二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- FAIRYTAIL(フェアリーテイル) 15話更新
- 日時: 2010/01/08 20:36
- 名前: アビス (ID: 7.60N42J)
こんにちは。「新 モンスターハンター・バロル」を書いているアビスです。
フェアリーテイルを読んでいて書いてみたい!と思い書くことにしました。
一度、消えてしまったんでまた新しく書き直すことにしました。
フェアリーテイルが好きなの人はぜひ読んで、コメをください。
お願いします。
他に書いている小説・・・
「新 モンスターハンター・バロル」↓
http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=14785
「夢の中の俺はモンスターハンター」
http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=14136
オリキャラ紹介
名前・・カムイ 性別・・男 年齢・・17歳
使う魔法・・雷系魔法
好きなもの・・チー 嫌いなもの・・退屈な所
備考・・・
流浪の魔導士だったが、フェアリーテイルの噂を聞きつけて
興味を持ち加入する。いつも肩には太刀に変化できる相棒の「雷電イタチ」のチーがいる。
名前・・チー 性別・・不明 年齢・・不明
使う魔法・・武具化
好きなもの・・カムイ 嫌いなもの・・暗い場所
備考・・・
カムイと一緒にいる雷電イタチ。その名の通り体から電気を発する。
武具化の魔法だが、そうはいっても太刀にしかなれない
それをカムイが使って、二人で戦っている。
1話>>1 2話>>2 3話>>3 4話>>4 5話>>5
6話>>6 7話>>7 8話>>8 9話>>9 10話>>10
11話>>11 12話>>12 13話>>13 14話>>14 15話>>41
- Re: FAIRYTAIL(フェアリーテイル) ( No.6 )
- 日時: 2009/12/11 17:32
- 名前: アビス (ID: 7.60N42J)
6話〜定例会〜
「ファ〜ア。眠い」
カムイは目を擦りながら、ギルドに朝早く向かっていた。
理由はつい先ほど、眠っているカムイに一枚の手紙が届けられた。
『おはよう、カムイ。こんな朝早くから起こしてごめんなさい。
実はマスターがあなたに用があるそうなの。すぐに来てね』
と、ミラの声が流れてきた。
そういうことで、カムイはチーと一緒にギルドに着いて、扉を開けた。
中はまだ人はいなくて静かだった。
いつもが騒がしいだけに、逆に落ち着かなくなる。
カウンターの所には、マスターとミラが待っていた。
「おはよう、カムイ」
ミラが明るくいう。
「おはよう、ミラ。ところでじっちゃん、何のようだ?」
カムイがミラに挨拶をすると、マスターに向き言った。
「なに、おぬしを定例会に連れて行こうと思ってな」
「定例会?」
マスターの口から聞きなれない言葉が出た。
「簡単に言うと、地方のギルドマスターが集って定期報告をする会よ」
ミラが説明してくれた。
「おいおい、俺をそんな所に連れてっていいのかよ」
「大丈夫じゃよ。定期報告なんぞいっても、ほとんど飲み会のようなもんじゃわい。
それに、新人のお主を自慢したいからの」
マスターが笑いながら言った。
「じっちゃんのお付きなら、胸のでかいルーシィのほうがいいんじゃねえか。
そのほうが、じっちゃんも嬉しいだろ。それに俺の次に新米だろ」
と、カムイが冗談交じりに言った。
「ほほう。確かにあの胸が常にわしの前にあればのう、そりゃあもうのう。うひょひょ」
マスターが危ない顔でにやけている。すると、
「マスター」
ミラがいつにも増して、にこにこでこちらを見ている。顔とは裏腹に
確実に後ろから鬼が睨んでいる。・・・素で恐い
「ま・・まあの。今のは冗談でじゃ。まあとにかく今すぐ行くから用意しんしゃい」
マスターも冷や汗を垂らしながら、話しを戻した。
「あ・・ああ。そうするよ」
