二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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黒執事  ‐Knightmare Of a Devil‐ 
日時: 2011/06/22 22:57
名前: 泡沫 ゆあ (ID: ucEvqIip)

はじめまして!!
シリアス・ダーク小説で小説を書かせていただいています。
泡沫 ゆあと申します。
拙い文章ですが、温かく見守ってください(*^_^*)
あと、この<黒執事>は、<黒執事Ⅱ>ではありません((+_+))
それでも見てくださるという優しい方は見てやってください(●^o^●)
よろしくお願いします!!

目次
 第零話 その執事、降臨>>1 第二一話 その執事、鬼畜>>68
 第一話 その執事、怪異>>2 第二二話 その執事、熱闘>>73
 第二話 その執事、対面>>5 第二三話 その執事、客人>>76
 第三話 その執事、険悪>>8 第二四話 その執事、依頼>>77
 第四話 その執事、戦慄>>11 第二五話 その執事、受諾>>80
 第五話 その執事、因縁>>12 第二六話 その執事、同行>>81
 第六話 その執事、祝賀>>16 第二七話 その執事、出港>>82
 第七話 その執事、舞踊>>17 第二八話 その執事、上陸>>85
 第八話 その執事、哀愁>>21 第二九話 その執事、水泳>>90
 第九話 その執事、再会>>26 第三十話 その執事、人魚>>94
 第十話 その執事、深淵>>28 第三一話 その執事、帰葬>>95
 第十一話 その執事、宣戦>>32 第三二話 その執事、帰国>>96
 第十二話 その執事、涙々>>35 第三三話 その執事、悲愴>>99
 第十三話 その執事、葬送>>38 第三四話 その執事、追憶>>103
 第十四話 その執事、兄妹>>39 第三五話 その執事、約束>>106
 第十五話 その執事、新規>>42 第三六話 その執事、裏切>>107
 第十六話 その執事、再来>>50 第三八話>>
 第十七話 その執事、中華>>53
 第十八話 その執事、潜入>>55
 第十九話 その執事、奇妙>>58
 第二十話 その執事、女帝>>64



−番外編−
 第十四.五話 その執事、愛着>>44





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Re: 黒執事  ‐Knightmare Of a Devil‐  ( No.94 )
日時: 2011/02/10 16:04
名前: キリン (ID: ucEvqIip)

第三十話;その執事、人魚

「・・・・本当に、お前の言ったとおりなのか」
「恐らくは。ただ一つ気になるのは、あの方の正体ですが・・・」
「?あの方がそうならもう関係ないんじゃ・・・・」
「女害虫馬鹿。共犯、ってこともあるでしょ」

ひそひそと小声で話すシエル一行。
場所は誠一郎の屋敷からすこし離れた川。
辺りも暗く、静かで不気味だ。
セバスチャンの推測通りなら、もうすぐ・・・・・・。

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!!」

叫び声が聞こえてきた。

「っ!!こいつは・・・・・・・・・・・・・・」

川の近くまで行ってみると、一人の男が倒れていた。
見覚えがあるその男は、誠一郎の父親であった。
既に、息は無い。
その男のすぐ後ろに、人影が見えた。
水に浸かっているのか、上半身までしか見えない。


「・・・・・やはり、今までの事件の犯人はお前だったのか」


月が雲から顔を出し、その人物を明るく映し出す。
その人物は・・・・・・・。


「魚宮家の侍女、水姫・・・・・・・・・」
「・・・・どうして私だと、思ったのですか」


水に濡れている水姫。
その瞳には、光を反射した水面がゆらゆらと揺れ映っている。



「確信は無かった。だが、被害者の全員がお前に送迎されていた・・・・・。
 それにその腕の大きな包帯。被害者ともみ合ってできた怪我なんじゃないのか?」


そこまで聞くと、水姫は参ったとでも言いたげな顔をして笑った。


「はい。ご明察のとおりでございます。私が皆様をお送りしている途中に殺しました」
「・・・・・・・・・一体何故そんなことを・・・」
「必要だったからです。魚宮現頭首様も、ここにある川や、湖を埋め立てようとなされました。
 ・・・・・この土地の水を汚すことは許さない、だから殺す必要があったのです」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・それに、セバスチャン様はもう、私の正体などわかっておられるのでしょう?」


水姫は平然と言って見せた。
セバスチャンは、ふっと笑い言葉をつむいだ。


「水姫様、貴方は古来から日本に伝わる水の妖怪・・・・・・人魚ですね」
「・・・・・・・ご名答です」


水姫は笑った。


「湖で僕を助けたのも、お前なのか?」
「・・・まさかあそこにシエル様がいらっしゃるとは思いませんでした。
 そして水の中にまで入ってくるなんて・・・・・私を探っておられたのですね。
 わかっていましたが、見捨てることはできませんでした」


