二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第零章/The Strongest Fighter? ( No.2 )
日時: 2012/08/25 01:31
名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: x40/.lqv)
参照: 第二篇/Nice to meet you. (まずは、「初めまして」から)


 「は、……っ」
 静寂と純白、臨死体験にも似た感覚は、幸いその片鱗を垣間見るだけで済んだ。
 が。
 幸い中の不幸と言うのか、次に襲ってきたのは、高いところから猛烈な勢いで墜落していく、あの三半規管を振り回す浮遊感。これと下から上へと線状に過ぎ去っていく幾つもの景色、顔に吹き付ける颶風(ぐふう)が差すものとは即ち、
 「あっ」

 自分、墜落中……!

 「ぃいいや゛ぁぁぁぁあああぁぁあおおぁあおああああぁぁあああああーッ!!」
 思考回路ストップ。叫びに喉が潰れる。痛い。それどころじゃない。

 焦りで頭の中が埋もれていく。斜線。
 近づく地面。 風。
 離れていく星空。  風。風。
 目下に赤い屋根。  風、風。
 冷や汗など流す暇もない。 風、風。風。
 眼窩に涙が溢れてきた。  風。風。風。
 絶望しかない。      風、風、風、風、風。

 「嫌っ、嫌だッ、イヤだ……っ!」
 死ぬのはイヤだ。
 でも何も出来ない。
 絶望と僅かに残った理性とで、せめてもと頭を抱えた。

 赤い屋根が近づいてくる。
 どんどん近づいてくる。
 「死ぬ——」
 自分の声だけが、やけに大きく聞こえた。


 To be continued...

 展開が速すぎるとは言わないの! たぶん!