二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 星のカービィ 運命の車輪 ( No.46 )
- 日時: 2011/03/31 20:14
- 名前: 月兎 (ID: A2bmpvWQ)
第6章 橙色の戦闘
「…で?あんたなにしにきてんだよ」
ドロッチェが突然その場で静止し、唐突にカービィに問いかける。
「…皆を解放するんだ!君を倒して!」
「そんなこと大仰に言っちゃっていいのか?」
カービィは、闘志に燃えた瞳で、ドロッチェを睨み付ける。
「何怒っちゃってんだよ。そんな顔で攻撃されたら、俺はあんたに反撃という正当防衛を行わないといけないんだよ」
「怒るも何も!皆を捕まえてひどいことするなんてゆるさない!」
カービィは、手裏剣をかまえる。
体が震えて見えるのは、怒りなのか、武者震いなのか、それとも恐怖なのか。
ここは、皆の憩いの場でもあるプププ平原。
広く、障害物もないから、戦いにはうってつけの場。
ドロッチェは、それに気づいてカービィをここに誘導したのだろうか。
太陽はかなり傾いてしまっている。
夜はもう近い。
「今すぐにみんなを解放して」
「嫌だと言ったら?」
「君を倒して、皆を助けに行く」
「倒す?さっきから変だと思ってるんだが、なんで倒すって言葉使うんだ?普通なら殺すとか言うだろ」
ドロッチェは面白そうに笑う。
カービィは笑わなかった。
「殺さない。ボクは誰も殺さない。誰も傷つけたくない」
「ふーん。それが忍道…みたいなこと言うのか?そのすがただし。でもさあ、それって誰に対してでも言えるのか?」
「何を…?」
「じゃあさ、あんたの仲間が誰かに殺されたとする。大事な仲間がな。そしたらあんたは仲間を殺した奴を殺さずに逃がすのか?」
「…!」
「はずみだってあるさ。もしかしたらあんたは俺を倒すんじゃなくて本当に殺してしまうかもしれないんだぞ」
「な……!」
カービィは言葉を失う。
「倒すだの殺すだの…ともかく、あんたは星の戦士って名であるには、誰かを傷つけないといけないんだよ。誰も傷つけないなんてきれいごと抜かしてんじゃねえよ。今だって俺を傷つけようとしてんのはどこのどいつだ?あんただろ」
「…」
「ようするにさ、あんたは弱いんだ。そんなんじゃあ、倒すなんて吠えても結局は誰かに殺されちまうぞ」
ドロッチェのドクを含んだ言葉が、カービィの心をえぐる。
深く、冷たく。
傷つけていく。
「まあ、俺はあんたを殺す気はないけど」と、ドロッチェは軽く笑みを浮かべながら、再び銃を構える。
「ただあんたは、プププランドのトップクラスの戦士だから、あとあと邪魔なんかさせないために、おとなしくしてもらう。戦うつもりではなくて、おとなしくさせるためだ」
「させない…!」
カービィは、折れそうな心を支えて、戦闘モードに意識を切り替える。
キン。
手裏剣の鋭い音が合図となった。
「らああああああ!!」
カービィは、手裏剣をドロッチェに向けて投げ打つ。
「コピー能力!噂どおりでかなりの力だなこれは!」
ドロッチェは手裏剣を素早い動きで全てかわしきる、そして、目を疑うほどのスピードでカービィに追撃しに来た。
「え!早!」
「そらよ!」
ドロッチェは、長い杖を取り出し、飛び道具なのか3つの星を放つ。
「わわわ!」
カービィは、初めて目にする武器に驚いて、あわててかわす。
数瞬おくれて、ザザザ!と草地に星が突き刺さる。
(やばい…あいつ…できる!)
