二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 戦国BASARA【漆黒の忍-宿命を背負い生きるべく-】
- 日時: 2010/06/01 20:45
- 名前: 綾姫 ◆WHl7i9DA7w (ID: F35/ckfZ)
『特殊兵力部隊』……。いつしか世間は、私達をこう言いました。
私達は簡単に言えば忍。でも、ただの忍ではない。他のどの忍よりも機動力がある。他のどの忍よりも情報収集に優れている。
そして、最初から死ぬ時、死ぬ場所、死に方が解っているつまらぬ人生を送る……。すべて天が定めし宿命。
私の命は後3年6ヶ月。それまで私はどう生きましょう。
クリックthank you! 綾姫と言います。えー、特に書くことがないので(笑)ルールを早速。荒らしや中傷はなし! ……それだけです。だって思いつかないもん。それに、荒らしや中傷がなければ楽しいスレになると思うし。うん(←自問自答)
まー、こんなダメな綾姫だけど、頑張ります! それに、BASARA愛だけはあります! 宜しくお願いします!
「漆黒の忍-宿命を背負い生きるべく-」
登場人物>>1
第壱話「愚かな忍」>>4
第弐話「特殊兵力部隊殲滅計画」>>9
第参話「捕虜」>>10
第四話「勘違い」>>14
第伍話「畑のおじ様」>>15
第六話「これはEnvy?」>>19
第七話「今までの平和はどこへ」>>20
第八話「過去と今の有耶無耶」>>21
第九話「二人の決着」>>22
第拾話「どちらの命が重いのか」>>23
第拾壱話「愛葬-あいそう-」>>24
第拾弐話「片倉小十郎」>>25
第拾参話「紅蓮の槍使い」>>26
第拾四話「最終決戦」>>30
- Re: 戦国BASARA【漆黒の忍-宿命を背負い生きるべく-】 ( No.22 )
- 日時: 2010/05/31 20:06
- 名前: 綾姫 ◆WHl7i9DA7w (ID: F35/ckfZ)
第九話「二人の決戦」
「……」
俺は、伊達軍が陣を置く所の少し前の森に立っていた。あの軍は機動力がある。森なんて普通の道と同じように通ってくるだろう。
そして、ここでけじめをつける。美麗のことに……。
「よっしゃ、あと少しだ! 行くぞ!!」
馬も最後の力を出して全速力で走る。馬を持っていない私は馬に追いつくくらいの速さで全力で走る。
「ヒヒーンッ!!!」
突然、馬がうなりを上げて仰け反った。
「うおっ!?」
地面にはまきびしが敷いてあった。
「やっと来ましたね、独眼竜の旦那」
「っ……」
あの声は白夜。
「Ah〜? なんだ、俺の天下を邪魔しようとするなら容赦しねぇぞ」
「残念だけど独眼竜の旦那の命に興味はないんでね。さ、漆黒の忍を出してもらおうか」
「……美麗か……?」
「……白夜、ここで決着をつけましょう」
「どっちが最強の忍か、ここではっきりさせてやるよ」
「政宗様、貴方は進んで下さい。この先には天下があります」
「大丈夫なのか?」
「ここで死のうと運命。政宗様の天下の為に死ぬのはとても名誉なことです。後悔しません」
「……」
強い意志を放つ瞳で見つめられ、何も言えなくなる。
「畑のおじ様」
「なんだ」
小十郎も言われなれたのか、すぐに反応するようになった。
「政宗様の背中をお願いします」
「あぁ」
「かつての仲間であれ今の敵。全力で参ります」
「ふっ……。紅蓮の忍・北神 白夜。いざ参る!」
- Re: 戦国BASARA【漆黒の忍-宿命を背負い生きるべく-】 ( No.23 )
- 日時: 2010/05/31 20:19
- 名前: 綾姫 ◆WHl7i9DA7w (ID: F35/ckfZ)
第拾話「どちらの命が重いのか」
思えば今日があの日から3年6ヶ月。この戦の勝利は貴方、白夜のものです。政宗様、申し訳ございません。
貴方の天下をこの目で見たかった……。
「はぁっ!」
先制攻撃は白夜。白夜の攻撃はかなり早い。防御するだけでも一苦労。
「美麗、今日が3年6ヶ月だからって諦めてたら承知しないよ? もっと全力で来い……」
「では、私も参ります」
銃や鞭など遠距離攻撃ができるものは卑怯。接近戦の刀にした。
「はっ、やぁっ!」
「どうした、腕がなまったのか」
「戦場で無駄口を叩くものではありません」
喋っている隙をついて、右肩に刀を通す。
「くっ!」
「貴方こそ諦めているのでは……」
あまりに弱すぎる。あの頃の白夜はこんな者ではなかった。
「美麗、戦の途中でわりぃけど……。聞いてくれるかい?」
「……」
いつになく真剣な顔の白夜だったので、黙って聞くことにした。
「俺は真田さんに拾われた。山賊に襲われまくって大変だった頃に、俺を助けてくれた」
相槌を入れるわけでもなく黙って聞く美麗。
「その日から俺は真田さんについて行くって決めた。でも、バカなのか真面目なのか解らない奴で。親方様命で。アイツはいろんな奴に支えられている」
「俺と同じ戦忍の猿飛佐助、真田さんを認めている武田信玄さん。真田さんを信用するたくさんの部下」
「真田さんは、俺がいなくなったって何も変わらない。俺がいなくなるなんて、指を紙で切ったようなもんだ。それぐらいの価値しかない」
「だが、お前は違う。独眼竜の旦那から信用されて。お前がいなくなったら独眼竜の旦那の片目がなくなるようなもんだ。お前がいなくなると、光がなくなるんだよ」
「お前は思ったより、誰からも信頼されているし愛されている」
「……」
