二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【銀魂】 記憶を探して コメ募集中!
- 日時: 2012/03/17 15:43
- 名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: w79o9fwt)
ちゃお!甘夏です
これでスレ立てんの何回目だろ…五回目?
どの小説も完結出来ずに放置する飽きっぽい奴です
!注意!
この小説、銀魂と名乗りながら原作キャラあんま出てこねーじゃん!
そんな文句が聞こえてきそうな小説っす
この小説はあくまでもオリキャラ達中心なので、原作キャラは二の次!(ぇ
世界観が銀魂ってだけになってしまいますよ〜
それがNO!って方は、即リレミトしてくださいな
まあ、そんな事は置いといて(…良いのかそれで?
今回こそはちゃんと完結させる!という意気込みでやっていきますので応援よろしくです!
もし放置してもコメが来ると復活します★
☆お客様☆
カノンさん
月那さん
雛苺さん
ルンルさん
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- Re: 【銀魂】 記憶を探して コメ募集中! ( No.48 )
- 日時: 2012/03/17 16:46
- 名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: w79o9fwt)
- 参照: 姉さんの元のやつを分かった人は神だと思う
「待ちな、カグヤ。」
「じゃないとあんただけ吹っ飛ばす!…ま、体に傷が付かない程度に」
「…おやおや、何でねーさんにセレネが地球にいるのかな?」
『…?(誰かしら)』
あの後もまだ街を歩いてたあたし達。だって暇なんだもの。
あれから…そうね、10分位経ったかしら。
その時知らない人(あくまで今のあたしが知らないだけ。カグヤと前のあたしは知ってるんだと思う)に声をかけられた
振り返った先にいたのは…うわ目立つ。
最初に喋った…カグヤの言う〝ねーさん〟は、深っ紅な鎧に身を包み肌が一切見えない。冬はいいとして夏は蒸し暑そう…いやでも、そういう天人?
吹っ飛ばす!って言ったのはカグヤの言う〝セレネ〟さん。
ん…腰までの綺麗な金髪を黒いリボンでポニーテールにしていて、瞳は薄い青。
結構美人さんだ…でも発言はとても物騒だわ。
ともかく、この江戸の町では大いに浮いていて目立つ二人組だった。
「何でこっちにちゃんと着いたのなら連絡しないんさ、あたしらだってディアナだって…みんなあんたの事心配してんだからな!」
「いやさ、お前らが心配してんのは俺じゃなくてルナだろ…」
「だって体はルナだし!とにかく、探したんだから」
「おーおーそうかい。そりゃ悪かったよ連絡の一つもよこさなくて。でもよ、そもそもどうやって星まで連絡をするか俺しらんし」
「あっ、そこんとこ忘れてた!ははっごめんごめん」
「こんの馬鹿セレネめ!」
「カグヤ、その体で暴言吐くのも俺って言うのも禁止だって前から言ってるだろう!」
「えー…ねーさん、だっていくら体が姫さまだって中身は俺、しかもその上一般人だぞ?姫らしくだなんて絶対無理だ」
「やろうと思えば出来る筈だよ」
「やだ無理ー」
「…全くあんたは」
三人仲良く(?)会話をしているが、あたしはそれに加われない。
えー…っと、誰かたっけてー
人の話は聞いている。でもそれに加わることはできない!
何て苛立つのだろうか…ふつふつ。
- Re: 【銀魂】 記憶を探して コメ募集中! ( No.49 )
- 日時: 2012/03/24 06:13
- 名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: cMNktvkw)
- 参照: 姉さんの元のやつを分かった人は神だと思う
第十三話 「遺志と意志とを」
「…んで?何で騎士隊長である貴方たちがわざわざ地球に」
あんな感じのやり取りをたっぷり3分ほど続けた後、話をするためにと近くの喫茶店に入った。
そして、席に着いてから真面目な顔になってカグヤは言う
ねーさんに注意されて少し口調が女らしくなっている。
「中心であるあんたが連絡できなかったからと、あと様子見さ」
ねーさん(そう言えば会話の中に本名でてきてない…)は、言った。
…そういえば、鎧着ているにしてはいやにはっきりとした声。
「そんなもん、もう少し下っ端達にやらせればいいのに」
「そうも言ってられない状況になったの、ねぇ?」
「あぁ、ディアナが言ってた、最悪の状況とやらに陥っちまったみたいだからね」
「あー…おうよ。その通りだよ」
ディアナ…?最悪の状況…?