カービィは、クナイを数本だし、ドロッチェに向かって走る。
「無防備。まさにあんたのこと…だ!」
ドロッチェは銃の引き金を引いた。
その瞬間、ゴオッ!!という巨大な音とともに、淡い水色の光線がとびだす。
「!わあああ!?」
カービィは、前方にすっ転ぶようにして何とかよける。
しかし、レーザー光線は長くつながっており、カービィを追いかけるように攻撃する。
「に…忍法!爆炎の術!」
カービィは必死で巻物を取り出し、叫ぶように術を構築していく。
ゴゴゴゴゴ!!という激しい音が、カービィの周辺を包み込む。
爆炎の術を、レーザーの盾としたのだ。
レーザーも止まり、カービィの術も止まると、ドロッチェはポカンとした表情を浮かべている。
「驚いた…。俺のアイスレーザーを防ぎきるなんて、ビックリした…これでカチコチにして、ことがあるまで放っておこうと思っていたのに…
いやあ驚いた。こりゃ傑作だ」
カービィの周辺の草は、カチコチに凍り付いていた。
どうやらあのレーザーには個々のものを凍らせる力があるらしい。
「じゃあそのままびっくりしたまま動かないで…よ!」
カービィはクナイを構えてドロッチェにとびかかった。
「とりゃあ!」
「…悪いけどそんなリーチのねえ武器は、俺には通用しない」
ドロッチェは、カービィの周辺に無数の爆弾を投下する。
パンパンパンパン!と、つながるように音をだして爆弾が爆発する。
「ーッ!!」
さすがにかわせなかったのか、爆弾による攻撃をくらってしまう。
「この…!」
カービィは焼けるような痛みを感じながらも、手裏剣を二発重ねて投げ打つ。
「!」
そのうち一発がドロッチェの頬をかすめた。
しかし、ドロッチェはひるまず、杖による星を振り落す。
「うあ!」
星が、カービィの体を切り裂いた。
その場に鮮血が飛び散る。
「…く…!」
カービィは、痛みに耐えつつ倒れ伏した体を起こす。
体には、軽いやけどと、そこまで深くはない切り傷が二つ。
ドロッチェが手加減しているのか、重症ではなくすんでいる。
「へえ…爆弾の煙幕で、曇った視界から手裏剣を投げるなんて、なかなかやるじゃないか」
「でしょ…?」
カービィは余裕なふりをして薄く笑う。
「それでも誰かを傷つけるってことには変わりないけどな」
「…!」
「軽く攻撃してるつもりだけど、あんたはかなり強いから、これ以上は
重症なしでは済まないぞ?おとなしくしてくれよ。俺は早く秘宝を探したいんだ」
「皆を解放して…!」
「だから無理だって言ってるだろ…何回言えばわかるんだよ」
「一生わからないよ!」
「大口たたいて言えることじゃあないぞ」
ドロッチェは呆れたように、銃を構える。
「そいじゃあ結構痛い思いしないとわからないってことだな」
その言葉には、本気の力が組み込まれていた。
ドロッチェの頬の傷が、深く開いている。
赤く赤く。
「ボクは…君におとなしくなってもらいたいね!」
カービィは、手裏剣を構える。
- Re: 星のカービィ 運命の車輪 ( No.47 )
- 日時: 2011/03/30 16:32
- 名前: 月兎 (ID: A2bmpvWQ)
つぶやきの時間1
☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡
突然(?)な話ですけど、みなさんカービィでは誰が一番好きですか?
私は
1位ドロッチェ(団長大好き♪だから今回だした♪団長おおお!)
2位マルク(SDXのときから好きだった♪なのサの語尾が好き♪)
3位ドロシア(タッチ!カービィのボス。美しい♪優しそう(?)お母さんにしたい(おい))
4位グリル(最初マルクの妹かと思った(笑)。かわいい♪いつかドロシアとペアで小説にだしたいキャラ)
5位カービィ(永遠のピンク玉(笑))
という感じです♪
みなさんも好きなキャラがいたら教えてくれるとうれしいです♪
ていうか敵キャラばっかすきだなあ私…(笑)。
ちなみに一番嫌いなのが、空中戦艦カブーラ(マイナーだなオイ)。
しかも、キャラとは言えないよね…。
まあそんなこんなで。
これからもよろしくです♪
- Re: 星のカービィ 運命の車輪 ( No.49 )
- 日時: 2011/03/30 22:36
- 名前: ★アディア☆ ◆C/wEErKi9w (ID: u6knrXHP)
- 参照: http://ja.wikipedia.org/wiki/3R
じゃあ私の好きなキャラww
一位 シャドーカービィ (シャドたん可愛いよまじでw神。うん。神過ぎてやばい。レミィのコスでもしておくr(殴)
二位 マルク (道化…じゃない魔法使いなのサ!(蹴 ソウルでもとことん愛せるぜw)
三位 ダークメタナイト (シャドーの双子のお兄さんという設定w皆の嫁の写し身をいじめちゃ駄目だよ!w)
四位 グリル (ヘイヘイヘーイ!妹かと思ったというか、妹設定にしてるのだw)
五位 カービィ (はい、やっと出ました主人公。カッコ可愛い全宇宙の永久のヒーローですね。)
という。兄弟設定好きなのだよ私はw
兄・弟・愛!!…=神ですね。
って訳さ。好きなキャラの兄弟設定の奴が次の順位らへんに来てしまう。
なぁに、六位にメタ様入ってんだから兄弟設定とか気にするなって!((
嫌いなのは何か?んーと…えーっと……浮かばねぇwwって事で今度見つけたら教えるゎ
長文さーせん!
