二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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空の軌跡〜楽園の少女〜
日時: 2010/07/03 11:09
名前: 図書袋 (ID: x0NfjiIE)

善も悪も、生も死も越えたところを淡々と歩いていた。

幸も不幸もない。喜びも悲しみもない。

白と黒が私を切り裂いて、天と地が私を嬲って、私は淫らになってしまった。

どこから始まってどこで終わるのか。

私はどこにも属さない。私は歩んでいないのだ。

ただ、世界が回っていた。

           *
こんにちは、初投稿の図書袋です。
前も別の所で書いていて、ちょっとどうしても殲滅天使さんが書きたくなったのできました!
つってもド下手で、自己満足小説的なものですが、ここをクリックしてくれた皆様に感謝を込めて精一杯書くのでよろしくお願いします。
           *
・注意
この小説は、空の軌跡(原作)の設定上ダークな展開と、少し性的な表現があります。
十分注意した上で、読んでもらうようお願いします。
もし、この注意書きを読んだ上で本編を読み気分が悪くなられたのだとしても作者は責任をとれません。
読むのは、全て自己責任でお願いします。

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Re: 空の軌跡〜楽園の少女〜 ( No.6 )
日時: 2010/07/07 15:29
名前: 図書袋 (ID: x0NfjiIE)

3.偽り

「レン。何をしているの?」
クロスが、私に話しかけてきた。
「お絵かきよ。怪獣を描いているの。ほら、これがレン達を閉じ込めている怪獣。
金の瞳に真っ赤なウロコ。お口は食べちゃった人間の色で染まっているの」
「罪の色か、素敵だね」
クロスはそう答えた。
「でもね、お腹だけはきっと真っ白。でないとどっちが前だかわからなくなっちゃうもの」
「あはは、そうだね。きっとお腹は真っ白だね」
クロスが笑う。そして、私はある事に気付く。
「……? ねぇ、クロス。他の皆は? 皆お仕事に行っちゃたの?」
「レン、何を言っているの? ここには初めから僕達だけ。僕達だけしかいないんだよ」
「え……? ……そう、だったかな……」
意味が、わからない。クロスが何を言いたいのか。
「そうだよ。初めから僕たちだけの世界さ。さぁ、お絵かきをしよう。
次はお姫様の絵を描こうかな」
クロスは目隠しが上手だったけど、私にも少しずつ見えてきたことがあった。

クロスは疲れている。
これも“他のみんな”がいなくなった所為なのか。
全ての指名をクロス一人が受けていた。
そして、クロスもまた、消えかけていた。

「レン、体を拭いてあげる。今日は酷く汚れてしまったから」
「いつも有難う。クロスは優しいのね」
そういうと、クロスは俯いた。
「レン、ごめんね。僕が上手くないばっかりに。
君を守るって決めたのに……」
「クロス、どうしたの? 顔色が悪いわ」
いつもは言わないクロスの嘆きに、私は不安になる。
「何でもない、何でもないんだ……」
次第に声が小さくなっていく。
「クロス……」
「…………っ……
何でもないって言ってるだろ! 君が悪いんだよ。何もかも、君が。
他の皆はすぐ殺しちゃったくせに。どうして僕だけ生かしておくんだ。

君が悪いんだよ。僕を殺さなかったから。
君が悪いんだよ。僕を殺さなかったから。
君が悪いんだよ。僕を殺さなかったから。」

僕はもう、とっくに死んでいるのに。

Re: 空の軌跡〜楽園の少女〜 ( No.7 )
日時: 2010/07/09 17:17
名前: 図書袋 (ID: x0NfjiIE)

4.崩壊

そして、初めての仕事がきた。
もう誰もいない。私の代わりに出ていってくれる子供が。
もう、一人もいないから。
だから私は仕事をせざるを得なかった。……私は初めて外へ出た。
「レン、出番だ。お客様に粗相の無いようにな」
不安になる。ただ、私は胸に抱いているウサギの人形をさらに強く抱いた。
「……………………」
「どうした、レン。いつものようにやってみなさい」
私の沈黙に、支配人は少し怒った表情だった。
「…………ぅ……ぁ……」
「おい、触れ込みと違うじゃないか。15番は特別じゃなかったのかね?」
客も、少し怒っているようだ。
「おかしいですねぇ。いつもは本当にいい子なんですよ。
お客様のどんなニーズにも対応できる、とっておきの天使です、はい。
ほら、レン挨拶しなさい。いつもやっているだろう。
今日はどれをやるのかな? 可憐なお人形さんかい? それともクールな男の子かな?」
「…………レンじゃない」
「え……?」
「レンじゃない。レンじゃない。
それはわたしじゃない! わたしじゃない!
それはわたしじゃない!
わたしじゃないんだ!!」

