二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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悪ノ召使 勝手に妄想
日時: 2010/02/13 22:38
名前: 中一にしての鏡音廃 (ID: glXVlHlM)

〜注意事項〜

※悪ノP様の悪ノ召使で小説をやります。
※勝手な妄想が嫌いな方は、見るのをお控えください。
※レン視点です。
※コメントは歓迎します。感想、アドバイスなどをどんどんください。

〜キャラクター〜

・レン・カガミネ(国の王子だったが、大人の都合で王女の召使になった。)
・リン・カガミネ(ボカリア王国の王女。レンの双子の姉でもある。)
・メイコ・サキネ(ボカリアの町娘。)
・ミク・ハツネ(緑の国で、花売りをする少女。)
・カイト・ハジメネ(青の国の王。リンの婚約者。)
・ルカ・メグリネ(ボカリア王族の専属魔導師。)

その他、たくさんの亜種も出していくつもりです。

出してほしい亜種の用紙(コピーして貼り付けてください。)>>5
第一話>>1     第六話>>8
第二話>>2     第七話>>9
第三話>>4
第四話>>6
第五話>>7

《カイト視点》
第八話>>10

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Re: 悪ノ召使 勝手に妄想 ( No.7 )
日時: 2010/02/13 17:28
名前: リリアン (ID: glXVlHlM)

「ただいま戻りました。リン様。」
「どうだった?」

 リンは、その体にあわないくらい大きな椅子に頬杖しながら、楽しそうに聞いた。

「こんなに面白い仕事、他にありませんよ。」
「フフ・・でしょ?けど、私がやると面白くないの。レンがやらなくちゃ。」
「はい。」
「そういえば、明日、青の国の王が、ここに来るの。」
「リン様の、婚約者のですか?」
「えぇ。何の理由で来るかは、話してくれないのだけれど、きっといいことよ。」
「楽しみですね。」
「だけど、レンに聞かれるのは、ちょっと嫌なの。あっ、レンが嫌いってわけじゃないのよ。私もお年頃だし・・・」

 リン王女も、14歳、そう考えてもおかしくないのだろう。レンは、嫌な思いをさせないよう、にっこりと笑って言った。

「分かりました。では、僕は明日、休暇をとらせていただきます。行きたいところがあるので。」
「かまわないわ。レンには休みを与えてなかったから。」
「ありがとうございます。」
「今日は、もう下がりなさい。」
「かしこまりました。」

 明日は、久しぶりの休暇。レンには、どうしても見に行きたいところがあったのだ。
 実はレン、大の花好きなのだ。召使修行をしていた頃、よく、講師の先生に、連れて行ってもらっていた。
 緑の国には、森林や植物が多く、大陸一大きな温室がある。その温室は、あまり知られていないのだが、世界の花が全てそろってるのではないかというくらいの花があった。

(久しぶりに、趣味につかるのもいいか・・・)

 レンは、明日を心待ちにした。だが、このときはまだ知らなかったのだ。明日が悪夢の日になるという事を。

Re: 悪ノ召使 勝手に妄想 ( No.8 )
日時: 2010/02/13 20:18
名前: リリアン (ID: glXVlHlM)


「うわぁ・・・。すごい・・・。」

 レンは、一面の森を見渡した。その中に、静かにそびえる温室は、まるで宝石箱のようだった。
 この温室には、元々、持ち主がいた。だが、今ではその人が亡くなってしまい、誰の物かもわからない。
 だが、元々の持ち主の人とレンは、とても仲がよく、いつも無断で入ってよかったので、今でも時々来ては、あたり一面に咲く花に見とれていた。

「薔薇、コスモス、スイレン、どれも綺麗・・・。」

 まるで女の子のような趣味だが、まだ誰にも教えていないので、問題は無い。それ以前に、レンは、花が好きなのだ。
 その時。

「〜♪〜♪・・・」
「歌声?」

 いつも、誰もいないはずの温室から、声がするのだ。それも、美しい歌声が。
 レンが、奥に進むと、そこには何と、一人の女性が花に水を上げていた。

「あっ・・・。」
「誰かいるの?」

 思わず声を漏らしたレンに、女性は気づき、話しかけた。レンは、何も出来ずに、ただそこに固まっていた。

「あなたは?」
「ぼ、僕は・・・レン。」
「あぁ・・あなたがレン君?おばあ様から話は聞いてるわ。」
「おばあ様って、管理人さんの?」
「そう。私、その孫なの。名前はミク。」
「ミクさん。よろしくお願いします。」
「こちらこそ。」

 ミクは、優しげに笑った。
 レンより、少し年上のミクは、長く、よく手入れされた緑の髪をツインテールというのだろうか、二つに結んでいた。
 その優しげな声と笑顔。話すたび、目があうたび、レンの顔が赤く染まった。
 レンは、恋をしたのだ。
 確かに、ネルの言っていたのと、何かが違う。彼女の美しさ、優しさへの憧れと言ったところだろうか。胸が熱くなった。