更新頑張れ!
- Re: 星のカービィ 運命の車輪 ( No.50 )
- 日時: 2011/03/31 07:34
- 名前: 月兎 (ID: A2bmpvWQ)
アディア シャドーカービィは鏡の大迷宮で超お世話になったww。
メタナイトとカービィて確かに兄弟に見えるww。
ちなみに私は、ドロシアが魔法の師匠で、グリルがその弟子
っていう設定ありww。
更新がんばるぜ♪
この次の小説は、ドロシアとグリルだしたい…ww。
- Re: 星のカービィ 運命の車輪 ( No.51 )
- 日時: 2011/03/31 13:14
- 名前: ★アディア☆ ◆C/wEErKi9w (ID: u6knrXHP)
- 参照: http://ja.wikipedia.org/wiki/3R
あ、カービィとメタ様は兄弟設定じゃないよ!
兄弟設定はその写し身のほうだぜ☆
ドロシアねぇ…。でもドロシアは名も無い絵画だから、私の中では生まれて暴れて消えておしまいな設定ww
おぉ…もしその小説作ったら見に行きまするっ!
- Re: 星のカービィ 運命の車輪 ( No.52 )
- 日時: 2011/03/31 18:50
- 名前: 月兎 (ID: A2bmpvWQ)
アディア まじで!写し身のほうっすか!ごめんよ!
ドロシアとかの小説は、運命の車輪編が完結したら描く予定 ♪
- Re: 星のカービィ 運命の車輪 ( No.53 )
- 日時: 2011/03/31 21:19
- 名前: 月兎 (ID: A2bmpvWQ)
☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡
カキィィン!!
個気味のよい音が響く。
「ハア…ハアハア…」
「そろそろ観念しておとなしくしてもらえないか?俺は時間を無駄にするのは嫌いだ。時は金なり。まさにそういうことだな」
クナイをへし折られ、疲れ果てたカービィは、今にも倒れ伏してしまいそうな状態だった。
「ま…まだまだ…」
「いい加減にあきらめろよ。あんたのそのコピー能力はもう見切りがついた。何度も言うが、俺は戦いに来たんじゃない」
「ボ…ボクはあきらめないよ!」
カービィは傷だらけの体を起こし、ふらつく体でポジションにつく。
そんな惨めな姿を見て、ドロッチェはため息をつく。
「…俺…今にも倒れそうなやつを攻撃すんのは…耐えられねえんだよ」
「…?」
カービィは、ドロッチェの黄色の瞳に、悲しみの色が浮かんだのが見え
た。
「弱い者いじめっつーの?そういうのは嫌いだ。だからお願いだから。おとなしくつかまってくれ」
「…君は…なんでプププランドの秘宝を狙うの…?」
「力が欲しいから」
ドロッチェはそう言い放つ。
「俺は力が欲しいんだよ。運命を変える力が。欲しくて欲しくてたまらない」
「どうして?どうしてそんなに力を求めるの?」
「…強くなりたい」
ドロッチェは言う。
強く、切実に。
「強くなりたいからだよ。それ以外の何物でもない」
「…」
すでに空は暗くなりはじめている。
星がきらめきはじめていく。
「だから、急がないといけないんだ」
赤いマントは、暗い空にも消されないほど、明るく存在している。
カービィは本当に、本当に一瞬だけ、ドロッチェを美しいと思った。
つねにカービィの正面の空中にスタンスしている姿。
黄色の瞳が星のように輝いている。
頬の傷が赤く。
儚かさを際立てている。
カービィは思った。
どうしてドロッチェは力を求めるのか。
強さを求めるのか。
なぜ?
なんのために?
「なんのために強さを求めるの…?」
「疑問文が多いな。…まあいいか。さてな。なんだと思う?」
ドロッチェはそう言って、悲しそうに笑った。
なんで…悲しそうに笑うの?
