二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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橙色の鏡と俺とキミ—REBORN—
日時: 2010/06/28 20:56
名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)

クリック有難うございます!


—ある日俺の鏡には、知らない少女が映っていた。

—彼女は何時も鏡の向こう側で、笑っていた。

—それは、とても、寂しそうに見えた。


ツナの切ない恋の物語。
微妙にギャグ入ったり。
鏡の向こう側——三次元の世界が見えるようになったツナの鏡。

向こうからは、《俺》は見えない。

彼女は俺を、映してくれない。
彼女の眼には、俺は映っていない。






・目次
第零話
第一話 鏡の彼女
第二話 初代ボンゴレの日記
第三話 約束の炎
第四話 大空の意思
第×話 狭間の会話
第五話 虚空へと手を伸ばす
第六話
第七話
第八話

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Re: 橙色の鏡と俺とキミ—REBORN— ( No.5 )
日時: 2010/06/18 21:36
名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)

第三話 約束の炎


「ん・・・」

眼を開けて、俺は真っ先に鏡を見た。

鏡の向こう側では、彼女が起きていた。
手には本を持っていて、漫画らしかった。

どうやら漫画好きらしかった。

「・・・」

俺は少しだけ微笑む。

彼女を見ていると、胸が温かくなってくる。

「つっくーん、早く準備しなさい」

俺は鏡を徐にバッグの中へ入れた。
初代ボンゴレの日記も入れて、外に飛び出す。



「おはようございます十代目!」
「おはようなのな、ツナ」
「うん、おはよう」

俺は獄寺君と山本に挨拶をして横に並ぶ。
すると獄寺君が不思議そうに聞いてきた。
「十代目、何か嬉しい事でもありましたか?」
「え・・・」
「そうなのな、ツナ、凄く良い笑顔してるぜ」
言われて、気が付いた。

俺は凄く嬉しそうにしてたのか・・・。

「あ、ちょっとね」

俺は曖昧にそう答えて、笑った。



屋上で俺は初代ボンゴレの日記を一人で解読していた。

初代ボンゴレは小まめに日記を取っていて、ほぼ毎日が書かれていた。
守護者の事も、全て。

すると、ある事に気が付いた。


—ページが、一ページ重なっていた。


俺はソレをゆっくりと剥がす。

「・・・コレ・・・」

—ボォッ

炎が紙に灯る。

死炎だ。
純粋で高純度の大空の炎。
俺は、ソレに触れた。

「・・・暖かい・・・」

凄く暖かくて、優しい炎だった。

するとページの題名部分には、



—Promised flama《約束の炎》



と書かれていた。

「・・・約束の、炎・・・」


俺は、その炎を見て、初代ボンゴレが、何故この鏡を作ったのか、少しだけ、何かが判った気がした。


だけど、それもまた、今はわからないことだった。

Re: 橙色の鏡と俺とキミ—REBORN— ( No.6 )
日時: 2010/06/28 17:45
名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)

第四話 大空の意思


「ツナ、何かわかったか?」

家に帰るとりボーンが訪ねて来た。
俺は軽く首を振る。
あれから、何も判らない。
日記を読み返しても——何も、わからない。

「そうか・・・実はな、コイツを九代目から輸送してもらったんだ」

そう言って差し出してきたのは、ボンゴレの紋章が入った黒い箱。
俺はその箱を見てみる。
「何、これ・・・」
「あぁ、コイツは初代ボンゴレが封印したといわれる箱だ。初代が何の意思で作り出したのか・・・何が入ってるかさえ不明なんだ」
「開けられないの?」
「あぁ、」
俺は箱の蓋に手をかけてみる。
開かなかった。

「ツナでも開けられないか・・・」
「・・・!」

箱が光りだした。

瞬間、真っ白な光が部屋を染め上げる。





眼を覚ますと、大きなテーブルが置いてある真っ白な空間に居た。

テーブル向こう側を見る。
「・・・!初代・・・!?」
初代が、大きなイスに座り紅茶を飲んでいた。
俺に気付いたのかこちらを見て微笑む。


「ボンゴレⅩ世—デーチモ—・・・久しぶりだな・・・」


「継承の時以来か」、と初代はそう呟いて右手に持った紅茶をテーブルの上に置いて、俺の顔を見た。

「あ、あの・・・此処は・・・」
「あぁ、此処は継承の時と同じように思っていいぞ。・・・簡単に言うなら、リングの中だ」
「・・・リングの中・・・?」
初代は紅茶を手に取り、一口口に含む。
「あぁ、俺が貴様を呼んだ。悪かったな・・・Ⅹ世・・・」
「あ、いや、えっと・・・で、用事はなんですか?」
「あぁ、Ⅹ世・・・貴様が持っている鏡の事だ」
初代は微笑み、そういった。
俺は顔を驚愕に染める。

「・・・Ⅹ世・・・お前なら、きっと俺の意思が判るはずだ・・・その鏡を作った理由も」

そう言って初代は立ち上がる。
俺の前まで来て、優しげに微笑んだ。

「貴様なら・・・きっと」
「・・・ハイ」

俺は、つばを飲んだ。





「ん・・・」
「ツナ、眼を覚ましたか」
「俺・・・」
周りを見る。
俺の部屋だ。
「お前、意識が飛んだんだゾ。大丈夫か?」
「・・・うん」

—貴様なら・・・俺の意思がわかるはずだ。

俺は、初代ボンゴレの作り出した鏡を見ながら、言葉を思い出していた。

Re: 橙色の鏡と俺とキミ—REBORN— ( No.7 )
日時: 2010/06/28 18:03
名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)

