二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- closest love...【青の祓魔師】
- 日時: 2011/09/21 18:21
- 名前: 絆(ほだす) ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)
青祓二作目バンザイ( ゜Д゜ノノ☆パチパチパチパチ
ほだすsデス(._.)
今回はいつもの『甘甘』とは打って変わって『苦苦』をテーマで書こうと思ってるんですが。
慣れてないですねー。苦いのは。
まあ、いつもの通り、オリキャラありの夢小説です(^_^;)
苦手な方はさよぉーならぁー($・・)/~~~です。
それでわw
- Re: closest love...【青の祓魔師】 ( No.13 )
- 日時: 2011/10/17 23:21
- 名前: ぴこ厨@絆(ほだす) ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)
【第五章——therefore.——】
『いくら兄妹でも何でもないとはいえ、雪男くんと比べられちゃぁね。燐も燐だけど、こっちも酷いね』
——これはいつも私が、周りから受けていた反応だ。
『愛色だって頑張っています。そう言ってやらないで下さい』
——これは……。私をかばおうと——私を利用する偽善者のお決まり文句だ。
ウザいウザいウザい。
別に、私を罵倒する奴はいい。勝手にしてればいい。
……でも、私を踏み台にして自分の好感を上げようとする、偽善者は嫌いだ。
本当は私のこと「頑張ってる」とか「そう言ってやるな」とか、思ってないくせに。
だから嫌いだ。父さんも修道院の皆も、周りの皆も……全部全部全部。
自分のことを表で否定しない奴は嫌いだ。
——それでも。
それでも、あの人は……あの人だけは、たとえどれだけの偽善者であっても、嫌いになれなかった。
貴方がいることで、どんなに自分が馬鹿にされようと。
……私は、嫌いになんて、なれなかった。
私は。そう。私は。
たったの一度だって私は貴方のこと、嫌いになんてなれなかったのに。
——貴方は私に笑いかけてくれない。好きにもなってくれない。嫌いになんてなれないとさえも言ってくれない。
私は彼に何かしたのだろうか。
自分としては精一杯彼の引き立て役を演じてきたつもりだ。一言も文句を言わず。彼の短所だって非だって言えたのに。
私はどうしたらいいのだろうか。
貴方のことを嫌いになれば、貴方は私に笑いかけてくれるのだろうか。
……でも。きっと私が嫌いになったら、彼に笑いかけてもらう意味がなくなるのだろう。
どうしたらいいのだろうか。
どうしたら。どうしたら。兄は——義理の兄は——塾の先生は——奥村雪男は、私に笑いかけてくれるのだろうか。
「……ゆき……くん」
決してこの声に彼は応えてくれない。
笑ってくれない。
『僕は忙しいんだ。愛色に付き合ってる暇はない』
忙しい。……そっか忙しいんだ。
なんで?
祓魔師のお仕事があるから?
そっか。祓魔師か。エクソシストか。正十字騎士團か。正十字学園か。
別に数学や、英語じゃないんだ。
私でもなれるかな。祓魔師。
なろうかな。ゆきくんが——ゆきくんのそばにいられるなら。
ゆきくんに吊り合うような女の子になれたら、笑ってくれる?すきになってくれる?
……なら、なるよ。
ゆきくんが認めてくれるなら。
するよ。
ゆきくんに笑いかけてもらえるためなら、なんでも。
愛色は祓魔師になる。正十字学園に入学する。
- Re: closest love...【青の祓魔師】 ( No.14 )
- 日時: 2011/10/16 17:13
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: SIZJ2xxS)
愛色ちゃんの切なさにhshsですうううry
青エクちょこっとしか齧ったことないからわからないんだけど、コメしちゃいましたです。
何かすっごい文がかっこいい……!
うわあああ愛色ちゃんそんな自虐的思考を持っちゃダメだよおおおry
甘甘も苦苦も美味しいですな(´・ω・`)
ではでは、これからも更新頑張って下され! 影からこっそり見守ってます←
- Re: closest love...【青の祓魔師】 ( No.15 )
- 日時: 2011/10/17 23:20
- 名前: ぴこ厨@絆(ほだす) ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)
りーちゃん。
コメありがとー♪
hshsしすぎだろオイw
愛色ちゃんには幸せになってもらいたいですねいやーw
文がカッコイイとか(ヾノ・∀・`)ナイナイ
最近再び自分の文章力のなさに、絶望したーーー。
とか。どーでもよくて。
青祓は最高だね。うん。最高だよ。
私は基本的甘甘大好き人間ですからーいやー。
りーちゃんのことも影で応援してます!っつーか、大っぴらに応援しちゃいます!!
ストーカーとか思わないでくださいな。
それでわ、本当にさんきゅーでした!
