二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ワンピースとフェアリーテイル!!【2】
- 日時: 2011/12/28 21:52
- 名前: レアンドロ (ID: Fbf8udBF)
交わることの無い世界が混じるとき、世界はどうなるのでしょうか?海賊王を夢見る男とドラゴンの父親を探す男が出会った、らどうなるのでしょうか?
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- 第1話麦わら海賊団 ( No.1 )
- 日時: 2011/12/28 21:56
- 名前: レアンドロ (ID: Fbf8udBF)
この世界にはいくつものパラレルワールド同時に存在する。
それは、関わることが決してないのだ。
無いはずなどだけれども…
ある世界とある世界がとても近くなってしまったのだ。
片方の世界は、海賊王のたった一言によって始まった大海賊時代
海賊達が荒れ狂う海を進む世界
片方の世界は、さまざまな魔法ギルドの存在する魔法ギルド時代
魔法使いが己の技量を磨く世界
双方の時は重なって、海賊と魔法使いが出会う……——————————————。
*:*:*:*:*:*:*
「ひ〜ま〜だ〜な〜」
麦わら帽子を被ったその海賊船の船長
モンキー・D・ルフィは『サウザントサニー号』の船首に座って嘆いた。
「暇でいいじゃねか、釣りでもやろうぜルフィ」
「やろうルフィ!!」
長い鼻とゴーグルが目印のウソップは釣り竿を振って見せる
その横をちょこちょこ歩くのは七段変形面白トナカイのチョッパーだ。
ルフィは釣り竿を見るとふぅとため息を吐き
「ひ〜ま〜だ〜な〜」
と言った
それに対してウソップはオイッ!とつっこんだ。
「んロービンちゃーーん!特製紅茶入れたよーー!!」
黄色い髪と素敵マユゲの恋するコックサンジは、紅茶を片手にラブハリケーンをひきつれてやって来た。
甲板にイスとテーブルを置き本を読んでいた考古学者ロビンは、本から顔を上げ微笑んだ。
「さぁどうぞ、マドマーゼル」
サンジはカップをロビンにさしだした。
ロビンは紅茶を一口飲むともう一度微笑んだ。
「おいしいわ」
その一言にサンジは雄たけびを上げた。
「生きててよかったぁぁ!!」
その声に近くでバーベルを上げ下げするマリモ大剣豪のゾロは顔をしかめた。
「うるせえよ、ダーツマユゲが」
小声で言ったにもかかわらず、サンジはそれに応戦した。
「なんだと?マリモヘッド!」
「うるせぇって言ってんだよ!」
いつもの事ながらこの二人には、呆れてしまう。
「ヨホホ、楽しそうですね!」
そこに現れたのは、死んで骨だけ音楽家ことブルックだった。
「あ、ロビンさん今日もお綺麗で!パンツ見せてもらってもよろしいでしょうか?」
「アホかぁぁぁ!!」
ブルックのセクハラ発言にすばやく反応したのは、好きなものはお金とみかん凄腕航海士のナミ。
ブルックの頭にすばらしく綺麗なフォームでチョップをお見舞いした。
「ヨ、ヨホホホ…骨身にしみました。骨だけに!!スカルジョーク!」
ボーンという効果音がありそうなことをタンコブ作って笑う笑う。
「アウッ!ナミ、進路はこっちで、だいしょーぶなんだろうな!」
変な踊りを踊りながら甲板に姿を現した34イヤーズオールド海パンいっちょの変体船大工フランキーだった。
進路とは、この偉大なる航路を島から島へ航海するための唯一の手段、ログポースの確認のことだ。
ログポースがなければ偉大なる航路を航海することは、まず不可能だ。
「うん、さっき確認し…あぁぁぁぁあああああ!!!!」