カムイも言葉を震わせながら言った。
チーにいたっては、カムイの服の中に隠れてしまっている。
〜定例会会場〜
定例会会場があるのは、クローバという町。大渓谷を列車で渡った先にある町だ。
マスターとカムイは中に入る。すでにかなりの人数の地方マスターたちがいた。
誰もがすごい魔力を持っているのは、カムイでもわかった。それでもどこか
家にいるような、安心した感じがした。
マスター・マカロフの言うとおり、定期報告した後はマスターたちの飲み会が
始まった。
「聞いたわよ、どっかの権力者コテンパンにしちゃったとか」
ものすごい格好をした男(?)がマカロフに話しかけた。
「おーー!!新入りのルーシィじゃあ!!あいつはいいぞぉっ!!特に乳がいい!!」
マカロフはお酒で顔を赤め、笑っている。
「それに、どっかの火山を大爆発させて近隣の町に大迷惑をかけたとか」
「おお!!それはこいつじゃ。新入りのカムイじゃ」
そういってカムイに指をさす。
すると、さっきの男(?)が近づいてきた。思わず後退るカムイ
「へ〜この子がそうなの。ふふ、かわいいわね」
「う、あんたはだれだ?」
ソニックが油汗をたらしながら言った。
「青い天馬(ブルーペガサス)のマスター。ボブじゃ。男じゃよ」
「よろしくね、カムイちゃん」
ぞぞぞぞ・・・・なぜか一気に鳥肌が立つカムイ。
それからしばらくした後、今まで安心して寝ていたチーがさっと起き上がった。
「どうした、チー」
チーのせわしない様子に気づき、カムイがいう。
チーはカムイに何かを知らせるように鳴く。
それを聞いたカムイは会場を出ようとした。
「どこにいくんじゃ?」
マスター・マカロフが酔っ払っておぼつかない足で、こちらに向かってきた。
「ちょっと、そこらへん散歩してくるだけだから、じっちゃんはゆっくりしてな」
そういって、カムイは会場を後にした。
- Re: FAIRYTAIL(フェアリーテイル) ( No.7 )
- 日時: 2009/12/11 17:35
- 名前: アビス (ID: 7.60N42J)
7話〜雷と風〜
「さて、もう少しでギルドマスター達がいる町、クローバーか」
空を飛ぶ鎌を持った男がクローバーに向かって飛んでいた。
彼の名はエリゴール。闇ギルド、鉄の森(アイゼンヴァルト)に所属している。
闇ギルドとはフェアリーテイル、青い天馬のように地方と連盟をとっているのを『正規ギルド』
魔法界の秩序を無視し連盟に属さないギルドを『闇ギルド』という。
エリゴールは鉄の森のエース。本来は禁止されている暗殺系の依頼ばかりを
遂行してきたため、ついたあだ名が『死神』
「さあ、待っていろ。じじいども。死神の粛清だ!」
—ピシャン!—
「!!」
突然の落雷に立ち止まるエリゴール。下を見るとそこには一人の男が立っていた。
「誰だ、てめえは」
エリゴールが地面に降りて言った。
「フェアリーテイルのカムイだ」
「また妖精(ハエ)か。とことん俺たちの邪魔しやがって」
そういうと、エリゴールは左手を前に突き出した。
すると、突然カムイに突風が襲った。肌が僅かに切れる。
「い・・て。風の魔法か」
「消えろ。暴風波!!(ストームブリンガー)」
エリゴールから竜巻が発生しカムイを襲う。
「ぐは!」
「おわりだ」
間髪入れずにエリゴールが持っていた鎌で止めを刺しに振り下ろす。
鎌はカムイの体を真っ二つにする。
—バチ!バチバチチチチ—
その瞬間カムイの体から放電するかのように電気を飛び出す。
「ぐがあああ!」
エリゴールが膝を着く。その後ろにはカムイがいた
「雷写(かみうつし)」
そう言うと、チーが太刀に変形した。
「終わりだ。雷太刀!!」
今度はカムイが止めを刺すべく、エリゴールに向かう。
エリゴールはそれを風を使い、宙に逃げる。
「また、飛びやがったか」
悔しそうにカムイがいう
(雷系の魔法か。電気で自分の分身を作り、攻撃したら発動するトラップ式魔法。
魔法を変わった使い方しやがる。これが妖精の尻尾の魔導士か)
エリゴールか空中で思う。そしてまた地面に降りたとき
「少し貴様を甘く見ていたようだ。どうやら本気で殺らないとそこを通してはもらえないらしい」
