二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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GOSICKs-ゴシックエス- 冬の小さな夢
日時: 2011/09/23 09:35
名前: ユリィ (ID: S2FF2tv.)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22714

GOSICKの二次小説、第2弾です!
今回は短編集ということでGOSICKsにさせていただきました!
私が書いた二次小説の参照を付けましたので見ていない方はご覧下さい!
コメント、お待ちしています!!

参照先:「GOSICK-ゴシック- ネージュの幽霊は誘惑を誘う」

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Re: GOSICKs-ゴシックエス- 冬の小さな夢 1 ( No.1 )
日時: 2012/01/02 13:21
名前: ユリィ (ID: S2FF2tv.)

久しぶりの更新!!

どうぞ、ご覧下さい〜
♪*♪*♪*♪*♪*♪*♪*♪*♪
夜が明け、朝日が白い雪景色に光を注ぐー。
そんな、幻想的な景色のソヴュール王国・聖マルグリット学園。

「久城くーん、おはよぉ」
金髪の少女が男子寮の一室の窓にひょこっと姿を現す。
彼女、アブリル・ブラッドリーはダッフルコートを身に付け、頭にはあったかそうなポンポン付きにニット帽をかぶっていた。
「アブリル?どうしたんだい?朝早く…」
その部屋に住んでいる少年、久城一弥は窓を開けて、アブリルに問いかける。
「今日は大晦日でしょう。だっ、か、ら…」
アブリルは窓から身を乗り出した。
「幽霊が出るの!」
アブリルは声を大きくした。
「あのさぁ、アブリル。どうしてそうなるの?」
一弥は呆れたように尋ねる。
「だ、だってさ…『冬怪談』に載ってたんだもん。大晦日の一日にだけ現れる、謎の年越し幽霊!年が明けるとねぇ、何事もなかったように消えるの!」
アブリルの大きな声に気が付いたのか、そこに赤毛の女性が現れる。
「久城くん、朝早いね〜!あっブラッドリーさんだっけ?」
男子寮の寮母である、ゾフィは暖かそうなコートをはおっていた。抱えている籠にはパンが積み上げられている。
「あ、はい!ゾフィさんも」
一弥は頷く。
ゾフィは一弥達に近づくと、
「いいねぇ、朝からデート?」
冷やかすようにゾフィは言った。
「ち、違います!ね、アブリルっ」
「う、うぅん!そうですよっ」
二人とも焦ったように答える。
「そぉ?で、何してんの?」
ゾフィは尋ねる。
「えーと、怪談です!これっ」
アブリルは『冬怪談』の本を見せる。
「面白そうだねー。で、二人は学園に残るの?もう、大晦日だし」
ゾフィは尋ねる。今、学園は冬休み。学園の活気はほとんどないと言っても過言ではない。
「はい。僕は日本までいかなくてはならないので」
「私も、イギリスは遠いし……それに家が改装工事なので…」
アブリルは少しだけ悲しそうな目をした。
ゾフィは「ん……」と言うと、
「二人とも、暇?これからセシルとケーキでもやこうと思ってるんだけど」

Re: GOSICKs-ゴシックエス- 冬の小さな夢 2 ( No.2 )
日時: 2012/01/09 20:16
名前: ユリィ (ID: S2FF2tv.)

「ケーキ、ですか?」
アブリルが目を輝かせる。
「そ。手伝ってくれたら半分あげる!」
ゾフィは「どう?」と尋ねる。
「私、やりたいです!久城くんは?」
「うーん、そうだなぁ。僕はやら…」
やらない、と言おうとして一弥はある少女のことを思い出した。
金髪でちっちゃい、お菓子が大好きのー……
「じゃあ、僕もやります」
一弥は答えた。

その頃ー。
聖マルグリット学園の図書館塔ー。
かつてソヴュール国王と愛人の秘密の部屋とされた、図書館塔の一番上の植物園。
そこには音もなく、ただ静かな時間だけが過ぎて行く。
「今日は遅いな……久城のやつ。またあの屁こきいもりと一緒なのか」
そこに、老婆のような声が響く。しかし、容姿は見事な金髪にグリーンアイ。服装もその学園の制服ではなかった。彼女の周りには放射線状に置かれた書物。辺りに散らばったお菓子ー。
彼女、ヴィクトリカ・ド・ブロワは書物を読むスピードをあげた。
「遅い、遅いぞ…私は退屈なのだ」
ヴィクトリカは呟く。

その時、図書館塔の、ヴィクトリカがいる植物園とはほど遠い場所ー
図書館塔のドアが開いた。
「おーい、ヴィクトリカー!君ー居るんでしょー?」
紛れもない、久城一弥の声だった。
「やっと来たか、あのならず者め」
ヴィクトリカは先程と変わらない口調で呟く。しかし、先程とは違い、少しだけ安堵したような声でもあった。
「ねー!君ー!!今からケーキ焼くんだけどさー君、来る?」
一弥の大きな声にもちろんヴィクトリカは反応した。
「何っ?!」

Re: GOSICKs-ゴシックエス- 冬の小さな夢 3 ( No.3 )
日時: 2012/01/20 17:48
名前: ユリィ (ID: S2FF2tv.)

