二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 永久の空に—REBORN—
- 日時: 2010/06/28 16:47
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
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罪深きその瞳は、何を映す?
神は漆黒の罪悪を見つめていった。
—罪悪—
—永久—
—運命—
言葉が交わされるその中で、罪深き罪人は漆黒の炎をその左目に宿し、神に言った。
『俺の眼には、大罪が見える・・・貴様らの大罪がな』
漆黒の瞳は、静かなる闘志を宿していた。
・目次
第零章
第一章 —罪人— 罪を犯した人
第二章 —無為— 成る様に成らない事
第三章
第四章
第五章
第六章
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- Re: 永久の空に—REBORN— ( No.1 )
- 日時: 2010/06/28 15:25
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
第零章
イタリアにつれてこられて数十年。
きっかけは炎だった。
眼が熱くなった瞬間、左目から炎が燃え上がったのが切欠だった。
本来なら・・・—そんな事はありえなかった。
俺は閉じ込められ、炎の封印を施される。
同時に、大切な物が消えうせる。
—感情—
言葉をなくす。
—希望—
絶望を与えられる。
氷が左目に侵食する。
それを———は、—怒り—と言う感情で、—軽蔑—という感情で見ていたのを、まだ覚えている。
記憶に侵食されたその全ての言葉を、俺は誰に破棄捨てればいいのだろうか。
本当に、滑稽だ。
本当に、戯言だ。
だから——・・・再び、日本に戻れると知った時。
俺は、とても罪悪と孤独と無価値と言う言葉が巡った。
- Re: 永久の空に—REBORN— ( No.2 )
- 日時: 2010/06/28 16:03
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
第一章 —罪人—
日本空港——。
そこに、左目を眼帯で覆い、黒いマントを羽織った一人の少女が居た。
無表情で無感情なその顔。
金色の髪を伸ばし、右目は薄暗いオレンジの色が宿っている。
「・・・」
「チャオッス」
彼女は下を見る。
赤ん坊が立っていた。
「・・・」
少女は無関心そうに只、彼の顔を見る。
その表情に、赤ん坊は顔をゆがめた。
ま る で 、 少 女 の 存 在 を 消 す か の よ う に 。
「・・・アルコバレーノ・・・」
初めて彼女は口を開く。
言葉の一つ一つに、錘が圧し掛かるような、そんな感覚が赤ん坊に襲い掛かった。
「ッ・・・」
「アルコバレーノ。貴様が俺を迎えに来る奴なのか?」
何も映っていない彼女の眼は、闇そのものの様な気がした。
赤ん坊は——リボーンは、歪んだ表情を崩さず、只滑稽な言葉を吐いた。
「・・・行くぞ」
◆
空港を後にして、空を見上げた。
純粋で透明な青空に、俺は心を奪われる。
羨ましいとは思わないけど。
憧れは、した。
過去形だ。
今更そんな感情を抱いたとしても、願わない事だった。
「・・・」
「何を見ている?」
アルコバレーノ・・・リボーンはボォっと俺が空を見ていたからか、声をかけてきた。
「少し、空を」
「・・・空?」
リボーンに俺はクスクスと笑う。
「戯言だ。行こうか」
偽りの笑みを貼り付け、俺はアルコバレーノに言った。
- Re: 永久の空に—REBORN— ( No.3 )
- 日時: 2010/06/28 16:23
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
2
あれからアルコバレーノと別れ、マンションに来た。
大型マンション・・・ボンゴレが経由しているらしいそのマンションに、俺は住む事になる。
だが、ボンゴレが経由していると言う事もあって、俺は嫌気が指す。
俺は鞄をその場において、ドサッと仰向けにベッドに寝転んだ。
「・・・今更遅いか・・・」
—大罪を犯した貴様は裁かれるべきだ。
—罪を背負い、地獄を見ろ。
—罪悪と醜悪の炎を纏いしその左目・・・殺すべきだ。
「・・・あー、思い出しちまった・・・」
胸に込みあがる最悪な感情を押さえ込み、俺は眼を閉じる。
◆
「罪人—ツミビト—が日本に居る、だと?」
誰かが言った。
「あぁ、何でも、鎖—クサリ—を解かれたとか・・・」
「あの、厳重な封印をどうやって・・・」
暗黒の闇に潜みし罪悪は、驚きに顔を染めた。
「だが、例え封印を解いたとしても・・・《氷》が宿っているだろう」
「あぁ・・・だからこそ、力が押さえ込まれている今を狙って・・・」
「・・・そうだな」
闇は動き出した。
大空の元に、愛しき大空の元に灰色は現れる。
—何かが、廻る音がした。
- Re: 永久の空に—REBORN— ( No.4 )
- 日時: 2010/06/28 16:47
- 名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)
第二章 —無為—
左目に眼帯をして、鞄を肩に担ぎ、一軒の家に止まる。
元・我が家。
俺はインターホンを鳴らす。
「ハーイ・・・刹那!?」
「久しぶり、母さん」
俺は偽りの笑顔を張る。
母さんは俺を抱き締めた。
結構、キツイ・・・。
「母さん、離して・・・」
「あ、ゴメンなさい・・・でも、戻ってきてくれたのね・・・」
「今まで迷惑かけてゴメン、母さん」
母さんは涙を浮かべながら、俺の手を引っ張った。
家に入る形となる。
—左目が、疼いた。
「ツッ君ーーー!大変よ!」
上に居る、片割れの名を呼ぶ。
薄っすらと、俺は笑った。
「なんだよ。か、あさ・・・」
上から降りてきた片割れの言葉が途切れる。
固まった様子を見て俺は笑った。
「アハハハハハッ久しぶりだね、綱吉」
その後ろに居る、アルコバレーノを見て俺は更に口の端を吊り上げる。
「刹那ァ!」
—ギュッ
綱吉は俺の事を抱き締めた。
「綱吉・・・離してよ」
「あ、ゴメンッ」
バッと綱吉は離れた。
「ねぇ綱吉、俺さ、並中に通う事になったんだ。明日」
「本当?そういえば、刹那は一緒に暮らすの?」
「んー・・・」
俺はチラッとリボーンを見た。
歪んだ表情。
俺はクスッと滑稽に笑って。
「明日ならいいよ」
「明日?」
「荷物が・・・まだ残ってるしね・・・」
戯言だよ。
こんな言葉。
「そう、じゃあ明日だよ!」
「うん」
俺はニッコリと微笑んだ。
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