二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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[銀魂]   |_ くるりくるり。|一旦ロック! 
日時: 2011/10/06 16:12
名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: cebg9jtM)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=17149

                眼を閉じれば確かに、 (貴方がいたのに)
                —————————————————
                   ○●重要なお知らせ>>134
                —————————————————

          銀魂の小説書きます、はい2作目です。一作目とちょっち繋がっております((
          では以下の注意書きをよく読んで、おkな方のみスクロールしていって下さい。

                      △!注意!△
                 ・荒らしは戻るボタンを全力で連打しよう
                 ・キャラの過去は捏造滅多
                 ・主人公は作者のオリキャラ

               [一作目]  *参照から飛べます
               【銀魂】銀ノ鬼ハ空ヲ仰グ
                ———————————————————
                    >>07 キャラ紹介
                    >>30 イメソン ポルノグラフィティ「アゲハ蝶」
                ———————————————————
                      ■□本編
                  >>03 ハジマリノウタ
                第一章 —廻る廻る、—>>104
                第二章 —ふわりふわり—>>128

                第三章 —綺羅り綺羅り—
                  >>130 はじまりの朝
                  >>131 それ、取り扱い注意品です
                  >>132 馬鹿と阿呆の二重奏
                  >>133 ゆらゆらゆらゆら、星海月
                      ■□頂き物
                  >>14 不知火凪/緩月様

                      ■□お客様いつもありがとうございます

    アリス様 月兎様 瑞乃(瑞沙)様 空梨逢様 リリ様 神月+月希夜様 紫陽花様 葵様 燕様 桃花様

2010,11,13

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Re: [銀魂]   |_ くるりくるり。|  ( No.125 )
日時: 2011/06/06 16:44
名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: .qxzdl5h)

あげ!

Re: [銀魂]   |_ くるりくるり。|  ( No.126 )
日時: 2011/06/12 14:41
名前: 李逗 ◆8JInDfkKEU (ID: .qxzdl5h)
参照: お題(サブタイトル)提供/ひふみ。様

第十話      光を見つめて、影を哀す。



もうじき人の時間が終わる。
日は沈み、闇に生きるものの時間がやって来る。

凪はこの時間が一番嫌いだった。一人で居ても、昼間は太陽がある。だが夜は月や星の僅かな光以外、何も無い。今迄息を潜めていた獣たちが行動をはじめ、その度に凪は高い木に登り、朝が来るのを待っていた。
そう、今朝までは。

今、何故か自分は来た事の無い村に居て、何故か一人川辺で夕日を眺めている。全てはあの男が——松陽が、戦場で自分を見つけたからだ。
急に後ろから声を掛けられて、自分でも訳の分からぬまま着いて行ったら、この村の松陽の私塾に着いた。そこで久しぶりに自分に向けられた笑顔に驚いて、何も答える事が出来なかった。

(だけど、)

凪は抱えていた脇差をきつく握り締めた。
脳裏に浮かぶのは松陽の微笑と、自分とあまり歳も違わぬあの三人の子供たち。

(やっぱりそれだけだった)

また一人になるくらいなら、初めから人の温かさなど知らなければ良い。
そう思っているのに、心の隅には誰かの迎えを待っている自分が居た。
只の我が儘だと、自分でもちゃんと分かっていた。だがどうしても、迎えを待たずにはいられなかったのだ。

『人でなしと呼ばれたからには、人でなしとして生きるしかないさ』

一年程前、一人の戦場稼ぎの男に言われた言葉がふと蘇る。その男は自分を蔑むでも可愛がるでもなかったが、気付いた時には何時の間にか自分の隣に居た。しかし、男はそう言って三日と経たずに死んだ。山で戦が終わるのを待っていた時、野党に襲われ殺されたのだ。
凪がその事を知ったのは、それから一日後の事だった。

「人でなしは、人でなしとして」

ぽつりと呟いてから膝頭に頭を押し付ける様な仕草をすると、凪はすっくと立ち上がった。

もう一度山に戻り、一人になってから今朝まで続いたあの生活に戻ろうと、凪は至って平静にそう思った。
男に渡された脇差はどうしようかと思ったが、何故だか掴む手を離す事が出来ず、そのまま持って行こうと両手で抱える。

土手に上がるため、振り返ろうとしたその時、

「凪!!」

聞き覚えのある声で名前を呼ばれた。気のせいかと思っていれば、もう一度。

「凪!!!!」

更に強く名前を呼ばれ、凪は思わず振り返った。がさがさと草を踏み分け進む音が聞こえたと思うや、次の瞬間。
強く、身体を抱き締められた。

「……え、」

突然の事に驚いて固まる凪の眼に映ったものは、息を切らして土手を駆け下りてくる三人の少年の姿。それは村塾に居た三人だった。確か銀時、小太郎、晋助と呼ばれていたなと、ぼんやりと考える。
と言うことは、今自分を抱き締めているのは。

「無事で良かった……!!」

その絞り出すように紡がれた声の主は、まさしく松陽だった。



沈みゆく太陽を見た時、もういいと思ったのだ。
人間の身でありながら化け物と呼ばれた自分など消えてしまえばいいと、心の底から思ったのだ。
あの温かな、遠いいつかの日と同じ温もりを持つあの場所に居てはいけないと、そう思ったのだ。
そう思えたのに、決心がついたのに、何故。

