二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- キヲク ノ カケラ【薄桜鬼】
- 日時: 2011/03/23 18:53
- 名前: てと (ID: Gz/gGLCR)
- 参照: http://psyco.jp/mosquito/title/
ひ、久しぶりに小説を書いてみようと……!
今までのは全部捨てましry
主人公の名前は他の小説より使い回してます。
基本的にシリアスです。主人公は薫の義理妹、南雲家“元”頭領です。
お題をお借りしています。URLからサイト様に飛びます。
落ちに関しての説明で、千鶴ちゃんは平助落ちになります。
主人公が土方とくっつく予定なので仕方無いでしょ!(おま
【主人公設定】
名前:南雲 奏(ナグモ ソウ)
性別:女♀
詳細:薫の義理の妹であり南雲家元頭領。人間も南雲家も鬼も大嫌い。
信頼しているのは自分自身のみ。他人に心を開かない。
実は前世の記憶があり、その所為もありこの世界に良い思いは無い。
【お話】
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- Re: キヲク ノ カケラ【薄桜鬼】 ( No.1 )
- 日時: 2011/03/23 18:45
- 名前: てと (ID: Gz/gGLCR)
零『それでも自分の世界を作ることは出来なかった』
しとしと。
雨が止む事なく降り続けているというのに、新しく南雲家に引き取られてきた鬼、雪村薫——否、南雲薫という彼は家の中に入ろうともせず、ただ此方を睨んでいるだけだった。
でも、それは私には関係の無いことで何やら難しい話—大方、雨の中佇んでいる彼の事を話しているのだろうが—をしている南雲家の鬼にただ冷めた瞳を向けていた。
彼の視線はばっちり元頭領である私に向けられている。
多分、彼は私の所為でこんな所に来る羽目になどと思っているのだろうがそれは見当違いだ。だって、私は何も命じて無いし勝手に引き取ったんは南雲家の忠実ではない鬼なのだから。でも、双子の妹の雪村千鶴を引き取れると思っていた彼らは女鬼ではなくその双子の兄である雪村薫を引き取る事になってしまったことに失望し、彼を虐げているようだった。
さめざめ降る雨の中に居る彼を見ても、中に入れば良いのに等と言う感情が芽生えないほど私の心は冷めていて。
「……気分が悪い」
吐き気を催してきた頃、漸く彼はあの場所から姿を消し気がつけば何処かへ行ってしまってた。
どうでも良い、と小さく笑って私は部屋へと戻る。
この世界は心地いい、だけど決定的な何かが足りないそんな世界。
だから私はこの世界に心を開かない。だから、この世界を全部壊してやる———……。
そんな小さな野望すら、この世界はいとも簡単に飲み込んでゆったりと時間は流れゆく。
私はナニ?と自問して平々凡々な人間だと自答する日々は飽きた。
「……っふ、ふは……あーっはははははっ!!」
下らない。
下らない下らない下らない下らない下らない下らない下らない下らない下らない下らない!!!!!
この世界はあまりにも下らなくて——狂おしい。
だからこそ私は壊したくなる!
ねぇ、———そう思わない!?
「……は、はっ……ねえ、ねえ……ドウシテ、わたしはいるの」
笑い飽きた。
その後は問い尋ねる—勿論自分に—此処にいなくて良い人間がどうして居る?
いっその事閉じこもってしまおうじゃないか。
そう考えたのに。
赤色の瞳が、微かに揺れて、——狂気を映し出す。
( それでも自分の世界は作ることは出来なかった )
- Re: キヲク ノ カケラ【薄桜鬼】 ( No.2 )
- 日時: 2011/03/23 21:38
- 名前: てと (ID: Gz/gGLCR)
- 参照: 散らないが不知火に聞こえる件
壱『何者も拒絶するその鋼鉄の心を』
彼が南雲家に来て少し経ったとき。
私は、何故だかとっても苛立っていて部屋に閉じこもった。
——慌てている鬼共を見て一言。
「誰も入らないで」
そう、口の端を吊り上げ歪んだ笑いを浮かべて襖をばたん!と大きな音を立てて閉める。私の領域には誰一人として入らせない。
ぐちゃぐちゃに錯乱した部屋を見て一人ずるずるとその場に座り込み、小さく嗚咽を漏らす。本当は泣きたくて泣きたくて、——嗚呼今私はどれだけ情けない顔をしているのか。
「……っふ、ぁう……」
情けのない声が漏れ、涙がぽろぽろと頬を滑り落ちては畳に染みを作って行く。
この世界は、今まで自分がのほほんと仄々と暮らして居た世界ではなく、——戦争も人殺しも日常茶飯事の厳しい世界なんだと改めて言い聞かされている様な気がする。
「あんたが思ってるほど、この世界は甘くない」
転生してすぐの、——今から十五年、私が丁度十の時。誰かがそう、耳元で優しく、冷酷な言葉を囁いた。
その言葉に絶望し、私はわんわんとただ泣き喚いた記憶が今でも残っている。耳について離れない、優しく冷たいその囁きが。
「——ううっ……」
もう涙すら枯れ果てたのか。
頬を滑り落ちていた雫は何時の間にか涙の痕だけを残し乾いてしまい、残るは畳の染みのみになった。
そっとその染みをなぞれば、改めて自分の無力さを感じてしまう。
「……輪廻したのは虚無だけ、か」
私は前世も現世も、この世に存在する全てのモノの意味を認めては居ない。
その虚無と言う感情だけは、——何故か輪廻したらしく。
「……何泣いてるの」
ふと冷たい声が頭上から降り注ぐ。何故彼が自分の部屋に居るのだろうか。——ああ、監禁でもされていたのか。
顔を上げて、冷たい声音で言う。
「別に、あんたには関係無いし」
「……虚無がどうとか言ってたけど」
——どうして構うの?
彼を不審げに見やると、彼は南雲家関係者であり傍観者である私に対しての憎しみを瞳に宿らせつつも、その視線に気付いたのか言葉を返してくれる。
「…………」
何も言わず、襖を開ける。
彼は出て行けと言われているのがわかったのか、素直に従って部屋を出て行く。
———その際、憎悪に満ち溢れた瞳で此方を睨むことを忘れずに。
私だって、彼が嫌いじゃ無い。だけど、私の心は。
( 何者も拒絶するその鋼鉄の心を )
( 開いてくれる人は居るのでしょうか? )
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