二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 東方夢幻道 Visitor of Another World
- 日時: 2010/11/25 12:36
- 名前: 桜丸 ◆u8da6hjvyw (ID: iP.8TRIr)
登場人物
■ユアル・ヴェーダ・・・魔導師の少女で、本作の主人公。主に四元魔法を得意とする。超次元道を利用し、幻想郷へとやって来た。
■リムス・・・土でできた巨人。いわゆるゴーレムで、ユアルの相棒。人間の言葉は話せない。魔法でコーティングされているため土といえどボディは頑丈である。
- 返事 ( No.2 )
- 日時: 2010/11/24 03:54
- 名前: 桜丸 ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
嘉佳緒さんへ
ありがとうございます。期待に添えるようなものが書けるか不安ですが頑張ります。
- 第一話「異世界から来た少女」 ( No.3 )
- 日時: 2010/11/26 02:30
- 名前: 桜丸 ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
超次元道を抜けた先には美しい湖が眼前に広がっていた。
霧が立ち込めていて視界が悪く、あまり辺りの様子はわからなかったが、不気味な紅い館が建っているのは確認できた。
「ここがファーストワールドね。科学技術が最も発達してるっていう」
「ウガウガガー(無事に着いてよかったな、ユアル)」
少女魔導師である私、ユアル・ヴェーダは相棒のリムスとともに、セカンドワールドという世界からやって来た。
リムスは私の魔法で動くようになった土人形、いわゆるゴーレムである。
三メートルを超す巨体に大木のように太い手足のせいで一見凶暴そうだが、素直で優しい私のよきパートナーだ。
「とりあえず人を探しましょ。あの紅い館はいかにもヤバそうだからパスね」
「ウガガー! (探すぞー!)」
こうして湖周辺の探索が始まった。キョロキョロ辺りを見回しながら私たちは進みだした。
「わあっ!」
歩きだしてほんの数十秒後、私は何かにつまづいて転んでしまった。
霧のせいで足元が見づらかったせいで障害物の存在に気が付かなかったのである。
「ウゴガガ? (大丈夫か?)」
「痛たた・・・。何なのよもう!」
足元を確認すると、なんとボロボロに傷ついた女の子が横たわっていたのだ。声をかけても反応がない。
「酷いやられようね。見た感じ妖精みたいだけどファーストワールドに妖精なんていたかしら?」
「ウゴーウゴゴウガ(それより早く手当てだ)」
応急手当を始めようとしたそのとき、周囲が急に寒くなった気がした。いや、確実に寒くなっている。
これはおかしいと思い、振り返ると水色の髪の女の子が立っていた。
この子も妖精のようで、背中に氷の羽を生やしている。ものすごい剣幕で私たちを睨みつけ、怒鳴り立てた。
「お前たち! あたいの友達に何をしてんだあーっ!」
誤解されている。しかし、傍から見れば私たちがこの女の子をボコボコにのしたように見えてもおかしくはない。
「違う。私たちは・・・」
「うるさい! 英吉利牛と一緒に冷凍保存してやるわ! 『アイシクルフォール』!!」
彼女は私たちに弁解する時間を与えず、容赦なく攻撃を仕掛けてきた。
無数の氷の塊が彼女の周囲に出現したかと思うと、次の瞬間、それらがキラリと光りながら私たちに襲いかかってきた。
すかさず、灰色の巨体が私の前に仁王立ちになった。そう、リムスだ。彼が剛腕を振るうと氷の塊は一瞬にして全て粉々に砕け散った。
「うっ・・・」
「そっちがその気なら容赦しないわよ。私の四元魔法、見せてあげるわ」
私は懐からさっとマッチを取り出し、火を起こした。
「何が魔法だ! そんなちっぽけな火であたいの氷を溶かそうっていうの!?」
もちろんそんなはずはない。ここからが本番なのだ。
「私は、自然の構成要素である火、水、風、地という四つの要素に力を加えることができるの。見なさい」
「火力が・・・増した?」
それだけではない。火がマッチ棒を離れ、私の手のひらに移っているのだ。
やがて火は業火へと変わり、矢の形に変化していった。
「ケンカを売ってきたあなたが悪いのよ。くらいなさい、『テージャスアロー』!!」
「ひいっ!!」
彼女はたじろぎ、大きく後退した。
- 第二話「踏み出せ、第一歩」 ( No.4 )
- 日時: 2010/11/26 02:35
- 名前: 桜丸 ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
炎の矢は少女の体を炎上させることはなかった。私は矢を放たず、魔法を解除したのだ。
そのことに少女はまだ気が付いておらず、頭を小さな両手で押さえてうずくまって怯えている。
「あ・・・れ?」
ようやく少女は私が攻撃をやめていることに気が付き、顔を上げた。
「何で当てなかったんだよ」
「別にあなたとは争う必要ないからよ。まだ反撃してくるようなら相手になるけど?」
少女はもういい、もういいと繰り返し、戦う意思がないことを私に伝えた。
「言っておくけどね、あの子をあんなにしたのは私たちじゃないわよ」
「ウガガーウガガー(そうだぞー)」
「え? じゃあ一体誰が大妖精ちゃんを?」
「それはこっちが聞きたいくらいだわ・・・」
私は荷物の中から救急セットを取り出し、大妖精の応急処置をした。やはり酷いやられようだ。少女とリムスは沈黙を保ったまま不安げに彼女を見守っていた。
処置がすんだら木陰に寝かせておくことにした。