私は穢れていない。

誰かが何かを言っている。私はいつものように耳を塞ぐ。誰かが何かをしている。私はいつものように目を瞑る。
わたしはいつものように。
わたしはいつものように。
わたしはいつものように。
わたしはいつものように“仕事”に出た。

私は何かを飲んでいる。
ああ、命の水だ。クロスが言っていた。死にかけた人間でも元気になれるって。
クロスはいつも飲まされていた。
甘くて美味しいシロップの味————

「さぁ、レン。今日はシロップを多めにしておいたよ。
ゆっくり飲み干すんだ。ゆっくり、ゆっくり、そうそう零さないようにね。では、ごゆっくり」
支配人が言う。支配人が立ち去るとき、頭が少しズレた。もういい歳なのか、それとも変装しているのか。
…………ああ、薬が効いてきた。

Re: 空の軌跡〜楽園の少女〜 ( No.8 )
日時: 2010/07/09 18:00
名前: 図書袋 (ID: x0NfjiIE)

5.望

銃の音が辺りに鳴り響き、色々な所に火がついている。
何が起こったのかよく分からないまま、裸でいた私は倒れていた。
そして、誰かの足音がする。二人が話し合っているようだ。
「これは……下種どもが」
どちらかがいった。
「……………………
……こんな風になっても人は生きてられるのか……?
……これでも生きているといえるのか……?」
もう片方がいった。私よりも少し上の年齢っぽいけどまだ子供のような声。
「………………この無数のクロス。これは自分で付けたものだ。
恐らく自分を保つ為に必要だったのだろう」
ああ、私の事を言っているんだ。
私の足を見られているんだ。
「………………
……それでも、生きたかったのか……」
(これが、生きている人間……)
「レーヴェ、この子が生きているところを見たい。
《結社》で引き取れないか?」

Re: 空の軌跡〜楽園の少女〜 ( No.9 )
日時: 2010/07/15 18:41
名前: 図書袋 (ID: x0NfjiIE)

お知らせ
どうも、図書袋です。
最近更新できていなくてすいませんでした。
いや、本当に更新するどころかPCさえ出来なかったんです。
最近色々忙しいので更新が遅れると思います。
本当に、すいません

Re: 空の軌跡〜楽園の少女〜 ( No.10 )
日時: 2010/07/26 09:21
名前: 図書袋 (ID: QKK1E4WD)

6.終わりは——

そして、候補の中で優秀だった私は“執行者”になった。
本当のパパとママ——パテル=マテルもいる。
“あの子の事はもう忘れよう”
前、偶然見つけた人の会話。
私の知ってる人で、私の聞いたことがある声をしていた。

今はあの頃をただ忘れたい。全てを消し去りたい。
そうしないと、自分が壊れちゃうから。
自分が生きていけないから。
今でも、脚に付けた傷跡はまだ残っている。多分、しばらくしたな完全に治るだろう。

逃げる為に、また一人、別の自分を作った。

「……貴方が“執行者No.15 殲滅天使レン”」
私は最後にそう言った。


〜あとがき〜
え、何この終わりって思った方、正直に手を挙げてください。
(図書袋)ノ<はーい
ぶっちゃけると私も変な終わり方だと思います。
なんかね、やる気喪失ーって感じで何かが私の体から抜けていくような感覚がして(ry
言い訳無しに言います。疲れたので質が落ちました。
今のは言い訳ではないんです。多分。

さてさて、今回の初投稿作品ですが——
まぁ、よく続いたものだなあ、と思います。
ほとんど原作丸写し感が凄いです。
全くわかんない、という方は“解離性同一性障害”というものを調べてみてください。
さて、次回はバカテスの短編集的なものになると思います。
クリックしてくださった皆様、本当に有難うございました。


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