「レン君は、花が好きなの?」
「!?・・・えっ、まあ・・・その・・・。」
「男の子なのに?」
「うぅ・・・。」

 かっこ悪い。そう、レンは思った。
 男なのに花なんて、とは、前から思って、ずっと秘密にしてきた。いつかばれるんじゃないかとも思っていた。だが、その相手が、自分の初恋の人だとは、思っても見なかった。

「男なのに・・・変だよね。」
「そんな事無いわ。素敵よ。お花を愛する事のできる優しい人って事だもの。」
「えっ?」

 意外な答えに、レンは、ぽかんとした。

「ほんと、素敵な人ね。」
「・・・す・・」
「えっ?」
「いや、なんでもない。」
「そうだわ。いいところに連れて行ってあげる。」
「いいところ?」

 ミクは、レンの手を引っ張ると、温室の奥の奥へと連れて行った。
 ついた場所は、石で出来た壁の前。なにやら変な模様が書いてあって、小さなくぼみがあった。

「この先よ。」

 そういうと、ミクは首からさげたペンダントをくぼみにはめ込んだ。すると、重そうな石の壁が、向こう側へと倒れ、橋になった。
 奥には、もう一つの温室があった。

『フラワーショップ HATUNE』

そう書かれていた。

「ここわね、普通の花が置いてあるところなの。いわゆる、雑草といわれる植物達。」
「普通の花?」
「どんなに雑草と呼ばれても、名前があって、それぞれ違った花を咲かせる。」

 ミクは、そこに咲くタンポポを手に採ると、レンの後ろで結ばれた髪に刺した。

「あなた、疲れてるでしょ?そういう時は、タンポポがいいのよ。何個もの花が集まって一つになってる。『仲間』の象徴。」
「へぇ・・・。」
「必ず、あなたの事を見てる人はいるわ。だから、がんばって。」
「はい。」

 何か勇気がわいてくる。ミクに言われた言葉は、一つ一つに思いがこめられ、レンを温かく包んだ。
 気がつくと、夕方になっていた。

「もう、夕方。花を見てると時間が早い。」
「そうね。」
「僕は、もう帰ります。また会えるといいですね。」
「えぇ。もちろんよ。」
「それでは。」

 レンは、温室を出た。帰る道が異常に長く感じる。花を見ていたからか、好きな人を見ていたからか。
 お城につくと、家人達があたふたとしていた。その中に混じって、ネルがいた。

「ネル!どうしたんだ?」
「レン。大変なの!もうすぐ戦争になるわ。」
「せ、戦争!?」
「王女様とカイト王様の縁談後、急に王女がそういって・・・。」
「僕、りん王女に会って来ます!」
「えぇ。」

 レンが走って大広間へ向かうと、そこはもう、悲惨な状態だった。
 鏡は粉々にわれ、カーテンは引き裂かれ、あらゆるものがひっくり返っている。その奥に、泣いてるのか、笑っているのか、王女が、何かをつぶやいていた。

「リン様。どうしたのですか?」
「レン・・・カイト様が・・緑の女と・・・。」
「緑の女?」
「私をふって、緑の女と結ばれたのよ!私を捨てて、温室を営む愚民と!」
「温室を・・・営む・・愚民・・・・と・・?」

 そう、ミクのことだ。レンの頭が真っ白になった。さっき会った人は、自分の恋した人は、リンの敵。自らの敵なのだ。

「レン。あの娘を消しなさい。今すぐ!」
「えっ?!」
「あの娘の国を焼き払いなさい。緑の髪の女は全て、殺してしまいなさい!」
「リン様!どうかお考え・・」
「レン!」
「・・はっ・・・・」
「あの女が憎いの・・・あの女が・・。」
「・・・・・。」
「レンだけが頼りよ。」
「・・・かしこまりました。」

 止める事ができなかった。王女の暴政。愛する姉の暴政を。
 レンは走る。さっきの道が、今度は短い。ソードを持った。その手には、汗がにじみ出ていた。
 今から、自分の恋した人を殺しに行く。そんな事、考えたくも無かった。だが、それは事実なのだ。

—君は王女—
       —僕は召使—

—運命分かつ哀れな双子—

—君を守るそのためなら—

—僕は悪にだってなってやる—

 愛する女性と恋した女性。レンの取ったのは、愛する事だった。

「ずるいよ・・・リン。たった一人の家族を・・・姉を・・・裏切る事なんて、できないじゃないか・・・。」


—どうして?—








—涙が止まらない—

Re: 悪ノ召使 勝手に妄想 ( No.9 )
日時: 2010/02/13 20:43
名前: リリアン (ID: glXVlHlM)


 レンは、荒々しく温室のドアを開いた。
 ミクの姿は無い。あるのは、一面に咲く花だけ。そこからレンは、大輪の薔薇を採った。
 奥に進むと、さっきのショップが空いていた。ミクの歌声も聞こえた。

