二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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戯言世界の無為式—REBORN×戯言—
日時: 2010/05/12 18:02
名前: 消失 (ID: X9/3/8Rv)

クリック有難うございます!

今回は人類最弱こと、《戯言使い》の《娘》設定で書いていきたいと思います。

ちなみに舞台は並盛ではありません。京都ですので。
頑張ります!

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Re: 戯言世界の無為式—REBORN×戯言— ( No.5 )
日時: 2010/05/12 18:25
名前: 消失 (ID: X9/3/8Rv)




世界は美しいからこそ、醜い物だ。

憎いからこそ、美しい。
端麗で儚いこそ崩壊しやすい。

綺麗な物ほど壊れやすく、醜いものこそ崩壊しにくい。

本当、ずるい世界だ。

僕はきっと、そんな世界の《外部》の存在なのだろう・・・。



「・・・」

僕はどんぶり一杯に入ったキムチを見ながら、絶句した。
何故こんなキムチ一杯を食べているかと言うと。
つい最近、金持ちな友人の家に訪ねてご馳走になった。

その家でご馳走になったのが・・・高級料理だ。

舌がその味を覚えてしまい、普通の料理を食べてもいまいち足りないと言う感覚を味わっている。
その為、キムチを食べていると言う状況だ。

・・・だけど、これは。

「うわぁーいっ君何それ?」
「・・・ちょっと、ね・・・」

僕は箸でキムチを挟む。

口に少しずつ運び、痺れる感覚を味わう。

・・・脳みそまで痛覚が麻痺しているようだ。

「そういえばいっ君一週間も何してたの?」
「・・・あぁ・・・ちょっと、旅行にね」
僕はキムチを食べながら言う。
「フゥン・・・ま、いいけどっ!それより、転校生の皆かっこよかったね!イケメンだったよね!」
「・・・そうだね」
確かにあの人たちはイケメンだった。

凛々しいし、格好いいし、・・・イケメンだった。

「・・・あ」

噂をすればなんとやら。
食堂に彼等が入ってきた。
「うわっイケメン集団だねいっ君!」
「そうだね」
僕は適当に返事をしてキムチを食べ進める。
舌が麻痺し、脳みそが麻痺する。

「・・・?」

その時。

僕は、僕の中にある何かの《勘》が、

作動した。

《危機感》《経験感覚》《察知能力》。

全ての、嫌な感覚が作動した。

「・・・」

僕は、その感覚を、《今は》無視した。

Re: 戯言世界の無為式—REBORN×戯言— ( No.6 )
日時: 2010/05/12 18:43
名前: 消失 (ID: X9/3/8Rv)

第二幕 存在否定《存続否定》


自殺するほど、
愛《してました。》



「・・・パーティー?」
「うんっ!明日クラス全員でパーティー♪」

冷夏ちゃんが僕にパーティーの話を持ちかけてきた。

「何の?」
「いっ君授業聞いてなかったの?」
「・・・記憶力が悪い性質でね」

僕は何でもなさそうに言う。
実際想だから仕方が無いことだと思う。

「明日っ!一時間目に転校生祝いパーティーをやるんだよっ!」
「・・・」

僕は冷夏ちゃんの言葉を静かに聞きながら、まだ残る《嫌な予感》に、胸騒ぎを起こしていた。

「・・・それに、僕は何をすればいいの?」
「あぁ、いっ君は客だよっ!」
なるほど、僕にぴったりの役だ。

観覧者。傍観者。

僕は静かに一人でうん、とうなづいていた。
「・・・で、明日なんだね?」
「うんっ!あ、もう帰らないとっ!明日いっ君!」
僕は冷夏ちゃんを見送って、机から僕も立ち上がる。

すると教室に残っていた朝里君に声をかけられた。

「なぁ、転校生の事どう思った?」
「・・・それって・・・どういう意味?」
「第一印象だよ。俺はあいつ等、不自然だと思うぜ」
流石朝里君。
たった一日でそれだけ観察できるなんて。
「だけど、あの人達を《不自然》で終わらすのはどうかと思うよ」

「・・・妙なほどに冷静だった。嫌なほどに落ち着いて、なんていうか・・・《自分自身を否定している》」

ドクッ・・・

僕の心は、その一言で揺れた。
「・・・僕、もう帰るね」
「あ、おう」

僕は、鞄を担ぎ、自分の家に向かった。

Re: 戯言世界の無為式—REBORN×戯言— ( No.7 )
日時: 2010/05/12 18:56
名前: 消失 (ID: X9/3/8Rv)




夜。

僕は家出零崎と会話をしていた。
だが、それが会話と言えるものなのだろうか。

僕は転校生の話を一方的に。
零崎は今週何をしたかを一方的に。

「・・・なぁ、零崎」
「何だ?」

「《自分自身を否定した事》は、あるか?」

唐突に朝里君の言葉を思い出し、口に出してみる。
すると零崎はかはは、と笑い。

「そんなの決まってるジャンかよ」
「・・・だね」

「「当たり前だ」」

僕と零崎は顔を見合わせた。
「本当戯言だね」
「傑作だ」
零崎はナイフを取り出し、キラリと月光にきらめかせた。
僕はそんな零崎のナイフを見ながら、口を開く。

「転校生のこと」
「・・・何だぁ?」

「あいつ等は《自分自身を否定》して、《絶望》している。零崎はそんな奴を見たらどう思う?」

零崎は笑いながら言い放つ。

「アホらしいと思うぜ」
「同感」

僕もそう思う。
生きていれば誰だって自分を否定する。
誰だって自分を否定して、否定する。

だけど、そこに何故、《絶望》する事になるのだろう。

本当、それこそ戯言だ。


「そうだ、お前明日・・・ぜってぇ何かあるぞ」


「・・・何、ソレ。見透かしたように・・・」
「・・・大マジだ。俺の勘が騒いでる」
「・・・」
零崎はスッと表情と顔色を変えた。
僕は、溜息をついて、言い放つ。

「大丈夫だよ、そんなの、所詮は」


戯言なのだから。

Re: 戯言世界の無為式—REBORN×戯言— ( No.8 )
日時: 2010/05/13 07:46
名前: 消失 (ID: X9/3/8Rv)




