二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 薄桜鬼 沖千 ED後
- 日時: 2011/06/13 22:36
- 名前: 緋佳璃 (ID: TdsA47Ob)
ED後です。
<愛のこもった花かんむりを>
さわさわと、どこかで風が鳴いている。誘われたように薄く目を開けると、やわらかい色合いをした花がゆれている。視界の端には、雲ひとつない青空がひろがる。
「……」
何か足りない気がして、寝返りをうつ。
見つけた。
青空の下、花が咲く草原で一緒に眠ってたはずの総司さんは、少し離れたところでこちらに背を向けて空を見ている。
「千鶴、起きたの」
気配にさとい彼は、私のほうを優しい笑顔で振り返る。
「何をしていらっしゃるんですか?」
身体を起こして彼の手元を覗き込む。
そこにあったのは、
「花かんむり?」
「うん」
それは、白い小さな花とその葉を編んだ簡素でなもので、婚姻を結んだときにくれたものに似ている。
「前のは、もう枯れちゃったでしょう?
だから、また作ったんだ」
そういって、出来上がったものを私の頭に優しく乗せる。
「うん。可愛いよ、千鶴」
恥ずかしい言葉をさらっと言われて、頬が紅くなっていくのを感じる。
そんな反応をごまかそうと、話題を変える。
「な、何でまたこれをまた作ろうと思ったんですか?」
「僕が残せるのは、これくらいだから」
これまたさらっと、悲しいことを言われた気がして、今度は目に涙がたまっていく。
何も言わなかったら、それを肯定するようで。嫌で。
私は、叫んでいた。
「そんなこと、無いです!!」
「総司さんは今まで私に、たくさんの思い出とか、愛とか。
それはもう、両手でも持ちきれないほど、たくさん貰ってて、私のほうが何を反せばいいのか…」
私の剣幕にちょっとびっくりしていた総司さんは、さらに優しい表情を浮かべて、
「うん。ごめん、そうだね。
僕らはたくさん思い出をつくってきた」
「はい」
「だから、これからもどんどん増やして行こう」
楽しい、愛しい思い出を。
「はい!」
「じゃあ、千鶴がしたいことは何?」
「え、えっと…私が、ですか?」
「何でもいいよ」
唐突に聞かれるとなかなか思い浮かばない。
うんうん考えて、頭に手をやるとカサリと音がする。
「!! これの作り方が知りたいです!」
「これって、花かんむり?」
「はい」
「いいよ、じゃあ…」
しばらく野原には一組の男女の楽しそうな声が響いていた。
その後偶然、野原を通った村人が見たのは、おそろいの花かんむりをかぶり、寄り添って穏やかに眠る二人だとか…
***
長くなってスイマセン。。。
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