二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ボーカロイドの歌を小説化してみた←
- 日時: 2010/12/18 22:29
- 名前: 遥、 ◆lHG3Yzo0a6 (ID: lWK3zB9M)
題名どおりです!←
歌になぞらえた感じの短編を書いていきます。人物の名前とかはあんまりボーカロイドに関係しませんw((
ではでは、ゆるーく更新していくので、あんまり期待せずにお読みください。
……って、今見たら、同じ題名のスレがorz
ごめんなさい、パクった訳じゃないんです。
あと、小説的に飛びまくるとおかしくなる部分があるので、歌にはないシーンが色々出てきます><;
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- Re: ボーカロイドの歌を小説化してみた← ( No.1 )
- 日時: 2010/12/18 22:55
- 名前: 遥、 ◆lHG3Yzo0a6 (ID: lWK3zB9M)
メルト
「起きなさーい、彩芽(アヤメ)!」
ママの甲高い叫び声が数度聞こえて、私は布団の中で寝返りを打った。
……まだ朝早いよ、ママ……。
重たい瞼をこじ開けて、ベッドの隅っこに置いてある人気キャラクターの時計を見る。六時、三十分……全然早いよ! 心の中で突っ込みを入れてみるも、ずっと下で叫んでいるママにそんなことを言っても意味がなさそうで──私も叫び返した。
「もう起きてるよー!」
もう、ママのせいで眠気が飛んでしまった。──でも、この温くてほっこりとした布団から抜け出せるわけもなく、私は無意味に何度も寝返りを打つ。寝返りを打った拍子に目に止まったのは、携帯。淡いピンク色の、プリだらけだけど私のお気に入り。
その携帯を見た瞬間キミを、陸君を思い出した。
校則違反の茶髪の髪、黒縁眼鏡──何より、意地悪そうに笑うキミの笑顔。思わず顔がにやける。
──ああ、私今きっとすごく変な顔してるな。
自覚はするけれど、考えれば考えるほど顔は微妙な笑い顔に変わっていった。
「彩芽! 起きてるにしては降りてくるのが遅いわよ」
ドアノブがガチャンと下がって、扉が開いた。慌てるも時すでに遅し。ママはばっちり布団の中で温まる私を目撃していて、私の家に朝から雷が落ちたのは言うまでもない……。
「おはよー彩芽」
後ろから頭をコツンと拳で叩かれて、私は勢いよく振り返った。だって、こんなことするの陸君くらいしかいないし。
やっぱり後ろには、陸君があの意地悪そうな顔で立っていて、私より頭ひとつ分も大きい陸君を見上げる。
「おはよー」
平常心を装っておはようと言うけれど、私の心臓はばっくんばっくんと鳴り止まなかった。いつものことなのに、なぜか慣れてくれない私のカラダ。もういい加減慣れないと、私いつか死んでしまうんじゃないだろうか。
隣で雑談し始めた陸君を見上げてそんなこと思いながら、私も笑顔で陸君と話し始めた。
「彩芽ってさ、髪長いよな。いつから?」
ふとした感じで陸君が私の髪を触った。陸君の手のひらでばらける私の明るい緑色の髪。えぇっ……どうしよう……陸君の手が私の髪に……。パニックに陥る私をよそに、陸君は私の顔を覗き込む。近いってばぁー!
「おーい、聞いてる?」
「えっ、あっ、えぇーっと……小学三年生くらいから?」
「何で疑問系?」
笑いながら突っ込んだ陸君に、私も微妙な笑いを返す。だって、そんなに近かったらまともに会話もできないよ……。心の中で陸君を責めつつ、私は俯いた。
「じゃあ短いの見たことあるヤツ高校にいないんだ」
楽しそうに言った陸君に「そうかも〜」と微妙な返事を返す。
「てかさ……今何時?」
「……は、ちじ……」
時計を見るため腕へ視線を落とした私は絶句する。どんなにゆっくり歩いたのだろう。ちゃんと余裕を持って歩いていたはずなのに、これじゃあ遅刻確定だ。
「走れー!」
突然走り出した陸君につられるように、私も慌てて走り出す。間に合わないけれど、一時間目の半ばに入っていくよりは、まだマシだ。
足の速い陸君に頑張ってついていきながら、私はそう思って呼吸に混じって荒いため息をついた。
*
えへへ、第一作目がこれとか^p^
途中なんか違うな、とは思ったものの直す気にもならず、そのまま続行w
いやいやどう考えても違うだろ! なんて突っ込まないで><
- Re: ボーカロイドの歌を小説化してみた← ( No.2 )
- 日時: 2010/12/18 22:57
- 名前: 遥、 ◆lHG3Yzo0a6 (ID: lWK3zB9M)
えっと……続きます!←
- Re: ボーカロイドの歌を小説化してみた← ( No.3 )
- 日時: 2010/12/22 21:20
- 名前: 遥、 ◆lHG3Yzo0a6 (ID: hS3AplmB)
メルト 続き
『明日遊べる?』
陸君から来た、絵文字のない無愛想なメール。ただ、その内容は私にとって狂喜乱舞のモノだった。すぐさま返信ボタンを連打し、返事を打ち始める。
『いいよっ。何時から?』
ハートマークは私がどきどきして使えないから、ハートと同じような意味の絵文字を使って誤魔化す私。こんなのに、気づいてくれるわけないよね……。
──目覚ましのうるさい音に、私はピクンと反応した。いつもなら不快な気分で起きるけれど、今日は違う。だって陸君とのデート! ベッドから跳ね起きると、昨日の夜、遅くまで色々試着して選んだお気に入りの服──レースをあしらったピンクのミニスカートに、茶色のブーツ。そして何より、ガラスで作られた、ラメのキラキラ光るお花の髪飾り。私の緑色の髪には、これが一番似合うんだ。今日の私は可愛いのよ! なんて、自信満々に心の中で叫んでみる。
下へ駆け足で降りて、顔を丁寧に洗う。タオルで肌の水滴を染み込ませて顔を上げると、オトメの顔をした私がいた。
腰ほどまである髪を、熱したアイロンで丁寧に伸ばすと、すぐに二階へ駆け上がる。弟の「うるさい!」っていう怒鳴り声は無視して部屋に飛び込んだ。
服を身に着けて、バッグの中身も確認する。携帯は、八時半を指していた。──そろそろ行こう。
「いらっしゃいませー」
笑顔でそういった店員は、私をすぐに案内してくれた。
どれくらい切って欲しいか伝え、置かれた雑誌を手に取る。読もうとした矢先、頭上から声が振ってきた。
「本当に、いいんですか?」
顔を上げると、若いお洒落な女性の店員がもったいなさそうに髪をさらりと掬い上げた。
「いいんです」
別に迷いなどない。だって陸君のためだもん。「どうしたの?」って、驚いて笑顔で……喜んでくれたら嬉しいな。
まだ躊躇いがちな女性店員は、それでも髪を胸辺りでばさりと切り落とした。明るい緑色の髪が、白く光を反射する床に落ちる。
それをちらりと一瞥して、私は雑誌を読むことに没頭した。
ボブのような髪形になった私は、時間を確認して待ち合わせ場所へ走る。
キリィ!、
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