサ』

『足跡も、しっかりつけておくのサ』

『思い出は、大切だよ』










『これだから、世界は実におもしろいのサ!あはは!!あはは!あはは
…あははははは…』












       どこかで、鈴の音が鳴る音がした。