「おはよう、冷夏ちゃん」
「おっはーいっ君今日も気だるそうだねー!」

何かさりげなく悪口言われてるぞ僕。
僕は静かに席に座り、鞄を置いた。

「いっ君、転校生たちに話しかけよーよ!」
「何で?」
「コミニケーションだよ!ね!」

・・・これは。
絶対にやらないといけないパターンか・・・?

「・・・判ったよ。」
僕は冷夏ちゃんの話に、仕方なく賛成した。
僕達は転校生諸君に近づき、冷夏ちゃんが話をし始めた。

「淺川冷夏でーす!よろしくね!」
「・・・玖渚陰です、宜しく」

僕はそう言って彼らの表情を見た。
一見何も無いように見える彼ら。

だけど、《自分を否定している》彼ら。

《絶望》している彼ら。

「俺、沢田綱吉。よろしくね!」
「山本武なのな、よろしくな!」
「・・・獄寺隼人だ」
「六道骸です」
「・・・雲雀恭弥」

個性は揃いの彼らだな。
僕は一人、うなづく。

「お、いっ君何してんの?」
「青井君」

青井山名(あおい やまな)君。

同クラスで一応一般人。

何故一応かと言えば彼がハッカーであるから。
僕は笑う彼を見ながら、無表情で見つめた。
「お、そういや今日は転校生の祝いだったな」
「忘れてたんだ・・・」
「まぁな」
僕は一瞬だけ視線をそらした。
そこに、

「お兄さん久しぶりなんだね!」
「・・・」

匂宮、理澄が、現れた。

全員沈黙。

「あ、あれれ?もしかして、登場場面間違えたんだねっ?うわわっゴメンなさーい!」
「・・・理澄ちゃん・・・」
「何ですか?お兄さん」
「空気読め馬鹿」

僕は拘束着を着た理澄ちゃんにチョップした。

「いったー!お兄さん非道なんだね!」
「・・・」
まぁ、ありがち間違って無いからな・・・。
僕はしばらく黙った。
周りは何時もどおりの動きを始める。
「・・・いっ君の知合い?」
「まぁね」
「お兄さん!私の兄貴から伝言なんだね!」
「何?」
すると理澄ちゃんは一通の手紙を差し出して来た。

指し出し人不明。

「・・・フゥン・・・僕には、関わらないでよ?」
「承知の上なんだね!じゃ!」

そう言って理澄ちゃんは去って行った。
僕は手紙を乱暴にポケットへ押し込んだ。
「なんて書いてあったの?」
綱吉君が、言って来た。

「只の戯言だよ」

戯言だけど、ね・・・。

Re: 戯言世界の無為式—REBORN×戯言— ( No.9 )
日時: 2010/05/13 08:12
名前: 消失 (ID: X9/3/8Rv)




邪魔な存在は消せ。



今日の帰り。(夜)

僕は少し、疲れ気味に歩く。
歩を進める。
パーティーが学校で行われるのは正直困った。
「・・・疲れた」
僕は独り言を呟き、後ろを見た。
「・・・アレ?」
なんだろう。コノ、

匂いは。

鉄の、匂いは。

         血生臭い、鉄の、匂いは。

生きた、血の匂いは。

「・・・ア・・・」
声を少しだけ漏らした。
《彼》が、そこに立っていた。

「・・・何だ・・・」

僕は、構わず走り出す。
《彼》も、走り出す。
僕は瞬間巡る思考を抱えた。
そして、

       ザッ・・・

追いつかれた。


「・・・何してんだよ・・・    《綱吉君》」


手に血を付けながら。
ナイフを、いや、包丁を煌かせながら彼は立っていた。

只、《存在》していた。

「      」

何かを呟いた彼は走り出す。

「      」

何かを呟いた僕は只、立っている。
首にナイフが当てられる。
「・・・何で逃げない?」
「キミが、僕を殺してくれるんだろ」

なら、殺して欲しい。
殺すなら、殺せ。

生きるなら、生きさせろ。
「殺されたいのか?」
「僕は、死ぬ理由も無ければ生きる理由も無い。殺すなら殺すがいいさ」
僕は未だに当てられた包丁を見ながら静かに呟く。

「・・・お前は俺と何処かにてる」

「それこそ戯言だ。簡単に似てると言うな。僕は欠落しすぎているからそう《錯覚》するだけだ。キミは一人なんだ」

僕は視線を揺らがず彼を見据える。
「お前は俺を《化物》だと思わないのか?」
「あいにく、僕はキミ以上の存在を見ていてね・・・君はその部類にも入らない」

彼は包丁を僕の首に押し当てる。
血が薄っすらと、滴り落ちる。

「キミは何で殺している」
「それが、普通だと思ったからだ」
「キミの殺人は、自分だけの、只の《自己満足》だ」
「ッ!」
僕は包丁を右手で掴む。

「甘えるな」

「———!」

    —バガァァァァンッ

トンファーが飛んできた。
僕の頬を切りつける。
「・・・!」
僕はその状況に、頭が着いていかなくなった。

「・・・沢田綱吉・・・何故《殺さなかった》?」

そこに、立っていたのは、


「戯言だよ・・・雲雀恭弥君」


雲雀恭弥だった。


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