二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【ヘタリア】 歴史に名を残さなかった帝国の物語
- 日時: 2011/11/20 19:03
- 名前: なーさま (ID: 1QppuERs)
この世界ではなく、何処かの世界のお話。
かのローマ帝国を凌駕すると呼ばれた、ひとつの帝国があった。
彼の名前を『グレリオ帝国』といった。
しかしその帝国は、歴史に名を残すことなく消えた。
他の国々が彼のことを忘れようと努力した結果だろう。
そんな忘れられた国の知られざる歴史の物語を
今ここで、語ろうと思う。
2XXX年 8月
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- Re: 【ヘタリア】 歴史に名を残さなかった帝国の物語 ( No.1 )
- 日時: 2011/11/20 19:12
- 名前: なーさま (ID: 1QppuERs)
序章
「ねえねえパパ、ワインを頂戴〜」
茶髪で特徴的な“くるん”としたアホ毛のある青年が、歌いながら廊下を歩いている。
その右隣で、金髪にオールバックという髪型の青年が呆れ顔で彼を見ている。
左隣には白い軍服と黒い髪の落ち着いた雰囲気の男性が、困惑したような笑みを浮かべて歩いていた。
この三人に共通しているのは暗い雰囲気で、その重さは鉛の数百倍はあろうかというもの。
同盟を組んでいたこの三国は、明日より敵となる。
それがこの三人の雰囲気を暗く重いものにしていた。
こうして歩くのも、もう最後だろう。
またはこの戦争が終わって、もう一度同盟を組んだら……。
三人は全員同じことを思った。
『この戦争が終わったら、全員でイタリアの家に遊びに行こう』
『そして笑おう』
『いつまでも』
歌っていた青年の両目から大粒の涙がこぼれおちた。
- Re: 【ヘタリア】 歴史に名を残さなかった帝国の物語 ( No.2 )
- 日時: 2011/11/21 22:34
- 名前: なーさま (ID: 7Qg9ad9R)
序章 2
世界会議室の中には5人の国以外誰もいなかった。
たった今会議が終わったところで、もう皆会議室を出て行ってしまったからだ。
しかし5人は会議室に残っていた。
「連合国もばらばらになっちゃうんだね……お兄さん悲しいよ」
金髪に青と赤の派手な軍服を着た青年が言った。
「お前と離れられるなら嬉しいけどな」
眉毛が特徴的な青年の表情は、何かをこらえているのが明白だった。
「でも、この戦争が終わったら、また皆で、笑お、う」
眼鏡をかけた青年が途切れ途切れになりながら言った。
「皆なさけねーある!もうちょっとこらえるよろし!」
亜細亜系の黒い髪をした男性が誰とも顔をあわせずに言った。
男性の隣の、背の高いマフラーをつけた青年は無表情のまま何も言わなかった。
「さて、俺今から準備とかあるから帰るよ」
「俺もだな」
「俺もだよ……」
「僕も」
「皆そーある」
5人の目は5人とも、最後まで誰とも合うことは無かった。
- Re: 【ヘタリア】 歴史に名を残さなかった帝国の物語 ( No.3 )
- 日時: 2011/11/21 22:50
- 名前: なーさま (ID: 7Qg9ad9R)
第一章 幕開け
どうして彼らがばらばらになってしまったのか。
その理由は、太平洋に浮かぶ帝国にあった。
オーストラリアより少しだけ大きい大陸をまるごと国にした帝国・グレリオ大帝国。
建国数年で強大な軍事力を持ちはじめ、他国が絶対に無視できない存在となった。
数日前のこと。
突然グレリオ帝国が小さな島国を攻めた。
人口はたった500人ほどの国で、強大なグレリオ帝国が攻めるにしては小さすぎるほどだった。
これに怒り狂ったのはアメリカ・ロシア・ドイツ(プロイセン)などの国々だった。
彼らは連合国と自分たちを称し、グレリオ帝国と戦うことを決意した。
グレリオ帝国のやったことはおかしいと思いつつも、同盟を組んでいるので逆らうことが出来ない国はイギリス・イタリア・スペインなど。
彼らは同盟だけでなく、グレリオから様々な援助を受けていた。
スイス・日本・フランスなどは徹底中立を決め込み、この戦争にかかわらないことになった。
新連合国 対 新同盟国。
今、全世界を巻き込んだ大戦争が始まろうとしていた。
- Re: 【ヘタリア】 歴史に名を残さなかった帝国の物語 ( No.4 )
- 日時: 2011/11/23 01:50
- 名前: なーさま (ID: U2xUI64X)
最初に宣戦布告したのは以外にもグレリオだった。
次にアメリカ、イギリスなどが宣戦布告していき、瞬く間に戦火は世界中に広がった。
所は変わり東欧・ポーランド。
彼は親友であるリトアニアと暗い表情で喋っていた。
「マジありえんしー……。グレリオ何考えてんの?」
「さあ……。でも戦争始まっちゃったし、僕たちも無関係ってわけにはいかないんじゃないかな」
「リトはスイスみたいに中立に回るん?」
「わからないよ。もしかしたら新連合側につくかもしれない」
「俺も多分新連合につくと思う」
ポーランドがリトアニアが淹れた紅茶に角砂糖を数個入れ、スプーンでくるくるとかき混ぜながら言う。
「もし敵同士になったらリトはどうするん?」
「え?」
「俺でも殺すん?」
「そんなわけないよ!」
リトアニアが声を荒げると、あわててポーランドが冗談だし、と言った。
「ねえポーランド」
「ん?」
「同盟……組もうか」
ふっ、とポーランドが口元に笑みを浮かべる。
「それ、マジええと思うしー!」
「ちょっと口調おかしくなってるよポーランド」
リトアニアもつられて笑った。
「よし、そうと決まれば早く色々準備しよう」
「わかった!」
後日、ポーランド・リトアニア同盟が結ばれた。
それと同時に彼らは連合側につくことを宣言した。
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