「ルナ。アンタったらよりにもよって反王室派とは何ら関係のないただの一般市民に轢かれて記憶喪失になったらしいじゃん」
ねーさんはあたしの方を向いて言う。それが最悪の状況?
と、いうかあたしは姫なんだよね?それなのにこの言い草…泣きたくなるよもう
「そりゃ記憶がないんじゃなぁ…。カグヤ、あんた一体どこまで話してあんのよ」
「うーん、自分らが入れ替わっててあんたはルナでお姫さまで…
あー、江戸に来てから次々に事件・事故に巻き込まれたのは反王室派の奴…人達がルナの命を狙って起こしたことで。…こんくらい?」
「…そりゃ、いくらなんでも少な過ぎる情報じゃないかい」
「え、そうか?」
「えぇー、じゃあルナったらあたし達の事も知らない訳?全くもう駄目じゃんそれじゃー。あんた、元の体に戻ったら絶対に吹っ飛ばしたるかんなカグヤー」
「かかってこいや、返り討ちにしてやらァ」
「はいはい、とにかく落ち着きな二人とも」
ねーさんは手を叩いて、一触即発って雰囲気の二人を鎮める。…鎧だから金属音しかしないのだけれど。
「じゃあアタイら自己紹介しなくちゃ。アタイはイオナ」
「で、あたしはセレネ。二人で月の騎士隊長やってまーす。あたし、これでも王家の血が少し流れててルナとは幼馴染?だったんだ」
幼馴染?と、?マークがついたのには少し違和感感じるけど。
…騎士隊長、ね。
「どうする、ディアナの話ではあいつんこと連れてけば元通りになるらしいけど」
また出た、ディアナって人。
「アタイに聞かれてもねぇ…本人の意思で」
「ですって、ルナ。あたし達とすればあんたに今すぐにでも記憶取り戻してもらいたいんだけど、あんたはどう思うの?」
突然あたしに話が振られる
あたし前回から一言も言葉発してないからね、ずっとこの人達三人で話進めてたからね。
『あたしは…出来るのなら、そうしたい。だって、知らないこと、分かんないことが多過ぎるわ』
「そ…う、それがあんたの答えなんだね」
「…OK。では、行こう」
セレネはそう言って立ち上がろうとする。
ピー ピー ピー
でも、そんな感じの音がかすかに聞こえ、怪訝そうな顔をしてまた席に着いた。
「あん?何だこの音」
「しぃッ!静かに」
問いかけたカグヤに答えることなく、どことなく青ざめた顔でセレネは……何かしら、これ
あ、そうよ、トランシーバー!トランシーバーを取り出して、ボタンを押した。
「…こちら、セレネ。…一体何があったの」
<セレネさま!たっ、大変なんです、ライアが…>
トランシーバーごしに聞こえる声、それと共にガヤガヤとした…泣き声?それに近いものがBGMのように小さく聞こえてくる。
数秒、声が途切れた
「ライアッ!?あいつが…どうしたのよ!早く言いなさいよ!」
セレネが、何だか泣きそうな声で言う
何故……あぁ、そうだわ。
きっと、たった一言聞いただけで彼女は分かってしまったんだ。
BGMのように聞こえる泣き声、声の主が彼女を思いやって少しでも伝えるのを先送りにしようとしていることを…。
とても焦っている、早くこのことを伝えなければ、でも伝えても良いのだろうか、どうなってしまうのだろう…
そんな感じの戸惑いを含みながらも、声は伝える
<ライアが…反王室側に、処刑されました>
- Re: 【銀魂】 記憶を探して コメ募集中! ( No.50 )
- 日時: 2012/03/24 08:02
- 名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: cMNktvkw)
- 参照: オリキャラ今何人だ?オイ
「王室側のスパイをひっとらえました」
「…入れ」
