二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: LILIN (エヴァで完全オリジナルストーリー) ( No.2 )
日時: 2011/05/27 00:28
名前: そう言えば、こしょうの味しらない (ID: LMtRhfuT)

 アメリカのサンフランシスコ州にはボクが三歳の時から住んでいた。その時、その時からボク一人だけだったのか、それとも……か、どうかはわからないんだけどね。

 さて、ボクが生まれ育った故郷ナパバレーを少し説明すると、海が目前にあり、陸地に進むたびに丘となっている。だから陸地側からも結構海が見えたりしちゃうわけで。
 ここは主にワーキングエリアとベットエリアに、境界線として次の違いがある。

 ワーキングエリアには高層ビルが多く並んでおり、昼間は人が沢山いて、NYに負けず劣らない賑わい具合。なんと、この地下には広大な緑地地帯があるらしく、午後6時と同時に地上の高層ビル群が沈んでいって、緑地地帯の上部に保管、代わりに疑似ビルが生えてくるぬわぁーんて都市伝説が……あ、いやホントらしいよ。その疑似ビルがバリケードとなり夜間、ボクらの安全を守ってくれるようで。え? 何からかって? ……そう言えば、何からなんだろ? 別に穏やかな所だし、戦争じゃないとは思うけど。

 次はベットエリア。そこは海沿いに防風林が植えてあり、それらに守られている家々はどこもレトロだ。主に就寝の時にしか人はおらず、いっつも静かでのどかな地域。

 基本、要塞都市とされているワーキングエリアでの住居等は禁止されている……っと。

 学校の図書館から借りてきた本にはナパバレーの地形についてそう書いてあった。
 あー、やはり、内容が教科書じみてるなぁ。
ちなみにこれらの構造は旧“ヨコハマ”、現在の第三新“トーキョウ”市をモデルした……だから、ヨコハーマってどこですかぁ?

 

 正午、中等部校舎とグラウンドの高低差のため創られた土手に腰かけて昼食をとった。同時に僕は、借りてきた本に目を通していた。途中、自分の眉がぴくっとなるを感じながらも順調に読んでいく、が……

「なんだかぁ。また同じ内容のやつを借りてきてしまったようだ。てか、みんなして同じ事書いてる。」

 だいたいこんなことが原因で何時もつまならそうに本を読むけどね、もちろん徳にはなっているかどうか分からないで。
 そのまま読み進めていると、紙面上に薄暗い影がかかった。何かと思って見回してみると、一緒に昼食をとっていた金髪野郎こと、友人のボブがつくっていた影だとわかった。そいつは僕が見つめてみピクリとも動こうとしない。さっきの僕のつぶやきを聞いたのか本の内容を把握しようとしているようだった。

「なぁ、スグル。そんな難しそうなやつさ、いつも色々読んでるみてーだけど……面白いの?」

 内容が困難だと思ったのだろうか、相手が本を眺めながら質問する。

「ん? あぁ。どうかなぁ」
「あぁ? なんだよ、それ」
「強いて言うなら、P.F.ドラッカーみたいなもんだな」

 数秒後、そいつが勢いよく顔をあげ、目を剥いてくる。おいやめろっ、近いし、気持ち悪い。

「…………」
「……つまり、当たり前のことしか書いてないってことさ」
「ん、ほんとかぁ〜?」
「あぁ、お前がよく知っているようなことを歪曲して伝えようとしてるだけ」
「じゃぁ、読み聞かせてくれよ」
「……お前なぁ。英語が読めないアメリカ人がいるって日本や中国に知らしめてくんぞ」
「じゃぁ、お前。日本人な顔立ちなんだから、日本語話せんのかよ?」

うぐっ……

「……むかーしむかーしあるところに」
「おい、こらぁ。今さらごまかしてんじゃぁねぇ」

 うっせぇ。こちとらアメリカ育ちなんだ。ボクにとって邦人は米人なんだよ。それでも日本語喋れないボクが悪いかぁ!!