二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 『コメントください!』バビロン【神様のメモ帳】
- 日時: 2011/08/27 12:43
- 名前: ♭ (ID: Uvcwa5h/)
はじめまして、♭(フラット)です!
バビロン【神様のメモ帳】をクリックしてくださって、ありがとうございます!
バビロンは、ボカロ曲をベースに進めていきたいと思います。
作者は基本アニメしか見ないので、原作様と相違点がありますが、気にしないで頂けると助かります!
あと、コメントをいただけるととても嬉しいです!ヽ(*´∀`*)ノ
オリキャラ出てきます!
- Re: 『コメントください!』バビロン【神様のメモ帳】 ( No.12 )
- 日時: 2011/08/28 12:45
- 名前: ♭ (ID: Uvcwa5h/)
四代目は至っていつも通りの表情をしていた。しかし、汐崎一変してみたことのない表情だった。
「・・・・・やっぱり、お前がトリニティの頭だったか」
四代目は、見え透いたようなことを言った。それを鼻で笑う汐崎。
「全部気づいていましたってカオだな。気づかせてやったんだよ、わざわざ。テメぇンとこの組員に薬を盛らせて」
「・・・・・・お前、それ以上何か言ったら殺すぞ」
わずかに殺気がこもる。だが、汐崎はお構いなしに続けた。
「勝手に言ってろ。俺は、テメェを許してねぇんだからよ」
「・・・・・・」
「本当に、仕方がなかったで全部が許されると思ってんのかよ!!」
いきなり、汐崎は四代目の襟首を掴みあげる。
四代目は静かに汐崎を見ていた。
「それで、平坂組に復讐か。組員は関係無ぇだろ」
「関係無ぇな、そうだな。でも、俺だって関係ない人間を巻き込んでやってんだ。お前らだけ関係無いで済むなんて不公平だろ?」
「お前・・・・・本当に堕ちたな」
「てめぇに言われたかねぇよ。なぁ・・・・・・・なんで会いに行ってやらねぇんだよ!!」
一層、つかみあげる力が強くなった。
「テメェの事情なんか知らねぇ。でもよ、アイツのことくらい分かってやれよ。たとえ全部失ったとしても、やれることはあるだろ!なぁ!」
鳴海は息をのみ、その様子を見た。
あの、軽い感じの汐崎から、一変した汐崎。
「平坂組も、アイツを捨てた組も、全部俺がぶち壊してやる。どんな手を使ってでも・・・・・・。これが俺の覚悟だ」
「バカみたいな覚悟を掲げてんじゃねぇ。そんなことをして、アイツのためになるのかよ」
「・・・・・・結果的にアイツのためにならないことなんて、最初から分かってる。だけど、こんなの不合理だ。辻褄が合わない。だから、俺が合わせてやる。無理やりにでも」
バッと四代目の襟首を放す。
そして、去っていく。
- Re: 『コメントください!』バビロン【神様のメモ帳】 ( No.13 )
- 日時: 2011/08/28 14:14
- 名前: ♭ (ID: Uvcwa5h/)
汐崎が完全に去ったのを確認して、四代目も後にしようと歩き出した。
(まずい・・・・・こっちに向かってくる)
鳴海は若干焦りながらも逃げようと思うが、遅かった。
「!!・・・・・園芸部・・・・・・てめぇ、見てたのか?」
「ッ!!・・・・・・ええと、その・・・・・・す、すみません」
結局ばれてしまい、観念する鳴海。そんな鳴海に深くため息をつく四代目。
「・・・・・・お前、恭弥とさっき会っただろ?」
「え」
「恭弥が言ってた。・・・・・・で、どこまで聞いてやがった」
「・・・・・・ええと、その・・・・・アイツって、誰のことですか?」
四代目はちらりと鳴海を見ると、病院のある方へ視線を変える。
「そっちの方向から来たってことは、お前病院帰りだろ」
「っ!!・・・・・・は、はい・・・・・」
「真人と会ったのか?」
「・・・・・・・・・はい」
四代目は視線を落とし、そうか、と小さく呟いた。その声が、どこか寂しげだった。
「・・・・・・・・真人と俺は、高校時代の同級生だ。恭弥とは、真人と出会って初めて会った。恭弥は、真人と幼馴染だったらしい」
「え・・・・・・?」
やはり、矛盾している。
名風は汐崎のことを「赤の他人」と称した。
しかし、四代目の口からは「幼馴染」、椎名の口からは「大切な親友」と言われている。
「あの・・・・・・名風さんは、汐崎のことを赤の他人だって言っていたんですけれど・・・・・」
四代目は無言だった。
鳴海はずっとその答えを待った。
そして、口を開く。
「・・・・・・真人は記憶を失っている。足を失ったと同時に」
「!!・・・・・そう、ですか・・・・・・」
だから、矛盾していたのだ。
じゃあ、名風は全部忘れてしまったのだろうか?汐崎のことも、四代目のことも。
「足を奪った人も、覚えていなかったんです。本人は、過ぎたことだから気にしてないって言っているけれど、それでいいんですかね・・・・・・?四代目や、汐崎も、それじゃあ納得しないんじゃないですか?」
名風が足を奪われて、四代目や汐崎が黙っているとも思えなかった。
しかし、四代目の口から語られた真実は残酷なものだった。
「——————————俺が奪った」
「・・・・・・・・・え?」
「俺が、真人の足を奪った。大きな鉈を使って、意識があるまま」
「!!・・・・・・どういう、ことですか?」
四代目が?