二人のゴツイ兵士に両脇を固められ、手錠をかけられた一人の男が部屋へと入る。
赤いじゅうたんが敷いてある、その先に黒い布を纏った人がいた。
その人物は深くフードをかぶり、そして表情を、顔を隠すかのように長く伸ばされた前髪で表情は全く見えない。
「お前たちは下がれ、こいつは私が処刑しよう」
連れてきた兵士を部屋から追い出し、その人物はこう告げた。
「まさか…お前があちら側のスパイだったとはな」
感情の籠っていない声
「は…ん、俺もまさかあんたが、こっち側の大将だったとは…てっきり俺らは、こんな生活に嫌気がさして地球にでも逃げたかと思っていたがな
てーか、俺のこと、とっくに知ってて泳がされてんのかとも思ってたぜ」
へらっと笑って、男は言う
「…何の話だ」
「おー、ばっくれんの?ほらほらお前のねーさんの…」
「黙れ」
ばすっ
音がして、男の足元のじゅうたんが焦げた
「…あーらら、ちょっと見ない内にキレやすくなった?それとも今だに反抗期か?」
「私はお前など知らん、その口を閉じろ。でないと今度は…」
取りだした銃を、男の頭へと狙いを定める。
「…キレやすくなったって次元じゃねェな、これは。
壊すことしか知らない、哀れな子よ」
「お前…その命、惜しくないのだな」
「おうよ、あいつの為に死ぬんなら本望。それくらいあいつを思ってんだ俺は。
どーよ?俺、あんたのいい義理の兄さんになれると思わねェ?」
「だから…お前など知らんと言っているだろう!」
人は、引き金を引こうとする。
「…撃ちたいなら撃てばいい。それ位、死ぬこと位、覚悟の上で俺はこっちに潜り込んだんだからな」
「あぁ、もちろん撃つとも。お前が、全てを吐いたらな。
お前だろう?地球に逃げたルナの現在地を特定できぬように機械をいじり情報操作したのは」
「その通り。何?聞きたいことそんだけ?」
「…あと、こちらの情報を流していただろ」
「おうよ。だってスパイだし」
数秒の沈黙
「…なぁ、あんたはどうしてこんな事を始めた。あいつがこのこと知ったら、どう思うか考えたか?」
「知らんな、そんな奴のことは。いいのか?そんな無駄口を叩いて。今のうちに辞世の句とやらでも読んだらどうだ」
「そんなこと誰がするかよ。俺まだやらなきゃいけねェ事たくさんあるんだ、死んでたまるかよ」
「お前が死にたくなかろうと、私がお前を殺すんだよ!」
「知ってるか?アクション物のヒーローとヒロインは絶対に死なないってお約束。
俺は、俺の人生っつう物語の、唯一無二の主人公だからな。だから絶対に死なないし、あいつらも死なない」
「…本当に、現実を知れ馬鹿が。そんなこと言ったって、この世に死なない奴などおるものか」
「いやいるんじゃない?不老不死の種族とかあるって。…目いっぱい同情したくなるね。
こんな世界で、永遠の時を過ごさにゃならんってェのはよ」
人物の、見えない表情が少し動いたような気がした。
「…そろそろ時間だ。あの世でお仲間さん達と待つんだな、あいつの死を」
「待つよ。でもあの世ででも、死でもない。こんな馬鹿げたことが早く収束して、平和なあいつと共に歩む未来を」
また、にへらっと男は笑う。
そして
ばすっ どさり
発砲した音、何かが倒れる音。
撃ったのは、倒れたのは…はたして、どちらだろう
- Re: 【銀魂】 記憶を探して コメ募集中! ( No.51 )
- 日時: 2012/03/25 07:34
- 名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: rDVGHAHA)
- 参照: オリキャラ今何人だ?オイ
またもやお知らせ!