「〜♪〜♪・・・」

 レンは、ソードをグッと握り締め、ショップに入った。ミクは、その花たちに、水を上げていた。

「あら、レン君。何か忘れ物?」
「・・・ミクさん。」

 これから殺される。そんな事もしらずに、微笑むミクが、レンには辛かった。
 レンは、持って来た薔薇を、近くの花瓶に刺した。そして、今にも泣きそうな声で言う。

「周りの哀れな雑草は、王女の養分となる・・・。」
「何言ってるの?レン君。」
「邪魔な雑草は始末しろとの命令だ。僕の愛する王女様から。」
「えっ・・・。」

 レンは、ソードを向ける。ミクは、凍ったようにそこに立っていた。

「君は、雑草だ。だから、僕はその雑草を消さなきゃいけない。だけど・・僕は、本当に君が好きだった。たとえ、雑草だったとしても、このタンポポのようにけなげな美しさを持った君が。」
「レン君・・・・?」
「ごめんなさい。ミクさん。」

 肉が切れる音と共に、その温室が薔薇色に染まった。レンは、逃げ出すようにその場を去った。
 温室の外は、火の海だった。だが、レンの進んでいった道だけは、火がついていなかった。きっと、王女が逃げ道を作れと命令したのだろう。
 道をとぼとぼと歩く。
 下は見たくない。見るたびに恋した人を殺ったソードが目にはいる。その血も。
 あの時、王女を止められていればよかったのに。いくら嘆いても遅いのに、そうしか思えなかった。
 それ以前に、どうして、王女と自分が、一緒に入れなかったのか。一緒にすごせていれば、こんな事にはならなかった。そんな気がしたのだ。

「リン・・・とっても可愛くて、無邪気な君なのに・・・君の気持ち読めなくて・・・君にはとげが多すぎて・・・僕には触れないよ・・・。」

 城の大広間は、もうすっかり綺麗になっていた。メイドの誰かが掃除をしたのだろう。いつも通り、リンが頬杖をしてレンを待ち構えていた。
 レンは、真っ赤に染まったソードを差し出し、静かに言った。

「すべては・・・・リン様のために・・・・・・・・・・・。」
「ありがとう。レン。辛かったでしょう?」
「えっ・・・・。」
「私にだって分かるわ。人を殺す事の恐ろしさくらい。」
「リン様・・・・・・」
「いいの。何も言わないで。今日はゆっくり休んで。」
「・・・はい。」

 姉は、無限の顔を持っていた。

Re: 悪ノ召使 勝手に妄想 ( No.10 )
日時: 2010/02/13 22:36
名前: リリアン (ID: glXVlHlM)


 森の奥の温室。そこで俺は、彼女とであった。
 彼女は、花が好きで、毎日そこに水遣りに来てるそうだ。その時の、優しげな笑顔。俺は一目ぼれをした。
 だが、俺には婚約者がいる。俺と同じ王家。黄の国の王女様だ。彼女は、実行力があり、堂々とした態度が魅力的だ。だが、まだ14歳。わがままなのだ。
 いつかは話しをして、婚約者をはずしてもらおうと考えていた。そんな時、目の前に現れたのが、ミクだった。

「カイト王様は、お花は好きですか?」

 そう言ってくれたっけ・・・
 今日も、彼女の温室に向かう。王女との縁談も決まり、俺は婚約者の席をはずされた。
 そうだ、彼女に告白しよう。たくさんの花束をもって。彼女の好きなタンポポを入れよう。色んな事を考えながら、俺は、緑の国へ行った。
 だが、国についた瞬間、俺は持っていた花束を落とした。

「なんていうことだ・・・・。」

 国が燃えていた。森の奥に、少しだけ温室のてっぺんが見えた。

「温室は燃えていない。」

 俺は、走って走って、温室に行った。だが、そこにも、悲惨なものが散っていた。行かなきゃよかったと後悔した。

「ミク・・・?」

 薔薇色に染まったミク。

「ねぇ、何でそんなところで寝てるの?」
「ねぇ・・・」
「ねぇ!」


「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


 俺は叫んだ。何でこんな事になってしまったんだ。彼女が何かしたのか?
 俺の来た道に、焼け焦げた死体はたくさんあった。だが、刺されて死んでいたのは、ミクだけ。ミクが何かしたというのか?
 俺は、一つ一つ記憶をたどった。すると気がかりな事を思い出したのだ。

—申し訳ないが、婚約の話は無かった事にしてくれ—

—えっ?そ、そんな!カイト様!—

—温室を営む娘に恋をしたんだ・・・—


—温室を—





—営む娘に—







—恋をしたんだ・・・—

 あぁ、俺が馬鹿だ。何であの時、王女に向かってミクのことを出したんだ。婚約の話だけすればよかったのに・・・・。

「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」

 俺に復讐心が芽生えたのは、その時だった。

Re: 悪ノ召使 勝手に妄想 ( No.11 )
日時: 2010/03/13 17:58
名前: 秋桜 (ID: bTobmB5Q)

すごい妄想・・・いえ、発想力ですね!!

あっ!!挨拶が遅れました。秋桜(コスモス)です。

私もボカロ大好きで・・・。リリアンさんとは違った形で悪ノ召使を書いています。よかったら、遊びに来てくださいね☆

これから度々顔を出そうと思うので、仲良くしましょうね☆(タメでいいですよ〜♪)


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