分からない。どうしてそんなことを言うのだろうか。
でも、それなら汐崎が四代目に恨みを持つ理由になる。
それが、真実なのだろうか?
「・・・・・・錬次が去って、すぐのことだ。ヒソンのことで目をつけられた平坂組は、他の組からつぶすのにいいカモだった」
平坂錬次。四代目と平坂組をつくった人だ。
鳴海も、その人とは面識があった。
「だから、利用された」
「・・・・・・・・え?」
利用された?
「真人は、戸川会の頭の娘だった。将来的には継がせようと思ったが、女だから面目が立たない。だから、男のように育てようとした。実際男のような風貌にされていた」
「・・・・・・・・・え?お、女?」
「ああ、女だ。よく騙されやすいが」
完全に騙されていた。鳴海はそれに気づけなかった屈辱にしばしショックを受ける。
「でも、結局あいつは男として生きることを拒んだ。出来なくなった」
「ど、どうしてですか?」
四代目は、目をそらした。
「・・・・・・惚れた奴がいたらしい。だから、男として生きることに無理を感じた。だから、平坂組に消されることになった」
「・・・・・・・そんなことって・・・・・・」
「・・・・・平坂組に、そのころ嫌がらせをしてくる奴がいた。誰かは分からない。窓ガラスをすべて割ったり、硫黄を部屋にまき散らしたり、組の奴が暴力を振るわれたり。そいつを捕まえたのが、戸川会だ」
「えっ・・・・・・」
『雛村さん。こいつが例の犯人です。』
その犯人は、顔を麻袋で隠されていて、口もさるぐつわか何かで何もしゃべれないようにしてあるようだった。
『協力してくれて、ありがとうございます・・・・・・・でも、どうして・・・・』
『実は、戸川会の者だったんですよ。これじゃあ、示しがつかないので、敬意をもってあなたに罰をさせたい』
『罰・・・・・・・?』
『ええ。———————————こいつの両足を切断してください』
それは、衝撃的なものだった。
そんな制裁の仕方は聞いたことがない。
『いや、そこまでしなくても・・・・・・』
『ダメなんですよ、雛村さん。この世界はそんなに甘いものじゃない。だから、これくらいやらないと舐められるんですよ。分かりますよね?いま、ただでさえ舐められているあなたたち平坂組は、これを逃したらどうなるかくらい』
何も言えなかった。
確かに、このまま何もなく平坂組が構えられるわけもなかった。
『この世界で生き残るためにも、この世界に恐怖を与えるくらいのことをしなくては。私たちは、協力しているのですよ?』
そうだ、と自分に言い聞かせる。
この者は、平坂組の敵だ。だったら、別にどうでもいいじゃないか。
渡された鉈を握る。
そして————————————————
ブシャッ・・・・・・・・・・
『おい・・・・どういうことだよ・・・・・・』
信じたくなかった。
麻袋の下の人物を。
『真人ッ・・・・・・・・!!!』
『・・・・・・・そ・・・・・う・・・・・』
麻袋の下の人物は、名風真人だった。
利用されたんだ。
後になって気付く。
女でありながら戸川会の頭の子供を、葬り去るために、平坂組の所為にでっちあげるために。
全 部 罠 だ っ た ん だ 。
- Re: 『コメントください!』バビロン【神様のメモ帳】 ( No.14 )
- 日時: 2011/08/28 15:20
- 名前: ♭ (ID: Uvcwa5h/)
四代目の口から語られた真実に、言葉を失う鳴海。
「だから、恭弥は俺を恨んでいる。それだけだ」
「でも・・・・・そんなの、仕方がなかったじゃないですか、四代目は騙されて・・・・・」
「そんな理由で許されると思うか?」
言葉が出ない。汐崎の言っていた言葉だ。四代目も、もうわかっているんだ。取り返しのつかないことをしてしまったことを。
「でも・・・・・・」
「・・・・・・恭弥は真人に惚れていた。だから、余計許せないんだ」
「・・・・・・・・四代目は、どうするつもりですか?」
「もちろん、トリニティはつぶす。どんな理由があるにせよ、あいつは俺の組員を汚した。許されることじゃねえ」
確かにその通りだ。
どんな理由があっても、許されるわけではない。
でも————————。
トリニティを居場所としている人たちはどうなるのだろう?