エリゴールが口元を笑わせながら言った。
「この先はギルドマスターたちが定例会をやっている。そんなところにお前みたいな
魔力を持った奴が、なんの用だ」
「なに、簡単なことだ。この笛を使ってじじいどもを殺そうと思ってな」
エリゴールが三つ目のドクロを取り出す。
「何だ、その趣味の悪りー笛は?」
「くくくく。この笛の音を聞いた者をすべて死にいたらしめる。
集団呪殺魔法、呪歌(ララバイ)だ」
その言葉をきいた瞬間、カムイの表情を青ざめた。
「まさかそれを使って、定例会をしているじっちゃんたちを殺すつもりか!?」
「はーーははは!これは死神の粛清だ。我等の仕事と権利を奪った老いぼれどものな」
エリゴールが両手を広げていう。
「だから、てめーは邪魔なんだよ」
両手を上げる。すると、風がエリゴールの両手に集まってきた。
「くらえ!!すべてを切り刻む風翔魔法、翠緑迅(エメラ・バラム)」
指を前で交差させる。すると風が線路を切り裂きながら向かってきた。
—ズギャギャギャギャ!—
辺りの線路はエリゴールの魔法で崩れそうになっていた。
「ふん。俺にこの魔法を出させたんだ。若い魔導士にしてななかなかだったな。
ま、所詮おれの相手ではないな」
エリゴールはそういうと、身をひるがえしクローバーに向かおうとした。
「待てよ、どこに行くつもりなんだ」
後ろからの声にさっと振り返る。そこにはカムイがボロボロになりながらも立っていた。
「バカな、あれを食らって生きているなど・・・あれは」
カムイの周りの景色が揺らいでいるのが見えた。
「なるほど、電熱か」
そう、カムイは己の電気を高温の電熱に変えたのだ。それによって温められた空気が
上昇気流を風を上に流し、ダメージを軽減させたのである。
「だが、すでに立っているだけでやっとだな。もう一発食らわせて
今度こそあの世に送ってやる」
そういうと、また手に風を集める。だが今度はそうはならなかった
「なんだ!?風があいつの方に流れて」
風がカムイの方にどんどん流れていき、エリゴールの魔法が打ち消させた。
「バカな。電気でこれほどの熱をだすなんてありえん!!」
「今度こそ終わりだ」
カムイがエリゴールの上をとる。太刀に帯びている電気がいつにも増して
強く、激しく輝いている。
「虎降雷(ここうらい)!!」
太刀に溜まった雷が一気に地面に落ちていく。
- Re: FAIRYTAIL(フェアリーテイル) ( No.8 )
- 日時: 2009/12/11 17:36
- 名前: アビス (ID: 7.60N42J)
8話〜走れ!!マスターの元へ〜
「しまったな・・・」
カムイが呟いた。線路はカムイの放った技で
ほぼ崩壊、とても列車が走れるような状態ではなかった。
しかし、カムイが言ったのは別な意味だった。
「つい熱くなってあの魔法を出しちまった。これは使わないって約束したんだけどな」
カムイが呟いていると、チーが鳴いた。
「心配すんなよ。お前に迷惑はかけないさ」
カムイがそう言ってあやす。その時遠くからこの線路を渡ってくる音が聞こえた。
しばらくすると、遠くから魔導4輪車と呼ばれる乗り物がやってきた。
こちらに近づいてくる。そして、カムイの目の前で止まった。
操縦者が席を降りてこちらに近づいてくる。
キリっとした顔つきの鎧を着た赤髪の女性だった。
「だれだ?こいつの仲間か」
カムイが構える。しかし、チーが鳴くとカムイは警戒を解いた。
「どうした。なぜ警戒を解く。そいつの仲間かどうか疑っていたんじゃないのか?」
女性はカムイの変動っぶりを見て尋ねた。チーはすでに元の姿に戻っていた。
「チーがお前から嫌な魔力は感じないって言ったんだ。なら、あんたは敵じゃない」
そんな話しをしていると、
「ああー!カムイじゃない。ほらナツ、カムイだよ」
後ろの荷車から、叫び声が聞こえる。
「ウェップ。うう」
ナツはすでに死にそうなくらい、顔色が悪い。
「ルーシィ!ナツ!それにグレイも!」
カムイが驚き、名を叫ぶ。
「なんだ。知り合いなのか?おまえたち」
