二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 透明で端麗で美しい世界—REBORN—
- 日時: 2010/06/12 07:05
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
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—キミは小さくて小さいくらいの大空。
—だけどその大空は何時しか大空をも照らす大空となっていった・・・。
もう一つの世界。
全てが違う世界の中で彼女は、ある覚悟を持って生きていた。
主人公は三次元で生きる少女で、全てを包容する大空の様な少女。
ある些細な事で彼女の運命は大きく変わる・・・。
・目次
第零章 ヤミ
第一章 ヘンドウ 《変動》
第二章 レイコク 《冷酷》
第三章
第四章
第五章
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- Re: 透明で端麗で美しい世界—REBORN— ( No.1 )
- 日時: 2010/06/11 22:19
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
第零章 ヤミ
「おかあ、さん・・・?」
闇が広がっていた。
コンクリートには血の池が広がっている。
手で、目の前に居る肉片に手をつける。
涙が頬から落ちる。
狂いそうな程の目の前の光景に、少女は、目を見開いて見ていた。
「お嬢さんも殺してあげるよ・・・」
ユラリ、と。
男は少女の前に立つ。
その表情は・・・《笑っていた》。
「ア・・・ウァ・・・」
声が出ないほどの恐怖。
立つ事すら出来ない。
「キミも、《お母さんとお父さんと同じように殺してあげるッ!》」
同じように、殺す。
自分も。
体の中で、何かが弾けとんだ。
「う、ぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁ!」
◆
少女は起き上がる。
パジャマ姿で下の階に降り、洗顔をする。
鏡を見て寝癖を治す。
・・・寝癖、と言っても、特には無いのだろうけど。
自分で作った朝食を口の頬張り、服を着替え、鞄を肩に担ぐ。
そして、誰もいないはずの家に向かって。
「行って来ます」
その声は空しく空間に響いた。
- Re: 透明で端麗で美しい世界—REBORN— ( No.2 )
- 日時: 2010/06/11 22:34
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
第一章 ヘンドウ《変動》
何も無い一日が私にとっては平凡な日でいい。
私は口に食パンをくわえたままで登校する。
私は教室に入り、鞄を机の上に置く。
「おはようー刹那!」
「おはよう、」
私はヘラッと笑う。
何時もどおりで寂しすぎる日常。
コレが、私にとっての日常だ。
何気なく窓の外を見る。
青い空が広がり、吸い込まれそうなほどの透明感を持ったガラス板が張り詰められていた。
私は、怪訝そうにして黒板を見た。
◆
「正ちゃん正ちゃん♪」
「何ですか?白蘭さん」
入江正一・・・基、日本支部の入江正一は胃を痛くしながらモニター越しの白蘭さんを見ていた。
「正ちゃん♪何か面白い事が起こりそうだよ♪」
「・・・ハイ?」
入江正一は首をかしげる。
白蘭は楽しげに言った。
「夜空の守護者・・・ね・・・」
「・・・?」
入江正一はそんな白蘭の事を不振に思っていた。
◆
「・・・!コレは・・・」
ジッリョネロファミリー・・・基ミルフィオーレファミリーブラックスペルのボス、ユニは・・・。
急に輝きだした大空のおしゃぶりに戸惑いを隠しきれていなかった。
何故、急に輝きだしたのか・・・判らないからだ。
それも。
こんな強い輝きを放った事など一度もなかったのだ。
「・・・何かが・・・起こります・・・」
ユニは、おしゃぶりを静かに見つめていた。
◆
人知れない森の奥。
そこにはある屋敷が一つ、佇んでいた。
「・・・来るか・・・」
黒いおしゃぶりを首から提げた少年は言う。
独り言を呟いた。
黒く輝くおしゃぶりを見つめながら、楽しげに。
「どう、動くのかな、彼女は」
黒く光るおしゃぶりの中には・・・——少女が写っていた。
- Re: 透明で端麗で美しい世界—REBORN— ( No.3 )
- 日時: 2010/06/11 22:59
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
◆
帰り道。
何か、いやな予感を感じた。
「・・・墓地・・・」
私は自然と足が墓地に向かっていた。
墓地には——・・・一つの十字架しか、なかった。
「・・・」
嫌な感じはするものの、私は近づき始める。
