二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ヘタリア  Retour Pend  〜振子ハ戻ル〜 旧
日時: 2012/01/09 10:55
名前: 珠理 (ID: OfqjeFpF)

  〜プロローグ〜

 時は14世紀の終わり
 

 スペインはラテンアメリカで


 1人の少女と出会った


 森林の中でたった1人


 金髪の長い髪を


 風にたなびかせ


 ただ 座っていた


 その少女の名は



 
 まだ 無い







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Re: ヘタリア  Retour Pend  〜振子ハ戻ル〜 ( No.33 )
日時: 2011/09/21 17:17
名前: 珠理 (ID: OfqjeFpF)

第8話

「嫌だなあ。戦って」
悲しい顔をしながら呟くポルトガル。彼の後ろには何百という船。出航して間もないが、それでも先の事を考えると憂鬱になる。
「僕は・・・敵でも味方でも死ぬのは見たくないんだ・・・」

一方ベルギーでは3万の兵がスペイン艦隊と合流すべく待っていた。
「えらい大層な事になったなぁ」
おでこに手をあてて海を眺める。しかし、何も見えない。
「あのー・・・ベルギーさん?」
「ン?」
部下の1人が申し訳なさそうに尋ねる。ベルギーは何を尋ねられるか、大体の予想は付いていた。
「さっきのイギリスから来た使者は一体何用だったんですか?」
「和平交渉や。もちろん断ったで」
それに、いまさら退けんやろ、と付け足し北の海を見る。
が、ベルギーは自分の目を疑った。イギリスが港を出航してるのだ。
「何でや!?スペインが出たのはついさっき・・・!!」
ぐるっと回り、皆を見渡す。その目には焦りの色が浮かんでいた。
「奇襲や!!はようスペインに連絡せぇ!!」

Re: ヘタリア  Retour Pend  〜振子ハ戻ル〜 ( No.34 )
日時: 2011/09/21 22:09
名前: レディグレイ (ID: mysRRkjQ)

おおおおぉおおおお!?
ポルトガルさんだ・・!!かっこいい!!
私がpixivで見かけたポルトガルさんは京都弁?だったw
「何してはるのん?」←みたいな。

おお!?なんか大変なことになってきたね!!

Re: ヘタリア  Retour Pend  〜振子ハ戻ル〜 ( No.35 )
日時: 2011/09/24 20:28
名前: 珠理 (ID: OfqjeFpF)

>>レディグレイさん

かっこいいだなんて恐縮です。
あたしも最初は関西弁&スペイン寄りにしようとしたのですが、ポルトさん調べて行くに連れてああなりました。

Re: ヘタリア  Retour Pend  〜振子ハ戻ル〜 ( No.36 )
日時: 2011/10/16 08:05
名前: 珠理 (ID: OfqjeFpF)

第9話

イギリスは、ベルギーの思惑通りスペインに先制攻撃をするため南下していた。
「先手必勝ってことですね」
「こっちが勝つのは目に見えているけどな」
と、その時強い向かい風が吹いた。そのあまりの強さにイギリス艦隊は先に進めず立往生してしまった。
「マジかよ・・・」
イギリス艦隊に退却以外の道は無かった。
イギリスは向きを変えた。

だがこの時、空中に〝あの妖精〟がいたのだった。

「さっきの強い風、何だったんやろ?」
「いいんじゃないですか。僕達には有利ですから」
あまり抑揚のない声でポルトガルは返事をする。怒っているときの証拠だ。
「ポルトガル、何怒ってんの?」
「別に・・・。怒ってなんかいません」
と言い残しスペインから離れて行った。
「なんやねんあいつ。反抗期かいなぁ」
不思議そうにポルトガルの背中を見つめるスペインに、ポルトガルの部下が寄ってきた。
「ポルトガルさん、貴方が来てからずっとあの調子ですよ」
「・・・何でや?」
そこで部下は思いだした。スペインが恐ろしく鈍感な事を。
「この際だからはっきり言いましょう。あなたの空気読めないことといい、武力で征服することといい、植民地の原住民に対してのたいどといい、ポルトガルさんはあなたのことをあまり好きではないいんです」
「え、でもそないなこと言うてへん・・・よ?」
「ポルトガルさんが自分の思っていることをずかずか言わないことぐらい知ってますよね」
あぁ、それと、と言い部下は付け加える。
「ポルトガルさんは信用していない人の隣に立つことはありえないですね」

Re: ヘタリア  Retour Pend  〜振子ハ戻ル〜 ( No.37 )
日時: 2011/10/16 08:20
名前: 珠理 (ID: OfqjeFpF)

第10話

7月31日、夜明けと同時にイギリス艦隊はスペイン艦隊への攻撃を始めた。

響く大砲の音


人々の叫び声


ぶつかり合う船体


だがこれは、今から始まる戦いの前奏にすぎないのだ。

「サン・サルバルド号が爆発事故を起こしました!」
「今の状況はどないなっとる!?」
「炎上してーーーーーー」
「大変です!ロサリオ号が岸壁に衝突して行動不能です!」
「何やて・・・!」
一連の報告を聞いたポルトガルはスペインに歩み寄る。
「2隻の乗組員の救助に向かいます」
出て行こうとするポルトガルの右手を、スペインが掴む。
「行くな」
「何ですか!じゃあ見殺しにしろって言うんですか!!」
「俺かて本当は今すぐにでも助けにいきたいんや!せやけど・・・」
目の前に広がるはイギリス艦隊。
「・・・飛んで火に入る夏の虫にはなりたくない、ということですね」
「?。何語やそれ」
「いえ・・・友人の言葉です」

「どうか、怪我だけはしないで下さい」

ポルトガルの脳裏によみがえる声。ポルトガルは頭振る。今ここで思いだしたら、とても戦いどころではなくなってしまうのは分かっていた。
「この戦、早く終わらせましょう」
その眼は、戦人の目だった。


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