女性が二人の顔を見ながら言った。
それから、5人はお互いの事情を話した。その時この女性の自己紹介もあった。
彼女の名はエルザ。同じフェアリーテイルの魔導士だというのだ。
カムイも少しその名を聞いたことがあった。ギルド最強の女、『妖精王(テイターニア)のエルザ』
旅先でララバイと鉄の森の事を聞きつけ、阻止するべく
ナツたちを誘ってやってきたとのことだ。
一通り話しをすると、エルザが
「それにしても、この穴はお前がやったのか?」
カムイの後ろに空いている大穴を見て言った。
「ん、ああ。まあな」
カムイが少し答えずらそうに言う。
「大した破壊力だ。相当な魔法を使わなくては、こうはならん」
「なに、言ってんだ。俺でもあれぐらい余裕だっての!」
ナツが叫ぶ。
「はっ。てめえじゃあ、焦げ跡つけるぐらいが限界だぜ。炎野郎」
グレイがいう。
「なんだと、てめえなんかこの線路をすこ〜し、冷たくする事しかできねえくせによ変態野郎!!」
「ほ〜。試してみるか。お前が相手なら氷漬けにできるぜ」
グレイが腕に魔力をためる。僅かに辺りの気温が低くなった気がした。
「お〜よ。おめえの氷なんか俺の炎で溶かしてやるぜ」
ナツも腕から炎を出す。本当に今から決闘が始まってしまいそうだった。
その時
「やめないか!!!二人とも!!!」
エルザの鼓膜が破れるほどの大声が響く。二人の動きが止まる。
「今は喧嘩している時ではない!一刻も早くララバイを奪還しなくては」
エルザがそこまで言うと、後ろの魔導4輪が勝手に動き出した。
「カゲ!!」
「危ねーな。動かすならそう言えよ」
そこにはカゲと呼ばれたけが人が運転席に座っていた。
「油断したな、ハエどもめ。笛は・・ララバイはここだーー!!さまあみろ!!」
カゲは落ちていたララバイを取ると、そのままそのままクローバーの町に向かった。
「あんのヤロオオオオ!!」
ナツが体から炎を出し叫ぶ。
「急いで追うぞ!!」
エルザの言葉に5人はカゲを追いかけた。
- Re: FAIRYTAIL(フェアリーテイル) ( No.9 )
- 日時: 2009/12/11 17:36
- 名前: アビス (ID: 7.60N42J)
9話〜仲間と歩む道〜
—クローバ町 定例会会場—
「ハァ、ハッ、ハァ」
カゲは息を切らしながら魔導4輪車を降りた。
(よし、まだ、定例会は終わってないな)
カゲは心の中で勝利を確信していた。後は自分がこの笛を
吹けば、全てが終わると。
カゲは笛を取り出し、吹くために口に近づけた。その時
ーポンー
自分の肩に誰かが触れる。自分のやろうとしていた事もあったので、
カゲは自分でもびっくりするぐらい驚いた。
「ふひゃひゃひゃひゃひゃ!!ゲホッゲホッ」
そこにはマカロフの姿があった。自分が殺そうとしたギルドマスターの一人。
マカロフは今も咳き込んでいる。
「と、こんな事している場合じゃなかった。急いであの3人の元に
行かねば。本当に町が消えかねん」
そこまでいうと、マカロフはカゲを見た。
「お前さんもはよぉ帰れ。病院にな」
(ちっ。今後は妖精の尻尾のマスターか。つくづくハエに縁のある一日だな)
心の中でそう思うも、カゲは笑顔を装って。
「あ・・あの。一曲聴いてくれませんか?病院は楽器が禁止されているもんで・・・」
「・・・気持ち悪い笛じゃの」
マカロフはカゲが持つ笛を見ながらいった。
「見た目はともかく、いい音が出るんですよ」
「急いでいるんじゃ。一曲だけじゃぞ」
「ええ」
マカロフの言葉に思わず笑みを浮かべた。これでいける。この距離なら
中の会場にも十分聴こえる。
カゲがもう一度笛を口にそえる。
「よぉく聞いててくださいね」
・・・そこでカゲの動きが止まった。なぜ止まったのかはカゲ自身にも分からなかった。
そんな事を考えている中で、何故かここにくる途中に妖精の尻尾にいわれた言葉が蘇る。
『そんな事をしたって権利は戻ってこないのよ!!』
正規ギルドが俺たち(闇ギルド)の何がわかる!!
『もう少し前を向いて生きろよ。お前ら全員さ』
黙れ・・・
『カゲ!!お前の力が必要なんだ!!!』
黙れ黙れ!!