もう面倒なので名前はそのまんま、本人ので。
「何だ?また何かあんのかよ」
面倒くさそうな顔をする月姫
『えぇ、今度は祝・50コメですって』
「まぁ…、めでたいんじゃないですか?」
「そうかァ?…ってかよ、今回もこの面子な訳」
『そうみたい。だって、沙夜華や誠や友香とかも出したって良いけど、水城兄妹とカグヤって面識ないからさぁー…』
「設定上は、水城兄妹は江戸に来てから出会ったので。入れ替わったのは江戸に来る前だから…という訳です」
「んじゃ沙夜華は?」
『暴走しそうだから。ただでさえまとまんない、このお知らせが崩壊するわ』
ってなわけで。
「じゃー何する訳?前回はお礼みたいなの言って解散だったけど」
『…それが、決まってないのよね』
「はぁ?」
呆れたような月姫
『だって…本編何かシリアスなムードになったじゃない、ここで番外編って言うのもどうかと思うし』
「それも…そうだな」
「それに、せっかく集まったんですし、何かしましょうよ。前回みたいの詰まらないです」
『そうよねぇー…』
「決まらないままぐだぐだ話しててもつまらんだろが。んじゃこうしねェ?」
「『え?』」
「この小説についての裏話的なの、暴露しちまおう。さっき2人言ってたろ?設定上俺と水城兄妹は出会ってないから出す訳にはいかないって」
『えぇ、言ったけれど』
「そんな感じのこと、暴露しちゃおうぜ。良い機会だし」
「そんなんでいいんですかねー…?」
『うーん、良いんじゃない?あたし達はあたし達の道を行くのよ』
ひょんな月姫の提案から、暴露大会になってしまいました。
『あー…そうだわ、この小説ってオリキャラが異常に多く出てくるのよね』
「今、名前だけでてきたのキャラも含めれば10…20も超えるかもしれませんね」
「んでもって原作キャラとの絡みがほとんどないよな。この先、作者が考えてるような展開になると更になくなる」
「ルナさん目線の話だと、原作キャラで名前知らない人は黒髪の人ーとかいう風になりますから、分かりずらいですし」
「それによ、俺と銀時達との関係も全く本編で触れてねェよな」
『そんなこといっても、それはここで話していいのかしら』
「いや、やめとく」
「この小説の主人公は、一応ルナさんということになっています」
「あぁ?じゃあ俺は何なんだよ」
『今の所あたし以外で、よく出てくるキャラは準主人公みたいな?
一度っきりとか、そんなキャラはもう作者から忘れられてるから、これから先出てくる望みはありません』
「何で俺が主人公じゃないんだよー」
「今は本編はルナさん目線の話で進んでいます。少し前、一話だけ私目線の話が入って、番外編が沙夜華さん目線で」
『仮にも主人公って言うなら、カグヤ目線の話もなくちゃね』
「じゃあ書けよ!俺目線の話を!」
「書くとしたら、別にスレ立てて書くつもりですって。ここに書くと時間軸とかめちゃくちゃになるから、だそうよ」
「は、またスレ立てるのか!?」
『多分ね。でもそうするのはこの話完結する前らしいから安心して』
「当ったり前だろうが!!万が一完結しちまったら、改めて俺目線で書く理由なくなっちまうだろ!」
「そうですか?完結って言っても、まだ謎を残したままにしておいて月姫さん目線を読めば、それが分かるような仕組みにするとか」
「この話に謎って言うほどの謎があんのかよ」
『さぁ?本編のあたしには分からないことだらけよ』
「ひいふうみい…今ざっとでてきたオリキャラの数を数えてみましたら、14人。
もしかしたら忘れてるキャラもいるかもしれないので、もっといるかも…」
「14人も…それに、下手するとこれから何人かまた増える」
『名前しか出てきていない、詳しいことが何も分かっていない、でてきたばっかりのキャラ…そういうのも入れて、よ』
「こんなに居たら、原作キャラが出ない訳ですね」
「オリキャラだけで話進められんじゃん、実際今そうじゃん」
『この先どうなっちゃうのかしらねぇー…』
「行き当たりばったりなご都合主義で、しかも矛盾点、誤字脱字も多い」
「作者の書く小説はまだ一個も完結していない」
『書いてる本人でさえ、これまでもこの先の展開も良く分かっていないのに、着いて来れてる人いるのかしら?』
「…と、まあ問題点だらけのこんな駄小説ですが」
「これから先も、なにとぞお願いいたします」
一同、ぺこりと礼。
- Re: 【銀魂】 記憶を探して コメ募集中! ( No.52 )
- 日時: 2012/03/26 16:35
- 名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: MZzPNaWS)
- 参照: きょうだいキャラ多い…
第十四話 「決断を」
<カグヤ目線>
「……あの、馬鹿が。あいつ…よりによってあたしの…!……許せない」
あの、トランシーバーでの連絡のあと。
あいつが死んだ、それ伝えた後すぐにトランシーバーから何も音がしなくなり…多分、燃料切れ。
セレネはずっと…泣きはしなかったが、ぶつぶつ上のようなこと言ってて。今は、そっとしておかねば。
ねーさんは気を使ってかルナに、星でのこととか、ルナがどんな奴だったかとか、そんな話をしている。
俺は、正直どうすればいいか分からなかった。
はじまりは巻き込まれただけだが…事実を知って、お人好しな俺は自分の意思で協力してんだ。
敵の…反王室側も、本気でルナを殺そうと、王家の血の流れる者を殺そうとしている。
今まで俺、ルナと入れ替わったって俺は俺なんだもの、王さま…つまり、今の俺の父親、
そいつが死んだって聞かされたって少しも悲しくなんかなかった。
だって俺にとっちゃただの他人、言っちまえば顔も見たことも無かったんだから。
昔俺がいた戦場、あそこより、見方によっちゃこっちの方が悲惨だよ
だって…これ、今のルナは知らないだろうな。なになに派何とか派って分かれて、殺し合いだのの繰り広げてんのは一部の奴らだけ。
他の大部分のあの星の住民は、何一つ知らない。
何一つ知らない、その裏ではどんなに悲惨な仲間割れが起こっているか。何一つ知らされず。
でもそんな状態いつまでも続かないだろう。いつか人々は知り…その悲惨さに目を覆い、そして怒る。
果たしてその矛先は……どっちに向かう?
