二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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モンスターハンター
日時: 2012/04/08 16:22
名前: えびピラフ (ID: JryR3G2V)

初めまして! 超初投稿のえびピラフです。
モンスターハンター3G発売決定を祝して、今回はモンスターハンター2ndGの小説を書こうと思います!
え? なんで3rdじゃないかって?
…それは、やったことないからですよ! お金ないんですよ!

まあそれは置いといて、2ndGの本編とは違う表現があるかもしれません。すみません。
そうしないとストーリーが進まない場合はやむをえないという形で変えさせていただきます。
はい、ゴリ押しです。すみません。

※注 この小説には、グロテスクな表現が含まれております。それが苦手な方は、ブラウザバックをすることを強く勧めます

目次

プロローグ
>>1 >>7 >>10

———————————————————————

お客様
・ただの敷島クルル様

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Re: モンスターハンター ( No.1 )
日時: 2013/04/02 14:41
名前: えびピラフ (ID: JryR3G2V)

 
逃げないこと、それは誇り。
俺の父がいつも言っていた。「仲間を見捨てて逃げるくらいなら自分が犠牲になる」と。
諦めないこと、それは強み。
俺の母がいつも言っていた。「項垂れている時間があるなら、行動する」と。
俺の両親は、死んだ。
逃げることを許さず、諦めることを知らない両親は、俺を助けて死んでいった。
逃げないこと、それは弱み。
諦めないこと、それは——

「……」
なんだか、古い夢を見ていた気がする。何年も前の、夢。何もできないぐらい弱くて、馬鹿だった自分の夢。
「…父ちゃん、母ちゃん」
天井に向かってつぶやいてみる。あたりまえだが、何の返事も返ってこない。あの、強くて、優しい父の声は、返ってこない。気高く、厳しかった母の声は、返ってこない。
もうあれから10年以上も経った。それなのに、なぜあんな夢を見るのか。まだ自分はあのことを後悔しているのか。それは自分でもわからない。いや、それを知ることを拒否している、と言うべきだ。あの時…もっとやれたことはあった。俺は、両親の強さに甘えてしまっていた。父は助かったかもしれない。そう…両親が死んだのは、俺のせい。俺の…せい。
無機質な天井までもが、弱い俺をあざ笑っているようにみえる。みえるだけ、だが。
「…起きるか」
いつまでも感傷に浸っているわけにもいかないので、とりあえずベッドから起きて着替えを始める。時計を見てみると、もう10時を回っていた。
「あ」
そうだ、そういえば今日はハンター試験の実施日だった。開始時刻はたしか、10時…だったと思う。

「はぁ…はぁ…はぁ…」
背中に小型剣と盾を背負いながら、全力でポッケ村を駆け抜ける。もう春だというのに、まだ雪が地面に残っており、それが溶け出して水溜りになっている。冬が終わったということもあり、ポッケ村はかなり活気があり、人通りも多い。途中、何度か村人にぶつかり、その度にすみませんと謝りながら走る。
試験は村の端にある丘の上にある闘技場で行われるのだが、そこまでは全力で走っても3、4分程かかる。遅刻は免れないだろう。
闘技場といっても、こんな寂れた村にある小さな闘技場なので、小型のモンスターしか入らない。専ら大型のモンスターとの決闘は、街まで行かなければ行えない。それに、大型のモンスターと闘技場で戦う場合、かなりの手数料がかかるため、滅多なことがなければこの村のハンターは街の闘技場は使わないだろう。
俺も街の闘技場で試験がしたいと村長に言ったのだが、金がないと断られた。まったく、これだからポッケ村は不便だ。
「おい今日こそお前を…」
「いまお前に構ってる時間はない」
「ぐぎゃ!」
いつも俺に勝負を挑んでくるガキを蹴り飛ばす。時間があれば構ってやるのだが、いまは時間がない。後でゆっくりシバいとこう。
そして、やっと丘に到着する。あとはこの丘を登るだけ。上るだけ、なのだが…
「…あれは、なんだ?」
丘の上から少し下あたり、なにやら人影のようなものが見える。俺と同じ遅刻組だろうか。…しかし、こんな大切な日に遅刻するものは早々いない。相当のバカか、もしくは相当の強者か。
もちろん、俺は前者。
「…どうかしましたか?」
俺は駆け足でその人影に近づき、話しかける。
「…すぅ…すぅ」
そこには、かわいい寝息を立てる小さな女の子がいた。パッとみ、14,5歳ぐらい。白い髪。そして、黒い帽子と、黒い服…あれはポンチョというのだろうか。その下にはやっぱり黒い服。そして黒いスカートに、黒いブーツ。黒黒黒…もう全身真っ黒。夜になれば何も見えなくなってしまいそうなほどの黒。眩しいほどの白い髪と目にはあまりにもアンバランスすぎる。こんな田舎村でこんなファッションをしていれば笑われてしまいそうだが…きっと異国の人なのだろう。
「おーい」
軽く揺さぶってみる。すると、少女は唸りながら目を開けた。
「…なに」
そのかわいらしい顔からは想像ができないような無愛想な声が発せられる。その声に少し殺気が篭っていることに少々ビビリながら、俺は少女の質問に答える。
「べ、別に…こんな所で寝てると風邪を引くと思ったから」
もここは雪山の近くにあり、夏でも涼しい。逆に、冬はそれはそれは寒い。屈強な筋肉男でも、震えるぐらい寒い。ましてやこんな華奢な少女が、この寒さをしのげるとは思えない。
まだ寒さが拭えない春。この少女が防寒装備をしているようにも見えない。
「…寒くはない。心配してくれてありがとう。さようなら」
「ちょ、ちょっと待って…」
少女は立ち上がりながら、1ミリもありがたそうにしないで、さっさとどこかへいこうとする。その少女の肩をつかんで止める。
「…なに」
振り返った少女から発せられる殺気は、より濃厚になってきている。
「いや…どうせだから、そこの闘技場でやっている試験に、君も一緒に行かないか」
俺が指差すと、少女が闘技場のほうを向く。
「…試験?」
「そう、試験。ハンターが村の外に一人で出る許可を得るための試験だよ」
少女は闘技場に興味を示したようで、先ほどまで少女から発せられていた殺気は、無くなっていた。心なしか、少女の目が輝いている。
「いくか?」
「…うん」
少女は、こちらをチラリと見ると、さっさと闘技場のほうへ歩き出す。俺はそれを追いながら、なぜこの少女に心引かれたのかを考えていた。この、不思議な服を着た、不思議な少女に、なぜ話しかけて、なぜ誘ったのか。答えは出てきそうにないが。


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