愛なんて、身体を重ねるだけのもの……。
「俺はお前に愛を間違って教えちまった。愛は、唇重ねて、身体を重ねることだけじゃねぇ。会話して、手を取り合って、笑いあって……。それだけで十分愛だ」
「俺なんて、ゴミくらいにしか思われてない。俺とお前、どちらが消えるとなれば、当然消えるのは俺だ」
「さぁ、殺してくれ……」
- Re: 戦国BASARA【漆黒の忍-宿命を背負い生きるべく-】 ( No.24 )
- 日時: 2010/05/31 20:41
- 名前: 綾姫 ◆WHl7i9DA7w (ID: F35/ckfZ)
第拾壱話「愛葬-あいそう-」
「さぁ、殺してくれ……」
その声が懇願しているように聞こえた。
「……」
そのすべてを諦めたような顔と声に、辛そうな表情。
「……死にたいのですか」
「もう、生きるのに疲れたってか」
自身を嘲笑うような笑みだった。最後に見る白夜の笑みが自嘲的な笑みなんて……。
「死ぬなら、美麗の手で死にたい」
「……」
そう言われた途端、白夜を思い切り押し倒し、その上に馬乗りになる。
「ありがとな」
男性にしては細い綺麗な首に手を伸ばす。
白夜が目を閉じたのを合図に、その掌に力を込める。
「……」
泣けない自分を呪いたくなった。
「くっ……」
苦しくなってきたのか、その喉が浮き上がる。思わず力を緩めると、
「……これで、いいんだ……」
苦しそうに、それでいてやはり自嘲的な笑みを見せた。
「……」
白夜を苦しめるくらいなら、一瞬で……。そう思い、渾身の力で首を絞める。
「……」
最期に、白夜の掌が美麗の頬を伝った。
「……」
死んで重くなったその身体を抱きしめ、泣きたかった。ここが戦場ということも忘れ泣きたかった。
だが、泣けない。感情を忘れた愚かな女の結果だった。
「……政宗様」
早く政宗様の所へ向わなければ。感傷に浸っていられない。
「……」
白夜のその死体を名残惜しそうに地面に戻す。美麗が去ったのを見て、小さな声が聞こえた。
「だからお前は三流以下だって……」
目には涙を溜めていた。
愛故に葬る。この感情は────
愛葬-あいそう-
- Re: 戦国BASARA【漆黒の忍-宿命を背負い生きるべく-】 ( No.25 )
- 日時: 2010/05/31 20:56
- 名前: 綾姫 ◆WHl7i9DA7w (ID: F35/ckfZ)
第壱弐話「片倉小十郎」
「……」
走る、走る。一心不乱に走る。1秒でも早く政宗様の所へ向かうために。
「うっ……」
そこは、まさに地獄絵図。敵のものか味方のものか解らない死体が転がり、山になっている。この山を踏み越えなければ、政宗様の元へと向かえない。
そして、死体を蹴りながら進むと、死体の中に生きた人間が隠れていた。
「ひぃっ!! 頼む、助けてくれ!! 俺には妻もいるし、小さな子どももいるんだ!!」
「……」
そんな悲痛な叫び、私の耳には入らない。銃声が響き、生きた人間は死体の山に葬られた。
「政宗様!」
やっと主君の姿を見つけた。その背中は、しっかりと畑のおじ様が守っていた。
そこに、畑のおじ様に向かって無数の矢が射られた。その矢は、足元を狙っていた。
「おじ様危ない!!」
と言ったときには遅かった。その矢は、敵を倒したあとの隙を狙って射られたもので、流石の小十郎も避けきれなかった。
「くうっ!!」
「おじ様!」「小十郎!!」
二人はほぼ同時に発した。
「誰か、小十郎様を医師の元へ運んで下さい!」
冷静な美麗の声が指示を出す。力のある武将が2人ほどで小十郎を医師の元へ運んだ。
「政宗様」
「Ah?」
「政宗様の背中は、私がお守りします」
「Ha! 俺の背中、美麗に預けたぜ」
生きて戻ったってことは、勝ったのか……。
その真珠のように白く光る肌には赤紫の痛々しい痣ががあった。
- Re: 戦国BASARA【漆黒の忍-宿命を背負い生きるべく-】 ( No.26 )
- 日時: 2010/06/01 17:17
- 名前: 綾姫 ◆WHl7i9DA7w (ID: F35/ckfZ)
第拾参話「紅蓮の槍使い」
「美麗、総大将の所まで一気に突っ走る!!」
「はい!」
敵将は出会いの一太刀で全て切り捨てた。
「若造共が……。わしに挑むか?」
「おーやーかーたーさーぶぁー!!!!!」
「「!?」」
二人は一気に警戒態勢をとる。
「幸村か、下がっておれ」
「いえ! この女、白夜の仇!! 必ずや討ち取って見せましょう!!」
「……」
「な、な、な、なっ!!!!!」
「……?」
「なんと破廉恥な!! 嫁入り前の女性がそのように肌を出して!!?」
顔を真っ赤にして目のやり場に困っているような、熱血漢っぽい人。
「……」
美麗の服は胸元がざっくり開いた服で、かなり身体のラインを強調する服ではあったが、動きやすかったので気にしていなかった。
「Ha,ha〜。お子様には刺激が強すぎたのかい?」
「……」
人を人形のように……。
「まっ、まぁ!! そんなことは気にせずに!!」
む……? 何故戦うのであった?
「『白夜の仇』であろう?」
冷静な親方様が教えて下さる。
「さすが親方様! ということで、そこの忍! お命、頂戴いたす!」
「……政宗様。貴方は信玄公と」
「……Consent」
「漆黒の忍・紅獄城 美麗。推して参る」
これこそ本当の終わりかもしれない……。
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