『勘違いしてるのか?!僕は気づいてなど・・・』
『いいじゃないですか、間抜けな姿は気づかれていませんよ』
『一言多いんだお前は!!』


水面から紫色の尾びれが現れた。
・・・・・そう言えば、髪も瞳も紫色に染まっている。


「・・・それがお前の本当の姿か?」
「はい、人間らしく振舞うには、この姿は不便でしたので・・・・」

ゆらりと動く尾びれを、するりと撫で上げる水姫。


「もうよろしいでしょう?シエル様。自警団に私を「待ってください!」」

水姫が言い切る前に、一つの声が邪魔をした。その声の正体は・・・。


「魚宮、誠一郎・・・・・・」
「彼女を連れて行くのなら、私も一緒に・・・・」
「?どういうこと・・・・?」
「誠一郎様!!!」

皆が疑問を浮かべる中、水姫は叫ぶ。が、誠一郎は止まらない。


「彼女に殺人を頼んだのは、私です」


誠一郎の言葉に、水姫はそっと、瞼を閉じた。

Re: 黒執事  ‐Knightmare Of a Devil‐  ( No.95 )
日時: 2011/02/11 17:17
名前: キリン (ID: 7rIzYjoN)

第三一話;その執事、帰葬


「どういうことだ、殺しの犯人は水姫じゃないのか?」
「・・・・そう言えば、ハニー様からの依頼は、<魚宮 誠一郎>の
 殺害・・・・・でしたね」
「彼が・・・・・・・・・・・人間じゃない・・・?」
「・・・・・・」


「ええ。人間ではありません。正確には人間で<なくなった>のです」


誠一郎の言葉に、シエルは驚愕した。


「私は・・・八尾比丘尼やおびくにです」


「やお、びくに・・・・・」
「妖怪、と言ってよろしいのでしょうか。
 特異体なので詳細は分かりませんが、人魚の肉を食べ、
 不老不死の体を手に入れた者のことを、そう呼んでいるそうです」

「セバスチャン様は良く御存じでいらっしゃる。その通りです」
「人魚の肉・・・ということは、水姫の肉か・・・・・」
「はい。私の肉でござます」
「じゃあその腕の傷は・・・・・誠一郎に肉を渡した傷・・・?」


そういうと、水姫も誠一郎も笑った。


「私が水姫の正体に気がついたのは、ちょうど一カ月ほど前です。
 商談相手を送りに行ってなかなか水姫が帰ってこなかったので
 見に行って、そこで水姫の姿を見ました」
「誠一郎様に見られたことで、私はも駄目だと思いました・・・・でも、言ってくれたんです。
 『私も、水姫の力になりたい』って・・・・・・。
 誠一郎様は、望んで八尾比丘尼と化してくれたのです」
「それからも彼女に殺人を頼みました。
 発見されてはいませんが、他にも、私は何人も殺してきました。
 ・・・・全ては、ここの水を守るために・・・・・」


ああ、似ている。
シエルはそう思った。
何かのために必死になっている姿は、自分にそっくりだ。
目的のためなら、手段さえも選ばない。
彼らも、同じなのだと・・・・・。


