二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

白うさぎの部屋【ハトアリ二次ペーター×アリス】
日時: 2009/09/09 22:09
名前: にー (ID: udG14aXH)

ハートの国のアリスの二次創作の短編書いていきます
もしかしたら中編も書くかもしれません
突拍子の無いパラレルが突然出てきたりします
基本的にペーター×アリスですがエースもたまに出てきます
ほのぼのとした幸せな雰囲気を目指します
パラレルではない場合舞台設定はハートの国です
よろしければ読んでください

Page:1 2



Re: 白うさぎの部屋【ハトアリ二次ペーター×アリス】 ( No.1 )
日時: 2009/09/09 21:08
名前: にー (ID: udG14aXH)

宰相兎の憂鬱   
ペーター→アリス→エース


「このケーキ、やっぱり美味しいわ」
そう言って、アリスは嬉しそうに頬を緩めた。
その表情を見て僕も嬉しくなる。
アリスと庭で穏やかなお茶の時間を過ごす…。
違う世界に住んでいた時には、考えられもしなかった。

アリスを探して城を探し迷っている時だった。
アリスがこの前美味しいと言っていたケーキを買ってきたのでお茶に誘おうかと思ったのだ。
部屋に居ないなら、どこに居るんでしょうか…アリス…。
まだ前会った時から一回しか時間帯が変わっていないのに、もう随分会ってないような気がする…。
「ホワイト卿…、女王陛下からお呼び出しが…」
後ろから耳障りな兵士の声が聞こえ、舌打ちをする。
アリスを探していたのに…。
どうせ、阿呆な今居ない同僚の仕事のを押し付けられるんでしょう。
聞かなかった事にしてしまおう…。
そう思い、時計に手をかけ、銃の引き金に指を乗せる。
「あんた、何してんのよ!?」
聞き覚えのある、ずっと探していた声を聞いて振り向いた。
「ア、アリス!…」
ずっと探していた愛おしい人の姿を見つけ、顔が意識せずとも笑顔になった。
「ずっと探してたんですよ!どこへ行ってたんですか?部屋にもいなかったし…」
「散歩よ…。ていうか銃を下ろしなさいよ!」
「でもこいつ、クソババアが僕を呼んだってだけで、僕が貴方を探すのを邪魔しようとしたんですよ!許せません」
はあ…と溜息を付き、アリスはうんざりしたような顔をした。
「そんな事ぐらいで殺そうとしないの…。貴方女王の部下なんでしょ?従いなさいよ」
「ええー…。せっかく貴方をお茶に誘おうと思っていたのに…」
そう僕が不平を漏らすと、アリスは呆れた顔になる。
「お茶なら後でもできるじゃない…。待ってるから行って来なさい」
「えっほんとですか?」
思わず気分が浮き上がり、耳がぴょこぴょこと動いた。
「ええ、本当よ。だから行きなさい」
後でアリスと同じ時間を過ごせると思うと我侭な上司に会うのも平気に感じられる。
嗚呼、アリス。
僕、今なんだってできる気がします…!

僕、貴方がこの世界に残ってくれるだけで良いって、思ってました…。本当に。
でも今は、貴方の幸せをこの上なく願っているはずなのに、あいつと居る時の幸せな表情をする貴方を見ると、胸が痛む…。
貴方が…、優しくするからです。つい貴方も僕のこと、好きになってくれるんじゃないかって期待してしまう。
だから貴方が特別な表情を見せるあいつと僕が、何処が違うのか…。
僕のどこが足りないのか考えてしまう。
この白い耳が駄目なんですか?
茶色い髪の方が好き?
銃よりも、剣の方が…
考えれば切りが無くなってしまうんです。
「ペーター、どうしたの?」
声をかけられ、現実に引き返される。
すると目の前には訝しげなアリスの顔があった。
「いえ、貴方があんまりにも可愛らしいので見とれていたんですよ」
明るい声でいつもと同じ事を言って誤魔化す。
アリスは呆れたような顔をした。
「前にも似たような事聞いたわよ。貴方ってそれ以外に何かないの?」
「ありませよ。僕の中に貴方以外の事なんてっ」
アリスの前の空になっていたカップに紅茶を注ぐ。
「心配して損したわよ…まったく」
思わず僕はアリスの顔を見た。
いつも通りの愛らしい顔でカップを口に付けている。
…優しくしないでください。
これ以上、求めてしまいそうになる前に。
アリスの優しい声がまた耳に蘇り
ふと僕は、泣いてしまいそうになった。


Page:1 2



この掲示板は過去ログ化されています。