十字架には、銀色に光る懐中時計が下がっていた。
「・・・懐中時計?」
私はその懐中時計に手を伸ばす。
「ッ!」
瞬間、辺りを照らさんばかりの白い光が辺りを照らした。
◆
「・・・ん・・・」
ゆっくりと眼を開ける。
そこは、見知らぬ土地だった。
「・・・何処だ、此処」
土地、というよりも、廊下と言った方がいいのか。
広く豪華な廊下だ。
私がそこで呆然としていると、誰かが走ってきた。
「テメェ何処のファミリーの者だ!」
「・・・ファミリー?」
ファミリーというのはイタリアの・・・マフィアの事か。
私は少しだけ、黙った。
「・・・只の一般人だよ。間違ってこの屋敷に入ってしまったんだけれど」
「嘘を着くな!この屋敷は四六時中監視されてんだ!お前は唐突にこの場に現れた!」
すると今度は何か、黒いマントを肩に羽織った少年が近づいてきた。
何故か私と酷似した姿だった。
「・・・はやと、誰?」
「敵かもしれません・・・下がっていてください!」
バッと彼の前に立ちふさがる男の人。
という事は、この男の人のほうが立ち位置が高いという事か。
「・・・只の一般人、という訳ではなさそうだが、マフィアとも言えないな・・・」
彼はそう言って、私に冷たい冷酷な瞳をぶつける。
視線が交差する。
冷酷な瞳。
氷の様な、刃の様な。
「・・・吐き気がする・・・」
私は、小さく呟いた。
「隼人、ソイツ、俺のところまで連れてきて」
「あ、ハイ!オら、いくぞ!」
ガッと、男に立たされる。
「・・・」
私は無言で歩き始めた。
◆
大きな部屋にたどりついた。
何処の部屋よりも豪華だった。
私はそこに放り込まれる。
「・・・」
「で、キミ、何者?」
「それはコッチの台詞だ。道化師」
「十代目になんて口を利きやがる・・・」
私は無視して話を続ける。
「私は只そこに存在して只世界を見て只観覧者ぶって只見て只笑って只話をするそんな奴が嫌いだ」
男は静かに聴く。
「お前は。お前は、只、全てを拒否している。拒絶している。何故、怖がる必要がある」
私がそういったとき、
頬を、銃弾が掠めた。
間一髪に、私はソレを避ける。
目の前に、銀色の拳銃を握った男が立っていた。
「・・・」
「見透かしたような事を言うんじゃない。どんな立場なのか、判って言え」
冷酷な眼を向けられ、私は無言で座った。
「・・・——もう一度聞く。君は何者?」
「私は竜崎刹那。只の一般人だ」
そう、私は只の、一般人だ。
「・・・フゥン、気に入った」
「・・・」
「ハイ?」
連れてきた男はぽかんとする。
「竜崎刹那・・・いくところが無いなら俺の屋敷に住め。仕事がオマケとして来るがな」
彼は——・・・・・・無表情で言った。
私は、不敵に笑って言う。
「・・・やってやろうじゃん」
- Re: 透明で端麗で美しい世界—REBORN— ( No.4 )
- 日時: 2010/06/12 07:05
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
第二章 レイコク《冷酷》
「俺のファミリーだ」
「・・・その一言で済ませないでよ」
自己紹介くらい彼方はまともに言えないんですか。
私は少しだけ呆れて溜息を吐いた。
「・・・俺は嵐の守護者、獄寺隼人だ」
最初に言ったのはあのつれてきた忠犬っぽい男の人。
「俺は雨の守護者、山本武だ!」
爽やかそうな男の人が言った。
「・・・雲の守護者、雲雀恭弥」
クールそうな男の人。
「晴の守護者、笹川良平だ!」
熱血漢な人。
「雷の守護者・・・ランボです」
何か・・・お金持ちそうな人。
「霧の守護者の、六道骸です」
何か頭が個性的な人。
「リボーンだ、宜しくだゾ」
「・・・皆さん個性的ですね」
私はそういった。
すると山本さんがははっと笑って、
「そうだな、個性的といえば個性的だなー」
「ハァ・・・」
すると携帯が鳴った。
携帯が、鳴った?
私は携帯を手に取る。
「・・・」
愕然呆然驚愕唖然。
画面には文字だけが映っていた。
「・・・何で・・・」
「?」
みんなが不自然に思うのも無理は無い。
画面には、
《彼方が居る今そこは、異世界です。ちょっとした事情で彼方はそちら側に飛ばされることになりました。後はボンゴレファミリーの方々に世話になってください》
「・・・」
メールの送り主、不明。
「異世界・・・?」
「・・・!」
何時の間にかリボーンさんが覗き込んでいた。
私は咄嗟に携帯を閉じる。
「・・・とにかく、宜しく御願いします」
「おう!」
「ケッ・・・」
「・・・」
「極厳によろしくだ!」
「宜しく御願いします」
「クフフ・・・」
「・・・」
私は、無表情で、窓の外を見た。
あの空と同じ、青い空だった。
澄み切った、青空だった。
「・・・」
私は、拳をきつく握り締めた。
覚悟の証だった。
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