ナミはログポースを見て絶叫した。
この麦わら海賊団のトラブルは、たいてい誰かの叫び声で始まる。
「いったいどうしたの」
ロビンは冷静にナミにログポースを見せてもらう。
「なんでこんな…ログポースが壊れちゃったの?!」
ナミはあまりのことに動揺している。
なぜなら、ログポースの指針が一点を指さずにぐるぐると回り続けているのだ。
ログポースはこの脅威の海偉大なる航路の唯一の指針
これが無いのは崖の上から紐をつけずに飛び降りるのと同じだ。
そのログポースが壊れてしまうことは一大事なのである。
「どうしようロビン!」
ナミはロビンに助けを求める。
ロビンは以前ログポースが上を指し続けて一行を迷わせたとき空島の存在を主張した
その結果ログに従い、空島に行き着くことができた。
「…分からないわ、でもナミこの偉大なる航路ではログポースだけが頼りなのよ。
あなたも偉大なる航路に入ったときに知ったと思うけど、この海では波も空も天候も何一つ信じてはいけない。
信じていいのは、ログポースだけ。逆に言えばログポース以外は信じてはだめ。ログポースには絶対の信頼を寄せないといけないわ」
「わかってるわよ…」
ナミは口を尖らせて言った。
「ということはおれ達、ここを動けないってことか?」
ウソップが釣りをしながら後ろを向きナミに質問した
ナミはコクンと力なく頷いた。
「動けない…もしかしたら、その状態は動くなと言っているのかしら…」
ロビンの立てた推測はかなり的を射ている気がするが、真実はやはり分からない。
それでもこの麦わら海賊団がパニックに陥らないのは、やはりナミという航海士に絶対的な信頼があるからだろう。
もちろん我らがキャプテンであるルフィの存在も大きい。
「まぁ、なんとかなるだろ。楽に行こう!」
というより、キャプテンがこんなんだから船員も滅多なことでは慌てないのだろう。
ログポースが方向を指さないというのは大変な事なのだけれど……。
みんな特に変わりなくおもいおもいにすごしていると(ナミだけは何度も何度もログポースを振ったり叩いたりしている)
突然濃い霧が発生した。みんな驚いたが特に驚いていたのは、ナミだった。
ナミは天候や気圧の変化に敏感だ。
前兆の無い風と知られる偉大なる航路のハリケーンの発生を予測したり、高波を予想した進路に変更したりなど
空と海に関わる自然現象は体で感じるのだ。
そのナミがこんな濃い霧の発生を予想できなかったのは、ありえないことだった。
「いったい何なのよ…!」
ナミは泣き出しそうになりながら見えない空を仰いだ……————————————。
- 第二話フェアリーテイル ( No.2 )
- 日時: 2011/12/28 21:58
- 名前: レアンドロ (ID: Fbf8udBF)
ここは、港町ハルジオンにある
魔法ギルドフェアリーテイルの仕事場兼酒場だ。
あちこちで、フェアリーテイルの魔道師がお酒を飲んだり魔法を練習したりしている。
「ナツー仕事行こうよ〜」
フェアリーテイルの新人ルーシィは哀れっぽく言う。
「ひ〜ま〜だ〜な〜」
ルーシィの声に桜色の髪にドラゴンの鱗で出来ているマフラーをした
ナツ・ドラゴニルは答えずに長テーブルに突っ伏したまま言う。
「暇なら仕事ぉ」
ルーシィの声に答えたのは、赤いスカーフを巻いた青い猫
ハッピーだった。
「今のナツに何言ってもだめだよ。今日はやる気がないんだ」
ハッピーの言葉にルーシィはプクっと頬を膨らます。
「まぁ、いいじゃないか休むのも大事なことだ」
ルーシィの肩に手を置き微笑むのは、いつでも鎧に身を包んだ女魔法戦士エルザだ。
「エルザぁ、でも今月の家賃が」