第×話 狭間の会話 


「約束の時まで・・・後、もう少しか・・・」

—カチャンッ

金色の懐中時計の蓋を閉じ、俺はテーブルの奥を見た。

—カチャ・・・。

「相変わらずだな・・・お前は」
「・・・別に。只興味が無いだけだから」
テーブルの向こう側に座る、一人の女は無表情で紅茶を飲んでいた。

「だが、本当は少しくらいあるだろう?運命—サダメ—を次ぐお前と同じ少女に」
「・・・」

女は、少し押し黙り、言葉をつむいだ。
「・・・同じ運命—サダメ—を持つ・・・か・・・」

女は、少しだけ微笑んで、俺に笑顔を向ける。


「ボンゴレⅩ世ならきっと乗り越えられるだろう・・・」

—この、試練を。

「・・・そうだな・・・」

—この、世界を繋ぐ鍵が。

Re: 橙色の鏡と俺とキミ—REBORN— ( No.8 )
日時: 2010/06/28 20:32
名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)




小さい頃、良く世界は色々あるって考えていた事がある。

大空の向こうに世界があるって信じて、手を伸ばした事が合った。
だけど世界は自分を拒絶して。
弾かれて向こう側へいけない。
それから——私は諦めた。

拒絶される事が怖くて、諦めたんだ。





「・・・あー・・・」

昔の夢を見た気がする。
ゆっくりと立ち上がって、私はベッドから降りる。

「フワァ・・・」

すると、切断していたはずのパソコンが電源が入っていることに気付く。

「・・・?」

パソコンの液晶画面を見る。

メールが一軒、入っていた。
「何だ・・・?」
カチッと、マウスを使ってクリックする。
液晶画面いっぱいにページが現れる。

「・・・なんだこの文章・・・」

意味不明な文字が流れていた。

最後の文章には何故かイエスorノーの選択。

「どちらかを選べって事か・・・?」
文章が判らない以上、押すのは危険だが・・・。
ウィルスとかじゃぁないだろうな。
私はある意味無謀ともいえる感情で、イエスをクリックする。

液晶画面には、何も映らなかった。

「・・・なんだったんだ・・・?」

私は少しだけ呆気にとられて、疲れたように二回目の眠りに入った。

Re: 橙色の鏡と俺とキミ—REBORN— ( No.9 )
日時: 2010/06/28 20:55
名前: 冷却 (ID: X9/3/8Rv)

第五話 虚空へと手を伸ばす


「結局・・・わからなかったなぁ・・・」
そういいながら俺は鏡を手に取る。
鏡の向こう側の彼女は、パソコンを弄っていた。
「・・・ハァ・・・」
「ツナ、溜息ばかりついてると幸せが逃げてくぞ」
「もう逃げてるって・・・」
俺はオレンジ色の鏡をしばらく見ていた。
向こう側からは決して、俺が見えない。
苦しい感覚が胸を襲う。
「・・・ハァ・・・」


《何で・・・》


「・・・え?」

鏡の向こう側の彼女に眼をやる。

何故か彼女が震えている。
片手には携帯電話を持った状態で。
その携帯電話を持つ片手も、直ぐに力が抜けたようにブランと、たれ下げて、携帯電話がその手から落ちた。

「・・・?」

《何で・・・何でっ・・・》

彼女は急に自分の部屋から飛び出す形で、走り出した。





父さんから連絡があった。
スーパーに通っていた時、母さんが何者かに襲われた。

大方は、わかっている。

明白で、簡潔に終わる話だ。

犯人なんて明白だ。

「・・・ッ母さん・・・!」
私は夜中の町を走り出した。
やっと病棟にたどりつき、父さんに声をかける。

「父さん・・・!母さんは・・・!」
「今、集中手術室だ。・・・刹那」
「・・・判ってるよ・・・神崎家でしょ・・・」

《神崎家》。

私——竜崎家とは、対立する存在の名家だ。

竜崎家直系の母さんを殺すのは、ありえない事ではあった。
だけど、母さんは父さんと結婚して縁を切ったはずだ。
なのに・・・。

「私が・・・私が、次期竜崎家次期当主だったから・・・?」
「・・・!」


心が揺らぐ。

 精神が崩れる。

  感情が保てなくなる。

   真理が追いつかなくなる。

    思考が停止し始める。


「・・・《俺》が、次期党首だったから・・・!」
「自分を責めるな。刹那!」

父さんが《私》を呼んだ。
「嫌だ・・・嫌だァァァァァ!」
「ッ!」
左目が熱くなり始める。
苦しげに叫ぶ声は、病棟へと消える。
「何で、何で・・・」


—君の所為じゃない!


「・・・え?」

声が聞こえた気がした。
天井を見上げる。
何もない。当たり前だ。

「・・・刹那?」
「・・・——今、声が・・・」
「声?そんなの、聞こえないぞ」


—君の所為じゃない・・・きっとお母さんは帰ってくるよ・・・。


「・・・——声が・・・」


私は、虚空へと手を伸ばす。

その手はきっと、中を切るだけだろう。
だけど——・・・少し、いや願ってしまった。


—ボォッ


竜崎家の印である、左目の炎が燃え上がった。

「刹那——!?」


—パシッ


私は、誰かの手を掴んだ。


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