なぜこんな時にあんな奴らのことを・・・
「いた!」
5人がようやく追い着いた時には既に、カゲはもう吹く寸前だった。
「マスター!!」
エルザがそう叫び、マスターの所に向かおうとする。だが、
「しっ。今いい所なんだから、見てなさい」
それを制止させたのは、ブルーペガサスのマスターだった。
「あなたは!!」
「あら、エルザちゃん。大きくなったわね」
「どうした?早くせんか」
向こうからの声に一同は静まり返った。
「さあ」
マカロフの言葉にカゲは異様な恐怖を覚えた。
(吹けばいいんだ。それだけで・・すべてが変わる)
「・・何も変わらんよ」
自分に言い聞かせるように思った言葉にマカロフの言葉が突き崩した。
「人間などもともと弱く小さな生き物じゃ。自分の不甲斐なさに嘆くこともあれば。
自分の弱さに不安にもなることもある。
一人じゃ何をやっても限度がある。
だからこそギルドがある。仲間がいる。
人と関わり合い、競い合い、寄り添い合って歩いていく。
不器用な奴には人よりも苦労も時間も掛かるじゃろう。
それでも明日を信じて踏み出せば
おのずと光が見えてくる。強く生きていこうと笑っていける。
そんな笛を頼らんでも・・な」
「〜〜〜〜〜」
・・・・
・・・
・・
・
—コト—
そう音が鳴ったとき地面にはカゲが落とした笛があった。
「参りました・・・」
カゲは小さな声でそういった。
- Re: FAIRYTAIL(フェアリーテイル) ( No.10 )
- 日時: 2009/12/11 17:37
- 名前: アビス (ID: 7.60N42J)
10話〜妖精の尻尾の実力〜
「マスター!!」
カムイたちが草むらから出て、マカロフの元に向かう。
「ヌオオォオ!?なぜお前たちがここに!!?」
「さすがです!!今の言葉、目頭が熱くなりました」
エルザはそう言って、マカロフを抱きしめた。しかしエルザは
鎧を纏っているので、当然・・・
「痛!!」
と、こうなる・・・。
「じっちゃんスゲェなぁ」
ナツはマカロフの頭を叩く。
「そう思うなら、ペシペシせんでおくれ」
そんな一件落着モードに入っていたのだが
『カカカ。どいつも情けねえ魔導士どもだ』
なんと笛から声が喋ったのだ。
『もう我慢できん。ワシ自ら喰ってやろう』
笛からもくもくと黒い煙が吹き出たかと思うと、それが悪魔の形となった。
「な!!怪物ーー!!」
皆が口々にそう叫んだ。
「な・・何だ!?こんなのは知らないぞ!?」
カゲが震えながら言った。
「あらあら、これは大変」
「こいつはぁ。ゼレフ書の悪魔だ」
マスターたちも冷や汗を流している。
『腹が減ってたまらん。貴様らの魂を喰わせてもらうぞ』
「なにーー!!なあ、魂ってうめえのか?」
悪魔の言葉にナツがグレイに聞く。
「俺が知るか。それにしても一体どうなってやがんだ」
「これは、魔法界の歴史上最も凶悪だった黒魔導士・ゼレフの魔法。
それはつまり、悪魔を生み出す生きた魔法」
ボブが説明した。
『さて、それでは頂こうか。全員の魂を』
ゼレフの悪魔を口を開けた。呪歌を放つつもりだ。その時
—ヴォオン—
マカロフの横をエルザが横切った。するとエルザの鎧が変化した。
「鎧の換装!?」
四つ首の猟犬(クワトロケルベロス)のマスターゴールドマインが言った。
換装とは魔法剣士が別空間にストックされている武器を呼び出し、
武器を持ち帰る事をいう。
換装は普通の魔法剣士は武器だけなのだが、エルザは己の能力を増大させる
『魔法の鎧』も換装しながら戦う。
それがエルザの魔法、騎士(ザ・ナイト)
エルザは悪魔の足を切った。悪魔が一瞬たじろぐ。
その隙に、ナツは悪魔の体を登り炎を纏った足で蹴る。
悪魔が体勢を大きく崩した。
「あの巨体を蹴りで。本当に魔導士か、あいつ」
周りにいたマスターたちが驚く。
『小僧が。我の体から離れろ!!』
悪魔は腕を思いっきり振り回し、ナツを振り落とそうとする。
「軽く酔う」
そう言いながらも離さないナツ。
「その両腕邪魔だな」
上空からの声に反応し上を向く。
「天より裁くは雷神の判決。判決を受け断頭の刃を受けよ」
カムイの腕から二つの雷が放たれる。
「雷断(らいだん)!!」
雷は悪魔に向かって落ちていき、両腕の付け根に直撃する。
その瞬間、腕は体から切り離された。
『ガ・・』
「なんという破壊力・・・」
マスターたちが驚愕する。
「いまだ!!」
その合図にエルザは一撃の破壊力を増大させる、黒羽(くれは)の鎧に換装。
「アイスメイク・・槍騎兵(ランス)」
グレイは手を前にかざし、手から氷の槍を放つ。
グレイが使う魔法は氷の造形魔法。
魔力に形を与える魔法だ。それと同時に、形を奪う魔法でもある。
「右手の炎と左手の炎を合わせて」
ナツが手を合わせると、炎が合体して巨大な炎を作り上げた。
「火竜の煌炎(かりゅうのこうえん)!!」
—ドゴォン!!!—
3人の攻撃が一気に決まる。
『バ・・バカな』
悪魔はそういうと、一気に倒れた。
「見事」
マカロフは静かにそういった。
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