二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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-君を、何度でも愛そう。-  携帯小説>沙絢さんの小説です 
日時: 2010/07/22 15:54
名前: flute ◆HfbRSJyz5E (ID: OKTNOssT)

この小説ゎ、携帯小説家の“沙絢”さんがつくったものです。 私ゎこの小説を読んですごく感動しました!! この感動を皆さんにあじわってもらいたいです。



PROLOGUE >>1

第1部“だからこそ”>>2
・綾  >>3

Page:1



Re: -君を、何度でも愛そう。-  携帯小説>沙絢さんの小説です  ( No.1 )
日時: 2010/07/21 22:50
名前: flute ◆HfbRSJyz5E (ID: OKTNOssT)


あたしはあの日、傷を負った。
——治しようのない傷。
その傷を負ったまま、あたしは君に出逢った。
君と出逢って、あたしは初めての恋をした。
最初で最後の恋。

『京(けい)。あなたは綾(あや)にとって、誰よりも本当に大きな大きな、大きな存在だったよ。……きっと、感謝してもしきれないくらいの愛をもらった』

 本当に幸せだった。
 君に愛されて、君を愛して。
 だけどあたし達を待っていたのは、幾度となく重なる、困難。

『……俺じゃダメかもしれん。でも、逢いたくて。……ただ本で調べるだけじゃなくて、綾をわかってあげたいけん。昔の綾も、今の綾も……綾のすべてを。受け止めちゃるって、小さい頃に決めちょーよ』

 どれだけ泣いて、笑っただろう。
 どれだけ君を、想っただろう。どれだけ君を、愛しただろう。

 幼いからこそ、子供だからこそ。迷って、戸惑って、ためらって、傷つけて傷ついて、足踏みしてきたね。
 だけどきっと、気づく時がくる。
 どんな困難が待ち受けようとも。つらく、悲しいことがあったとしても。
 君となら、乗り越えて行ける。
 共に、歩いて行ける。
 君の未来にあたしがいるように。
 あたしの未来にも、君がいるから。
 だから、ねぇ。誓うよ。


 何があったって。


 
 
 『君を、何度でも愛そう。』


Re: -君を、何度でも愛そう。-  携帯小説>沙絢さんの小説です  ( No.2 )
日時: 2010/07/21 23:05
名前: flute ◆HfbRSJyz5E (ID: OKTNOssT)

ー第1部 “だからこそ”ー

孤独だった綾の前に現れた君はとてもまぶしくて。
綾は導かれるように、恋をした。
『京は……いなくならない?』
『ずっと一緒におる。守っちゃる。俺が綾にとって、何よりも大きい存在になっちゃるけん』

泣き虫な綾に、京はたくさんの愛の言葉をくれた。

『いつ死ぬか、わかんないの』
『一生、好きだけん』
京は綾のすべてを受け入れてくれた。
『じゃあ……一生涯変わらない、約束』
こんなに好きな人、二度とできない。本気でそう思った。


  ≪約束守れなくてごめん。
   だけど
   約束を守ることを誓うよ。≫
京を失いなくなかったのに、気づいた時にはもう、何もかもが手遅れで。手を伸ばせば届く距離にいたのに、ぬくもりを求める手は行き場を失った。
願うたびに、心が震える。
『……京』

  逢いたい……。


Re: -君を、何度でも愛そう。-  携帯小説>沙絢さんの小説です  ( No.3 )
日時: 2010/07/22 15:52
名前: flute ◆HfbRSJyz5E (ID: OKTNOssT)


———まぶしい……。
夢か現かわからないまま、ゆっくりと目を開ける。
あ……もう朝だ……。
まだはっきりしない頭で、カーテンのない窓を見ながら思った。
だるさが残る体を起こして、無数の積み上げられた段ボールと、ベットしかない部屋を、ゆっくり見回す。


———コンコン。
ドアの外から、聞きなれた声がした。
「綾。起きたか? ご飯できたよ。」
パパ、早起きだな……。
「ん……起きたよ。今行く」
ゆっくりとベットから降りて、淡いピンク色のワンピースに着替え、リビングへと向かった。


リビングに降り、キッチンで朝食の用意をするパパに、眠い目をこすりながら声をかける。
「おはよー……」
「おはよう。昨日はよく眠れた? 最近、引越しの準備でろくに寝てなかったでしょ」
 ——引越し……。

その言葉を聞いて思わずドキリとし、椅子にかけた手が一瞬止まった。
そうだ……今日、引っ越すんだよね。
まだこの家にいたいな……。
「綾?」
「えっ?」
顔を上げると、パンをのせたお皿を持ったパパが、心配そうに眉を下げてのぞいてきた。
「どうした? 具合……悪い?」
あわてて「違う違う」と両手を振って、皿を受け取る。
「眠くてぼーっとしてただけだよ。早くご飯食べよっ。お腹空いた!」
いつもと変わらない笑顔で答えると、パパは安心したように微笑み、ふたり向かい合って、少しこげたパンをほうばった。



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