「・・・・もういい、わかった・・・・・・・・」
「・・・坊ちゃん?・・・・・・」
「シエル様・・・?」

シエルの言葉にセバスチャン達や誠一郎達が戸惑う。


「お前達のしたことは、正しいことじゃない。
 だが、悪に堕ちてでも、貫き通したその信念は認めよう。
 ・・・・だからもう二度と・・・・・」


するな。と。そう続くはずだった。


「っ・・・・・・・ぁ・・・・・・・・・・・・・・・」
「!!!!!誠一郎様っっ!!!!!!」


誠一郎の体を、銀色の刃が貫いた。



「・・・・・ハニーっ!!!お前・・・っ」
「言ったでしょ。<邪魔な人間を殺して>って。
 情に流されるなんて、なんて愚かなの・・・シエル・ファントムハイヴ。」


無感情にそう言って、誠一郎に刺したままだった刃をひきぬいた。
まだ鮮やかな赤が、滴り落ちていく。


「っ・・・せい、い、ちろ・・・さ、ま・・・・・・」

水姫は陸に上がることが出来ずに、ただ涙を流し続けている。
そんな彼女を、ハニーは冷たい眼差しで見つめた。

「・・・・貴方に用は無い。私の目の前から、消えて」
「っっ・・・・・・・・・・・・・・・・」


そう言われて、涙を流しながら、水の中に消えていった。


「依頼は遂行された。取り敢えず、お礼だけは言っとく」


それだけ言って、星の輝く夜空に飛び立っていった。





「・・・・水姫様、あれからどこへ行かれたのでしょうね・・・・・・・・」
「さあ・・・・どこに行かれたのでしょうね」
「・・・・・・・・・」

英国へ帰る船の上、三人は部屋の窓から海を眺めていた。
すると。


「・・・・あぁ!!!」

セレスティの声にシエルとセバスチャンが反応する。
セレスティの指さす方には・・・・・。


「・・・・・・そうか、海に還ったんだな・・・」


海の中に、紫色に輝く尾びれを見つけたのであった。
彼女の行く末が幸せであることを願いながら・・・・。

Re: 黒執事  ‐Knightmare Of a Devil‐  ( No.96 )
日時: 2011/03/25 14:55
名前: キリン (ID: ucEvqIip)

第三二話;その執事、帰国


「はぁ・・・・やっと着いた・・・・・」
「お疲れ様です、坊ちゃん」
「帰国したてで申し訳ありませんがシエル様、
 本日は街に出て御社の商品の売れ行きを確認していただきます」


何日も船に揺られていたシエルは思いっきり体を伸ばす。
はしたない。とセバスチャンに止められてしまったが。
そんなシエルとセバスチャンを見ながら、セレスティは今日の予定を事細かに確認して言った。
シエルの顔はもう真っ青になっている。


『流石はお前の妹だな、セバスチャン・・・・・あれは悪魔だ』
『おや、お褒めの言葉ですか?』
『褒めてない』

若干の苛立ちを見せながら、シエルは歩を進めた。



「ほう・・・なかなかの売れ行きじゃないか」
「そのようでございますね。先月の新商品もなかなか好評のようですよ?」
「ねこのぬいぐるみ・・・・・・」
「セリー、お前にはトラウマだったな・・・」
「?一体何の話をなさっているのですか、坊ちゃん」
「な、なんでもないですよセバス兄様・・・・・ぃたっ!」

セバスチャンをよけようとして、セレスティは通りかかった人にぶつかった。
ざわついていた人ごみの中で、セレスティの行動はさらにざわつきを呼んでいる。


「何をしているんだ、セリー・・・」
「あ、も、申し訳ございません!お怪我は・・・・な、い・・」

シエルに言われて、セレスティはハッとした。
とっさに謝り、相手の無事を確認した。が。動作が止まる。
何故か。何故だって。だって・・・・・・・・。


「いえ、私も余所見をしていましたもの。お互い様ですわ。
 貴方こそ、お怪我ございませんか?」



セレスティが忠誠を誓った主人、フィオリア・シェリーヒューストンだったから。



「・・・お嬢、様・・・・・・・・」
「?申し訳ありません、どこかでお会いしましたか?」
「っ・・・・・・・・・・・・・・いえ、こちらの人違いです・・・。
 度々ご迷惑とご無礼、お許しください」
「ふふ、お気になさらずに。美しい鴉の濡れ羽色ですね、その御髪」

フィオリアは笑った。セレスティも、笑っていた。
・・・・・・・・心の中で、泣いていたけれど。
そんな二人を裂くような声が、空間に響く。


「何をしているんだい?キャティア」


フィオリアの向こうに、一人の男が立っていた。
フィオリアを、フィオリアと呼ばない男。

「お父様!いいえ、何もございませんわ。では、失礼しますわね?」
「・・・・・お父様・・・?」

フィオリアの駆けていく先を、セレスティも見遣る。
セレスティの深紅の瞳が、大きく開かれていく。

「・・・・・・ぉ、まぇ・・・・・」
「・・・おや、君は・・・・・・・・・」
「?お父様のお知り合いの方ですか?」


男とセレスティの間に、電光が走った。


その様子をじっと見つめるシエルとセバスチャン。
・・・・・・・・・・新しい幕は、既に上がっていたのだった。

Re: 黒執事  ‐Knightmare Of a Devi ( No.97 )
日時: 2011/03/25 18:22
名前: 葵 ◆ufwYWRNgSQ (ID: LR1GMCO/)

お久し振りですwww

水姫可愛い…←←

Re: 黒執事  ‐Knightmare Of a Devil‐  ( No.98 )
日時: 2011/05/20 13:43
名前: キリン (ID: ucEvqIip)

葵様>
 お久しぶりですね(#^.^#)
 ありがとうございます♪


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