トリニティを失ったらどうなるんだろう?
「お前はもう関わんな。それで、もしあいつがまたお前に接触してきたら俺に連絡しろ。いいな?」
「・・・・・・・・・連絡したら、どうするんですか?」
「お前には関係ない。絶対連絡しろ」
- Re: 『コメントください!』バビロン【神様のメモ帳】 ( No.15 )
- 日時: 2011/08/28 15:32
- 名前: ♭ (ID: Uvcwa5h/)
「なるほど、記憶を失った戸川会の娘か・・・・・・・」
結局、アリスのもとに帰ってきてしまった。
「僕は君にあれほどトリニティには注意した前と言ったおいたのに、スタンガンで眠らされるなんて無様だな」
「でも、そのおかげで情報が手に入ったんだし、それに結果的に無事だったんだし・・・・・・」
「それはたまたまだ。以後、気を付けたまえよ」
アリスに説教されると、隣に座っていたヒロがくすくすと笑った。
「本当にアリスは心配性だね」
「なっ・・・・・!だっだからっ別にっ、心配なんてしてないっ!」
またも顔を真っ赤にしてぬいぐるみの陰に隠れるアリス。
「にしても、名風かぁ・・・・・。そういえば最近会ってなかったっけ」
「そうだよねぇ。そろそろお見舞いに行ってあげなきゃ」
ヒロとテツが懐かしそうに話していた。
「知り合いなんですか?」
「うん、まぁね。女の子なのに、すっごく喧嘩が強くって。テツや四代目と互角だったよねぇ」
「えっ!?そんな強いんですか!?」
「いやー、あの頃はよくケンカしたなぁ」
あっけらかんとして言う二人に呆然とする鳴海。
確かに元気そうな男のような女の人だった。
「話をもどそう。汐崎恭弥が四代目に接触してきたということは、近々大きな動きがあるということだ。多分、平坂組が関係してくるだろうね」
「てことは、やっぱり薬か?恭弥の考えそうなことだ」
「そうだ。これ以上薬による犠牲者を出さないためにも、今日中には汐崎恭弥を取り押さえなくてはならない」
「えっ!?今日中!?」
アリスの唐突な発言に鳴海は驚きを隠せなかった。
今日は、早すぎないか?
「尻尾を出し始めたんだ。今動き出さ無くてはすべてが水の泡だ。汐崎恭弥を見つける仕事は鳴海に任せよう。もし、見つけたら僕らに連絡するんだ」
「ぼ、僕?」
「そうだ。君は、こういうのが得意じゃないか」
勝手に得意だと決められて不服そうな顔をする。しかし、アリスは気にも留めなかった。
「連絡が入り次第、僕たちも動くことにするよ。僕の予想で言うと、多分汐崎恭弥は金を稼ぎにでも行っているのではないか?」
「え?」
「たとえば、博打とかね」
- Re: 『コメントください!』バビロン【神様のメモ帳】 ( No.16 )
- 日時: 2011/08/28 16:46
- 名前: ♭ (ID: Uvcwa5h/)
「博打、かぁ・・・・・・」
本当にそんなことやっているのかな、と不安になる鳴海。
とりあえず、外に出て汐崎を探した。
とその時————————。
「お、鳴海か?」
「・・・・あ」
本当に偶然だ。
でもここまで来ると、奇跡に近いのかもしれない。
汐崎はすぐに見つかった。
「これから、どこに行くの?」
「ああ、ちょっと賭け事」
「えっ!?」
アリスの言うとおりだったので驚く鳴海。
汐崎は暗い路地へと入っていく。少し躊躇ったが、鳴海もそのあとをついていく。
「ここって・・・・・・・」
「まあ、ギャンブラーが集まるところ?いや、もっと汚いところか」
そんなことを言いながら、奥に進んでいく。
キィ・・・・・・・
ドアに入っていくと、そこには強面の男が二人並んでいた。
「ブツは?」
「ある」
「じゃあ、早速やろうぜ」
そんな会話をして、汐崎はあいている席に座った。鳴海は立ちながらその様子を見る。
「誰だ、あのガキ」
「俺のダチ。気にすんな」
「・・・・・・ふーん」
そういって、汐崎が出したのはトランプ。
「じゃ、まずかんたんに。引いて」
そういってカードをどんどん引いていく。
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