二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: リリなの衛宮士郎に憧れたもの改 ( No.10 )
- 日時: 2012/11/08 18:59
- 名前: れ、れ、れ、霊 (ID: JryR3G2V)
- 参照: http://syaininngu
視点 セイバー
…最初に見た時は驚いた。
まさか、また雪地に会えるなんて。
体がかなり幼いと思ったが、あの青い外套、あの歪んだ眼、間違いなく雪地だった。
〜雪地が消えた後〜
雪地が転生する世界に行った後、また変な小太りの士郎と同じくらいの歳の者が切t…神といろいろ話をしていた。
その男は、チラチラとこっちを気持ち悪い視線で見てきていた。
そして、話が終わったと思ったら急に男の姿が変わった。
十人中十人がいけめん?と言う姿に。
ツカツカとこっちに向かって歩いてきてこう言った。
「また後でな…俺のセイバー」
ゾクッっと寒気がした。足が震えた、背筋が凍った。
男は、すぅっと消えていった。
「ッ!どういうことだ!?」
はっとした。怒鳴り声のした方を見てみると、士郎の目が鋭く、睨まれた者は蛇に睨まれた蛙のようになっていただろう。
「…すまない」
神は本当に申し訳なさそうに、謝罪した。
「奴も、同じように俺ら神のミスで死んだんだ。それで、あいつも転生させなければならない。そして特典も…だ」
ああ。私は理解した。だけど、士郎はまだ分からないらしい。それがどうした?と思っていそうだ。
「…それがどうした」
やっぱり、士郎には分からないみたいだ。
「その‘神の特典’のせいで!セイバーがあいつの物になっていい訳ないだろ!!!」
そう思っていたけど、違った。自分の事には疎いけど、人の事には鋭い。
「…奴は特典に、『セイバーと他のサーヴァントの使役能力』を望んだ。これには逆らえられない。…神…下級神の俺では…な」
「だけど…!!」
「士郎」
私は士郎の手をギュッと握る。
士郎の温かい手の感触が心地よい。
「いいのですよ。それに、私にはやらなければならないことがあります」
「…なんだ。それは」
神が訪ねてきた。
「神に一つ尋ねたいことがあります。…あの男の転生先は、雪地と同じところですか?」
「…そうだ」
「なら、なおさらです。私は雪地を助けなきゃいけない」
「助ける?」
士郎が疑問の声を上げる。そう、彼は、彼の眼は、歪んでいた。
士郎の眼より、歪んでいなかったけど、きっと時が経つにつれて士郎よりも歪むと思う。
人を助けるために、欲を捨て、自分を捨て、すべてを捨てるかもしれない。
「その為に、私は行かなければいけない。私と士郎が、もう一度会えたのは雪地のおかげです。その恩返しがしたい。何より、一人の友達として彼を助けたい」
そういい。私は笑った。
視点 セイバーOUT
視点 士郎
まったく、セイバーは。だけど、そんなところに俺は惚れたんだよな。
だけど、やっぱりそれは駄目だ.
「それでも…」
「それに」
それでも駄目だ、と言おうとしたら。遮られた。
「きっと、雪地が助けてくれるでしょうし…ね」
「…分かった」
俺は渋々認めた。だけど…雪地ならきっと助けてくれるだろう。
「私は、雪地に助けられ、そして助けたい。そういうことはダメでしょうか?」
「…いいさ。セイバーが決めた事だ」
「…セイバー、士郎。この世界での事が終わったら、みんなで暮らせるようにしよう。…必ず」
神は、そういってセイバーを消した。
「俺はこれからどうなるんだ?」
そう、問題は俺だ。サーヴァントでもない俺は元の世界に戻されるのだろう。
「…その通りだ。だが、あっちの世界での雪地の命がなくなったらさっきの言った通り、みんなで暮らせるようにする」
そういい。神は笑った。
だんだん俺の体が透けてきている。
「…じゃあな…切嗣」
そういい。俺は消えた。
視点 士郎OUT
視点 剣一
くそッ!!
俺は今、この世界に来てから最大のピンチを迎えている。
士郎を助けてなのはの好感度を上げようとしていたが、こいつのせいで台無しだ!!
「おいッ!!」
「…なんだ」
「こっ…今回はお前に譲ってやるよ、ただし俺の嫁たちに手を出したらただじゃすまねぇからな!!」
そういい残し、壊した壁から外に脱出する。えっ士郎を治さなくていいのかだって?っは、たかが男キャラと俺の命を一緒にすんじゃねぇよ!!
それに…士郎があのまま奴に何されようが、俺がなのはを慰めればいいしな!!
うへへへへ。
視点 剣一OUT
視点 雪地
…さて、どうするか。
とりあえず、士郎にWCS(WoundContrlSeordの略)を発動させる。
キィィィィイイイイイン
高く響く音と共に剣が黄金に光り、辺りを照らす。
黄金の光が消えると、体の傷が消えたのが分かる。
…さて、帰るか。
まだ結界が張ってあったので、ルールブレイカーを投影し、切る。
そのまま病室の窓から出ようとすると。
「ちょっと待ってくれないかい?」
…ゆっくりと後ろを振り返ると、さっきまで明日も分からぬ状態の
高町士郎がいた。
「…何ですか?」
「いや、急に目が覚めたと思ったら体の傷が治っているので。君なら何か知っていると思ってね」
にっこりと笑ってきた。
いや〜本当に若いな。それにかなり鍛えているな。
「…だったらそのダダ漏れの闘気を消してください」
「はっはっは、ばれてしまったね。君みたいな子を見るとつい…ね」
「だからそんな大怪我をするんですよ」
「あの怪我は護衛の任務の時に負った傷でね。それより敬語はやめたらどうだい?見たところ無理してるみたいだから」
…よく分かったな。確かに俺は敬語を言うのは無理をしていた。
…いやだって、ほら、俺は一応年上だし。
「いつか…やめますよ。それよりもうそんな怪我するなら、その仕事辞めたらどうですか?」
「そうだね…ずいぶん家族に迷惑をかけたようだしね。経営しているお店で稼いでいくよ」
「…そうですか。それでは僕はこれ…」
「その前に」
これで、と言う前に遮られ士郎は俺に指を刺し問う。
「君は…何者だい?」
その問いに、俺は窓に足をかけ、微笑を浮かべながら言う。
「ただの…魔術師だ」
足に、力をいれ思いっきり外に出…ようとしたところで、滑って足が引っ掛かり、外の壁に顔を強打する。
ドゴッ!
「…とりあえず。大丈夫かい?」
「…引き上げてくれると助かります」
そういい、俺は引き上げられるのだった。
…そういえば。幸運ってFクラスだっけ?