こっち側か、あちら側か、はてさて両方か。
その時にはきっと記憶を取り戻しているであろうルナは…どうするか。
これも、今のルナは知らないけど、俺とルナは記憶なくす前、入れ替わる前に一度顔合わしたことがあった。
一目見て俺は、意志が強そうな女だと思った。そして事実その通りだった。
前と今とじゃ、全然違った性格。これは…環境がそうさせるのだろうな。
平和ボケした今とは違う…さまざまな思いがこもった、とても強い瞳。俺を真っ直ぐ見据えて、あいつはこう言った。
『巻き込んでしまって本当にごめんなさい。でも、あたし達には必要なの、あなたの協力が』
これ聞いた時の俺、まだこの事態のこと何にも知らされていなかった、…だけど
あんな瞳で見られたら、お願いされたら…目いっぱいお人好しな俺、落ちちまった。
……惚れちまったのかもな、あんなあいつに。
昔っから俺の周りには、あんな強い女いなかったし。
人に気を使いまくって…あいつ俺のこと爆発的に、破滅的に優しいって言ったけどお前はその上を行く、優しい奴。
言っちまえば俺って身代わりだったんだよね、入れ替わったのは。
でも、それだけの使い捨ての駒である筈の俺に、あいつ色々と良くしてくれて。
お人好しで優しくって、んでもって義理がたい。こんな月姫さんとしては、この借り、返さなゃならんだろ?
「ふわぁ…あ」
眠いのか、それとも俺にしちゃ珍しく長々と色々な事考えていたからか、あくびが出る。
それで今までくるくると実によく回転してた頭、思考停止。あーあ、暇。
今まで何考えてたんだっけ…ふわぁ…ま、いっか。
『眠いの?カグヤ。コーヒーでも頼んだら?』
「おー…そうするわ」
そうだ、ここは喫茶店。
でも席に座るなり俺が話しだしちまって、ぐだぐだ話して、んであの連絡。だれも何も頼んでない。
これじゃ、あまりにお店に申し訳ないよな。というわけで、俺は眠気覚ましにブラックコーヒー頼む。
『え、この時期にアイス?寒くならない?』
「いいんだよ、俺猫舌だし」
こういうと、くすっと笑みを零すルナ。…ほんっと、女らしい奴。
『かっわいいわ、カグヤのそういうところ』
「へっ?」
『ふふん、確かにあなたって猫みたいだわ。ぴったりね』
「そ…そうか?」
驚愕。こんな性格してて、かわいいって言われるの初めてかもしれん。
「確かに、気まぐれで次に何しだすか全く分かんないんだ、本当に猫みたい」
『でしょう?』
あ…ああ、二人の話、一段落ついたのか。
で、で……セレネは?
チラリと視線を送る。…と、もう大丈夫そうだな
呪いの呪文みたいなつぶやきもやんでるし、OK
「あー…んで、俺は……俺ら、これからどうすればいい訳?」
目の前の問題、一つ一つ片付けていかなくちゃな
あんまり認めたくないけど…惚れた女の為に、よ。
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