「本当に良かった……!!」

何故そんな事を言う。

Re: [銀魂]   |_ くるりくるり。|  ( No.127 )
日時: 2011/06/18 10:13
名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: .qxzdl5h)
参照: サブタイトル(お題)提供/ひふみ。様

第十一話   龍の背に乗るかぐや姫


「本当に良かった……!!」

そう言って、松陽は更に強く凪を抱き締めた。まるでその存在を確かめるように。一方凪は、声を出す事も松陽を突き放す事も出来ずにいた。驚きの為なのか何故なのか、自分でも解らない。
普段なら、抱き締められた瞬間突き飛ばしていただろう。そうしないと危険であるから。だけど、今日は。

「今まで一体何処にいたんですか!?」
「……ずっと、ここに」

一言一言、絞り出すように言葉を紡ぐ。それを言い終えると、松陽の腕の力がほんの少し緩まった。

「心配したんですよ」

大きく目を見開いた事に、自分でも気が付いた。


今までずっと一人だった。家族を失くしてからずっと。
村から物を勝手に盗んだし、戦場で屍の身ぐるみを剥いで生きてきた。
死なない為に、自分へ敵意を向けるものは容赦無く殺した。はじめのうちこそそれに抵抗していたが、少しすればそんなものは消えて無くなってしまう。


沈みゆく太陽を見た時、もういいと思ったのだ。
人間の身でありながら化け物と呼ばれた自分など消えてしまえばいいと、心の底から思ったのだ。
あの温かな、遠いいつかの日と同じ温もりを持つあの場所に居てはいけないと、そう思ったのだ。
そう思えたのに、決心がついたのに、何故。

どうして、自分に笑顔を向ける。
どうして、自分を心配する。
どうして、こんな風に抱き締める。
どうして、

どうしてこんなに温かい。

「ふ……」

髪を撫でられた瞬間、ぼろりと瞳から何かが零れ落ちた。長い事流していなかったそれ。たった一度、たった一粒流れてしまえば、後は壊れたからくり人形の様にぼろぼろと瞳から流れ落ちてきて、凪の視界はあっという間に霞んでしまった。
涙を流すなど、一体何時ぶりだろうか。最期に泣いたのはきっと、妹と逸れてどうしても探し出せなかった時の事だ。それ以来流れていなかった分を今このとき流すように、涙はいつまでも止まってくれない。

「っ、うぁぁあぁっ」

嗚咽を上げて泣く凪を、松陽はいつまでもそのまま抱き締めていた。





「すっかり暗くなってしまいましたねぇ」

真っ暗な夜道を並んで歩く人影が三つ。いや、正確には四つ。一番大きな人影——松陽は、その背に凪を負ぶっていた。その右隣に銀時が、左隣には晋助と小太郎が、それぞれ松陽の歩みに併せてゆっくり進んでいる。

「晋助と小太郎は家まで送って行きますからね」

松陽が言うと、二人はこくりと頷いた。かれこれ一時以上凪と探して歩き回っていたのだから、きっと疲れているのだろう。当の本人である凪は、松陽の背ですやすやと気持ち良さそうに眠っている。マイペースな子だと思いながらも、背中に感じる温かさと重みに安心した。

「せんせー」

ふいに銀時に呼びかけられ、松陽はそちらを向く。銀時は夜空を見上げていた。

「帰ったら餅食いてぇ」
「お餅、ですか?」

何故急にそんな事を、と思い銀時と同じく空を見上げてみれば、それはすぐに理解できた。雲一つ無い夜空に散りばめられた星と、餅突く兎。
今夜は満月だった。

「かぐや姫が月に帰った日も、きっとこんな夜だったんでしょうね」

遠い遠い、遠い昔の物語。竹から生まれたかぐや姫は、満月の夜に月の国へと帰って行った。

背中に乗る小さな少女は、生まれたばかりのかぐや姫。
きっとこれから沢山の喜びと幸福と、沢山の悲しみを知って、大人になってゆくのだろう。

この三人の少年と一緒に。



龍の背に乗るかぐや姫
(ただいま、お帰り、ありがとう)




Re: [銀魂]   |_ くるりくるり。|  ( No.128 )
日時: 2011/06/18 10:29
名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: .qxzdl5h)


■__+第二章 ふわりふわり+__■

第七話  >>114 「消えた烏の子」
第八話  >>118 「夕空ゆらり」 
第九話  >>119 「それは昔の記憶の残骸」
第十話  >>126 「光を見つめて、影を哀す。」*サブタイトル提供/ひふみ。様
第十一話 >>127 「龍の背に乗るかぐや姫」*サブタイトル提供/ひふみ。様


   憎しみも愛しさも哀しみも温もりも優しさも、
     全てこれから思い出してゆくのだ。
     ふわふわと宙を舞う蒲公英の綿毛が、
     やがて地に根を張り花を咲かす様に。

Re: [銀魂]   |_ くるりくるり。| 第二章完結  ( No.129 )
日時: 2011/07/25 11:51
名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: .qxzdl5h)

ものっそい下がってたww
明日更新よてーい


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