カービィは言おうとして、言えなかった。
「…っあ!」
カービィの右足に、飛び道具の星が突き刺さったからだ。
走り抜ける激痛。
流れ出す血。
「悪い。ここまでするつもりはなかった。だけど…あんたはこのままじゃ戦闘中の感情でパンクしちまいそうだ。だから、もう、終わりにする」
ドロッチェはもう笑っていなかった。
杖ももう、しまっていた。
「あ…ううう…!!」
あまりの激痛に、へたり込むカービィ。
星を抜こうにも、あまりにも深々と突き刺さり、地面にさえも刺さっている。
いつ、抜いたんだ?あの、杖。
まったく、見え、なか、った。
今ま、でのは、全部、軽き、なの、?
おかし、いな、ボク、まえ、までなら、ちゃんと、戦えた。
みん、な、のピン、チで、焦った、の、か?
あ、れ、?
マル、クのとき、も
ドロ、シアの、と、きも
ちゃ、んと、た、たかえた、のにな。
ドロッチェ、すご、いな。
マルク、以上、の、策士、だ。
あぶな、い。
な、んか、
ねむ、い。
暗、い。
暗、い。
く、ら、い。
みん、な…。
みんな…。
ボ、ク…。
たすけない…と…。
あ…れ…?
めた…ない、と…?
カービィは痛みと疲れの重なりと共に、意識を手放した。
気を失ったカービィのすぐそばまで舞い降りるドロッチェ。
申し訳ないという気持ちがあふれているのか、表情は曇っていた。
「星の戦士…もうちょい傲慢な奴かと思ってたのに…これじゃあやりにくくてしょうがねえよ…。なんで…こんなにがんばっちゃうんだよ」
ドロッチェは、それでも職務をまっとうするように、ロープを取り出し
カービィを縛ろうとする。
「つまりお前は、盗賊団というよりも、策士と呼んだ方が正しいか?」
「!」
ドロッチェは、突然の声におどろく。
「…!…仮面の騎士…!」
ドロッチェの驚愕の声は、傷だらけのスピンを抱えて平原に現れたメタナイト卿に届いた。
「スピン!」
「ドロッチェ。お前も結構な策を立てるではないか。はじめにメインストリートでこいつを使って挑発するとこも見事だった」
「貴様!スピンに何を…!」
「…攻撃してきたから、正当防衛だ。気絶ですませた。」
「…!まさか…!」
「お前の策にはもう、見切りが付いた」
メタナイトは気を失っているスピンを、自分の足元に寝かせた。
そして、語るように話し出す。
「はじめにスピンをメインストリートに配置し、私たちを挑発した。そのあとのでかいネズミの攻撃も、完全なる不意打ちだろ?かわしたがな
。そして、お前はわざとカービィを怒らせ、ここまで誘導した。簡単に言えば、私が邪魔だったのだろう?」
「…よく見切りやがったなあ。こら」
ドロッチェは憎々しげにメタナイトに返す。
スピンのことが気になるのか、冷や汗が浮かんでいる。
「そして、こいつとでかいネズミは、私を挑発する。『カービィが殺されるうんぬん』とか言ってな。最初は不覚にも挑発に乗らされてしまったがな。お前には私が焦ると見えたのだろうか。スピンにあとを追わせて、焦って混乱している私に睡眠薬をかがせようとする。以上。だから反撃した」
「ご名答。ご名答だよまったくの。」
ドロッチェは拍手をする余裕もなかったのか、メタナイトを思い切り睨み付ける。
「焦っていようとも、気配を察することは、どんな状態でもできる。不覚だったな。ドロッチェ」
メタナイトは語り終えると、再びスピンをつかむ。
「スピンを離せ」
ドロッチェは言った。
瞳にはもう、悲しみなどはない。
怒りと憎悪に染まっていた。
「仲間思いのところは結構だ。じゃあカービィを返せ。等価交換は可能だろう?」
その言葉を言い終えた直後に、ドロッチェは飛び道具星をメタナイトに投げ打った。
メタナイトはバックステップでそれをかわす。
「スピンを離せっつってんだろ。聞こえねえのか」
「ずいぶんと仲間が大事なようだな。盗賊団としてはなんともいえないな」
「離さないと、殺すぞ」
「…戦うつもりがないといったのはどこのどいつだ」
「仲間のことなら別だ」
「ほお、それだったら私も仲間であるカービィを離してもらいたいものだ」
「早く…」
「?」
「秘宝のありかを教えろ!」
「…」
「スピンを離せ。そして、秘宝のありかを教えろ!」
「…」
「シカトこいてんじゃねえよお!!てめえ!!」
ドロッチェは激昂した。
はじめて感情を大幅に崩した瞬間だった。
ドロッチェはメタナイトにとびかかる。
メタナイトもそれに対抗する。
爆音が響き渡る。