「あの・・・大妖精ちゃんを助けてくれてありがとう。それと、ごめんね。いきなり攻撃を仕掛けちゃったりしてさ」
少女はうつむき加減で感謝と謝罪の意を表した。目には涙が浮かび、今にも溢れそうだ。
「いいのよ、誤解が解ければ。私はユアルっていうの。で、こっちはリムス。よろしくね」
「ウガウガガー(よろしくなー)」
リムスは軽くお辞儀をした。
「あ・・・あたいはチルノ。よろしくね」
「チルノちゃんか。可愛い名前ね!」
チルノははずかしそうに下を向いた。雪のように白い頬が赤くなっていくのがわかった。
「ところでチルノちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「なあに?」
私は、自分たちが異世界から来たことを告げたあと、この世界について詳しく知っている人を知らないか尋ねてみた。私たちが異世界から来たことについてチルノは最初は驚きを隠せない様子だったが、落ち着いたあとこう答えた。
「うーん。それならアイツかな」
「アイツって?」
「ウゴウ? (誰だ?)」
「博麗神社に住む、博麗霊夢って巫女のことだよ。あいつはこの幻想郷のことをよくわかってるはずさ」
「ゲンソウキョウ?」
「そう、ここは幻想郷ってとこなんだよ」
「ウゴゴゴゴ、ガガガ?」
「ごめん。なんて言ってんのかわからないんだけど・・・」
リムスの言葉を理解できる者は私以外にいないのだ。
「『で、その博麗神社ってのはどこにあるんだ?』って言ってるわ」
「あっちよ」
チルノは小さな人差し指で遥か彼方を指差した。
「『あっち』ってずいぶん大雑把ね、チルノちゃん」
目指すべき場所が明確(?)になったので私たちはそこへ向かうことにした。私たちはチルノに礼を言い、チルノも私たちに礼を言った。
「じゃーね、チルノちゃん。大妖精ちゃんのことしっかり見てあげてね。」
「ありがとう。大妖精ちゃんが目覚めたらあんたたちのことを伝えておくから!」
「ウガガ〜(またな〜)」
私はスタスタと、リムスはズシンズシンと、博麗神社へ向かって歩き出した。
私たちを見送るチルノに手を振りながら。
- 第三話「茸採り」 ( No.5 )
- 日時: 2010/11/27 16:07
- 名前: 桜丸 ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
私たちは今、目的地である「博麗神社」へと足を運んでいる・・・はずだった。
「どこなのここは?」
「ウガァ〜?」
そう、単刀直入に言って道に迷ったのだ。やはり「あっち」という指示だけで目的地にたどり着くのは無理があったのかもしれない。
そしてここは気味の悪いジメジメとした森の中である。私たちはその場に座り込んだ。そして私はリムスのゴツゴツとした体にもたれかかった。
「まいったな〜。どうすればいいの?」
「ウゴォ〜ガ(俺に聞かれても困る)」
木々の枝の間からわずかに差し込む日の光をぼうっと見つめていると、遠くの方からわずかに葉っぱを踏みつける「パリッ」という音が聞こえた。
私は厳密には人間ではないため、身体能力は人間より高い。
「誰か来る」
私はリムスを縮小魔法で手のひらサイズにし、木の枝に飛び乗り、身を隠した。
やってきたのは黒い上衣をまとい、大きな黒い帽子をかぶり、ウェーブのかかった金髪の少女だった。黒い服装という自分との共通点に私は少し親近感を感じた。
「今日はあんまり見かけねーな、茸」
この少女はどうも茸採りをしているようだった。
「あの子も魔導師かしらね。服装といい茸を探してることといい。友達になれるかも」
故郷にいたころ、本で読んだことがある。魔導師のなかには茸から魔力を抽出する者もいると。
ふと、私は手の上に乗っているリムスの異変に気が付いた。心なしか少し大きくなっているような気がした。
「あっ! もしかして!」
時すでに遅しだった。
バキッ! という痛々しい音とともに枝が折れ、私たちは地面に叩きつけられた。
リムスにかける縮小魔法が不完全だったために、リムスが元の三メートルの巨体に戻ってしまい、枝がひとたまりもなく無残に折れたのだ。
「痛い・・・。枝が折れるなんてお決まりのパターンね」
「ウゴ・・・」
もちろん金髪の少女は私たちが落下してきたことに驚き、こっちをみて大きく目を見開いている。
「たまげたぜ。木の上から人と化け物が落ちてくるなんて」
男っぽい口調で金髪少女はそう言った。リムスのことを「化け物」と呼ばれたのにはいささか反感を覚えた。
私は立ち上がると、黒く、短いスカートについた土を払いながら文句を言った。
「失礼ね! リムスは化け物なんかじゃないわよ! 私の大事な相棒なんだから!」
私の気迫に押されたのか、彼女は少し驚いたような表情を見せ、身を引いた。
「悪い悪い。謝るよ。—ところで私、今茸採りをしてるんだがあまり採れなくてな、困ってんだ。ちょっと手伝ってくれないか?」
「悪いけど私、博麗神社ってとこに向かう途中だから。・・・道に迷っちゃったけど」
すると彼女は「しめたっ!」と言わんばかりの顔で私に話を持ちかけてきた。
「ほほう。神社を探してるって? 私、そこの巫女と知り合いなんだが。もし、茸採りを手伝ってくれるのなら案内してやるぜ」
「え? ほんとに!?」
少々面倒な気もしたが、神社の巫女さんに会えるのならお安いご用である。
私は彼女の出した条件を承諾した。
- 注意 ( No.6 )
- 日時: 2010/11/27 21:40
- 名前: 桜丸 ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
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