「はぁ、はぁ……ねぇ、ヴィクトリカ……」
一弥は図書館塔の迷路のような階段をいつもよりも速いスピードで植物園に来たためか、息が上がっていた。
「久城」
ヴィクトリカは一弥の名前を呼んだ。
「な、何?」
一弥はだいぶ息のほうは落ち着いたようでヴィクトリカに尋ねる。
「君は今日もじつに騒々しいなぁ。で、何だね?さっきから『お菓子〜』だの言っていたがね……」
ヴィクトリカははじめて一弥の事を見た。そして
「焼いてくれるのか?ケーキ!」
ヴィクトリカの顔が喜びに満ちた。
「まぁそうだけどさ…君も来てよ」
一弥は言った。まぁ、来ないものだとは思っていたが……
「ふぁ……ここで本を読んでいるよりは退屈しないだろう…下で待っている」
ヴィクトリカは小さく欠伸をして立ち上がる。
「え、君!来るの?来てくれるの?」
一弥は驚いた。てっきり来ないものだと思っていたのだ。
「何だね、そんなに珍しいものか」
ヴィクトリカはエレベーターに乗り込む。
「ねぇ……僕にもエレベーター使わせてよ…」
一弥はため息をつきつつそう言う。
「何度いわせるのだね……では久城、こうしよう」
ヴィクトリカはニヤリと笑みを浮かべ、
「君が私よりも早く下についていたら…『大晦日の怪談』を教えてやろう」
そう言い残すとエレベーターの扉がガチャと閉まる。
「どうしてそうなるの?僕が全く有利じゃないし別にその怪談なんか…」
一弥ははぁ…とため息をついて、
「ヴィクトリカのケチ」
と言った。
「なっ!」
ヴィクトリカはエレベーターの扉越しに睨んでくる。
「中途半端な秀才、久城よ、下で会おう」
エレベーターはついに降下していく。
「ヴィクトリカの……ケチ!!」
一弥はそう叫びつつ、柔らかい笑顔を浮かべて階段をおりていった。

Re: GOSICKs-ゴシックエス- 冬の小さな夢 4 ( No.4 )
日時: 2012/03/18 22:01
名前: ユリィ (ID: S2FF2tv.)

一弥はすごく急ぐつもりもなく迷路階段を降りていた。
「ヴィクトリカのやつ、またエレベーターを独り占めなんだから……でも『大晦日の怪談』って何だろう?」
そんなことを考えながらどんどん降りていく。
降りる、降りる………………
「ああっ!!ヴィクトリカ、なんでここに居るの〜?危ないよ」
図書館塔の一段目の階段にヴィクトリカは座り込んでいた。
「久城、屁こきいもりの様子はどうだ」
「えっ?アブリルのこと??まぁ元気だったよ。今朝もあったし……でもいきなりどうしたんだい?」
「フンッ、どうしたことか。ほら、さっさといきたまえ」
ヴィクトリカはドレスのポケットらしき所に何かをしまったようだったが、一弥は気にせず先を進んだ。

聖マルグリット学園、男子寮ーー。
キッチンではゾフィがケーキを作る道具を並べていた。
「これくらいあれば大丈夫!!あとはセシルが材料持ってくれば……」
ゾフィはぼそっと呟いた。そして暇なのか、テーブルに散らばっていた雑誌や本、新聞を整理し始めた。
「ん……『冒険家、ブラッドリー家』?何かあったのかな……」
ブラッドリーという名字に気に止めたものの読むのは面倒らしく、整理した本の上に置いた。
「お待たせ、今来たわよ〜。フルーツケーキとタルト作ろ!!」
セシルは意気揚々と現れた。ゾフィは苦笑いをすると、
「はいはい………あ、久城くんたちも一緒だからね〜」
と言ってセシルからケーキの材料を受け取った。
「そう……って、ええぇぇぇ!!久城くん……ヴィクトリカさんにでもあげるのかしら」
セシルは驚きながら呟いた。

Re: GOSICKs-ゴシックエス- 冬の小さな夢 5 ( No.5 )
日時: 2012/03/29 16:39
名前: ユリィ (ID: S2FF2tv.)

「こっちだよ、ヴィクトリカ」
「うむ」
一弥はヴィクトリカに男子寮への道を案内していた。ヴィクトリカは図書館塔から眺めたり、本を読んだり、そして何度か謎解きで図書館塔の外には出ていた。しかし、男子寮に行くのは初めて。なので一弥が道案内をしているのである。
「あ、そこのお花にドレスの裾、ひっかけないようにね」
「うむ………」
そしてしばらくの沈黙が続き………
「久城…………さささ寒いぞ…」
ヴィクトリカは言った。すると、
「そりゃそうだろ。今日は大晦日なんだからね………イテテテ、ちょっと蹴らないでよ」
ヴィクトリカはむすっとした表情で、一弥を置いて歩き出した。
「あっ、君!!場所、わかるのかい??」
「フンッ、私に不可能はないのだ」
そう言い残してヴィクトリカは花壇の裏へ消えていった。
「ヴィクトリカったら……もう、迷子になっても知らないからね!!」
一弥はそういってヴィクトリカの後を追った。すると……
「久城くーーーーん!!!!」
という叫び声が聞こえた。
「えっ??アブリル??」
一弥は尋ねるが、アブリルには聞こえなかったらしく、
「何か言ったぁああああ??」
という声が帰ってくる。
「ふぅ………あ、久城くん、、着替えてきたの。どう??」
アブリルは私服にエプロン姿だったww
「そ、、その服!!!」
「ん??これ??ゾフィさんから貸してもらったの。似合ってるでしょ?」
「うん、よく似合ってるよ。じゃ、早く行こう!!」
アブリルは自分のことに全く感心がないのがバレバレな一弥の一言に怒った。そして、意地悪フリルこと、ヴィクトリカも一緒ということに気がついた……!!
「久城くんのばかぁあああああ!!」
アブリルは叫んで、そこら辺にあった草を引き抜いて頭に乗せた。。


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