- Re: closest love...【青の祓魔師】 ( No.16 )
- 日時: 2011/10/25 20:05
- 名前: ぴこ厨@絆(ほだす) ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)
【第六幕——prophecy.——】
これは9年前。或る晴れた春の日の話——。
いつもと何も変わらない日曜日。……それでも、奥村雪男にはなんだか違う日曜日になりそうな予感がしていた。——これからもずっと続く、違う日常に。
その日、奥村燐とその弟——雪男は、お使いを養父の藤本獅郎に頼まれていたため近くのスーパーに向かっていた。
メモには、いつもと変わらない調味料や野菜中心の食材が書かれており、渡されたお金は1000円。
兄はお調子者で「おかしもかおーぜー」などと、いかにも怒られそうなことを息巻いている。弟は相変わらずだやれやれという顔で兄の顔を眺めている。
この角を曲がればすぐスーパー。——というところで、雪男は近くの公園へと駈け出した。
「お、おい!!ゆきお!!おまえどこ行くんだよ?!」
いつも勝手に違うところへ行ってしまうのは、燐の方。
珍しく、雪男が何も言わずに勝手に行動したため困惑している燐。
取り敢えず、雪男の後を追いかけて燐も公園へ向かう。
「おい、ゆきお!!どうしたん……」
雪男がいきなり立ち止まった。その大きな青い瞳はある方向を向いている。
燐は弟の視線の先を見つめる。
——そして。その状況に絶句した。
……女の子が捨てられている、という状況に。
その捨てられている女の子は、自分達と同じくらいの歳にみえる。
『捨てられている』かどうかなんて見てみればわかる。
——捨て犬でも猫でもないのに、段ボール箱の中に入って体操座りをしているからだ。
その段ボール箱には『拾ってください』と大きな文字で書いてあった。
——物分りが良くない燐でも理解できた。この子は独りなのだということを。
——聡明な弟、雪男には理解できた。この子が捨てられているという現実を。
この兄弟にも、実の両親は居ない。
……だから、親の居ない悲しみや苦しみはよくわかるものだった。
雪男はいった。
「ぼくたちにもおかあさんがいないんだ。いっしょだね」
と。
「……ぼくたちのいえにくる?」
「。」
彼女は、コクリと声も出さずに頷いた。
「なまえはなんていうんだ?」
燐がそう尋ねた。
「……こうみやよしな」
彼女は初めて口を開き、自分のことについて話し始めた。
「よしなちゃん。ひとりじゃないよ、ぼくたちがいる。ね、にいさん?」
「あぁ。おれはにいさんでりんっていうなまえだ。こっちのめがねはおとうとのゆきおだ。よろしくな、よしな」
「……うん。ずっといっしょ、ゆきくんとりんくん」
この時の約束が果たされることは、無かった——。
- Re: closest love...【青の祓魔師】 ( No.17 )
- 日時: 2011/10/26 18:36
- 名前: ぴこ厨@絆(ほだす) ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)
【第七幕——misery.——】
「……こりゃまた、お使いほったらかしてこんなモン買ってきやがったのか……」
神父——藤本獅郎は、目の前の光景に驚愕していた。
「いいだろー、よしなはもうおれたちのかぞくなんだ!!」
「勝手に決めるな!!」
何故なら——。
ニコニコスーパーにお使いに行っていたはずの燐と雪男が、近くの公園で女の子を拾ってきてしまったからだ。
「雪男、お前がついていながら……」
どうやら獅郎は、この女の子を連れていこうと言い出したのを、燐だと思っているのだろう。
「ちげーよ、ゆきおがつれてきたんだよ!」
燐は濡れ衣を着せられたことに腹を立てて、詳しい事情を話そうとする雪男の口を塞いでしまった。
「……本当に、雪男が連れてきたのか?」
獅郎は雪男と同じ目線になって優しく尋ねる。
「……うん」
雪男は大きな瞳を揺らがせつつ、眉毛をハの字にして——それでも、はっきりとした声でそういった。
「……じゃ。うちで預かるか!愛色、今日からお前は家族だ!
そして……燐と雪男は兄貴だ」
「……!!」
「……!!」
「……!!」
三人はぱぁっと顔を輝かせた。
「あ、ありがとう……お父さん」
少女は世にも幸せそうな顔でいった。
「——————ん」
少女は夕日に染まる教室にいた。
夕方独特の静寂が部屋を支配しており——どうやら、寝てしまっていたようだ。
どうしてこんな幸せな夢を見ていたのだろう。そう思った。
……こんなに幸せで、その幸せは束の間の幸せで。
もう二度と、この幸せだった頃には戻れないのに。
実際に片兄——雪男の笑顏を見たのはこれが最後だったかも知れない。
自分に向けられた兄の笑顔を見るのは。
雪男にとって自分とは、いてもいなくても変わりはしない、彼の世界の中の通行人Aぐらいの存在なのだ。
……それでも、笑いかけて欲しい。そう思うのは、やはり、彼が自分を拾ってくれた特別な存在だから。ということなのだろう。
そして……。
自分も雪男にとって特別な存在でいたい。
……彼はなぜ、私を拾ったのだろうか。
特別だと思ってくれないのに、どうして……どうして。
……どうしたら特別な存在になれるのだろうか。
——静寂に支配されていたはずの部屋は、いつの間にか暗がりの中に沈み、少女の小さい小さい小さい嗚咽だけが支配していた。
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