「私が貸してやる」
エルザの救いの言葉にルーシィは感謝感激と言わんばかりにエルザに抱きつく
「ありがとーーーー!!今度ケーキ1ホールおごるね!!」
ガシャ、ガシャと鎧が音を立てる。その音に敏感に反応したのはナツだった。
「エェェェルゥゥゥザァァァ!今日こそ決着つけるぞぉぉぉぉ!!」
いきなり立ち上がり、ありったけの叫び声を出す。
エルザはやれやれと首を横に振る。ルーシィを引き離しナツにため息を漏らす。
「ナツ…いい加減にしてくれ。今日は疲れてるんだ」
かまうものかとナツは腕をぶんぶん回している。
「やめとけ、やめとけお前じゃ勝てないって」
一人で盛り上がっているナツに水を差したのは変態魔道師グレイ
何が変態かというと…
「グレイ服着なよ〜」
ハッピーの指摘で、やっとパンツ以外の衣服を身に着けていないと気がつくグレイ。
「ぬおぅ!!」
グレイは無意識に服を脱ぐ癖があるのだ。それゆえ変態。
「グレイ!今なんつった!!」
ナツがワンテンポ遅く反応する。
「おっそ!」
「あい」
ルーシィとハッピーがすかさず突っ込んだ。
わーわーぎゃーぎゃーとナツとグレイの口喧嘩が始まる。
ひどくなる事はまず無いが、もしもの時はエルザが制裁を加えるから安心だ。
「ただいまぁ」
フェアリーテイルの看板娘ミラジェーンが元気よく帰ってきた。
「あ、ミラさん!どこに行ってたんですか?」
ルーシィはミラジェーンを見て嬉しそうに声を上げる。
「ちょっと港にね。そう、港大変なことになってたわよ」
エルザに詳しく説明するミラジェーン
「霧?そんなに濃いのか?」
こくんと頷く
「1M先が見えないのよ。行って調べてくれないかしら?」
エルザは了解したとナツたちに呼びかける。
「みんなついてきてくれないか?」
ナツ、グレイ、ルーシィ、ハッピーはエルザにハーイと返事をした。
- 第三話猫、霧を行く ( No.3 )
- 日時: 2011/12/28 21:59
- 名前: レアンドロ (ID: Fbf8udBF)
「これは…異常だな」
エルザが誰に言うでもなく呟く。
港に着いたエルザたちは、その霧の濃さに驚き戸惑う。
「これでは、漁に出た船が帰ってこられない…」
霧の濃いことも驚きの一つだが、海と陸でキッチリと霧が分かれていることも驚きの一つだろう。
これはなにかの魔法だろうと思わざるえない。
「ねぇ、エルザこのロープをハッピーに結んで霧の中を見てきてもらえば?」
ルーシィはロープを掲げてエルザに問う
エルザは数秒黙ると、その手があったか…とハッピーを見る
「ハッピー頼めるか?」
エルザの頼みにハッピーは
「あいさー!!」
と元気よく答えた。その瞬間ポンッという音と共にハッピーの背中に真っ白な羽が現れる。
飛行魔法翼だ。
ロープをルーシィに結んでもらうと「行ってくる!」とあっという間に霧のなかに消えた。
*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・
麦わらの一味は相変わらず霧の中から動けずにいた。
「なんだか…デジャビだな」
ウソップは釣り糸をまだ海に垂らしながら言った。
「カルーをえさに釣りしてたらさ…」
その話か〜とルフィは嬉しそうに笑う。
「そうそう!こんな霧の中でな!」
「そう…釣り糸が重くなって…お…重くなって…」
ウソップの声色が変わったことに気づかずルフィはなおも嬉しそうに話す。
「ぼんちゃんが釣れたんだよなぁ」
マネマネの実を食べたおかまのミスターボンクレーことぼんちゃんに出会ったのも霧のなかだったのだ。
「元気かなぁぁ」
「お、おいルフィ…」
「なんだ?」
ウソップは驚き戸惑いながら釣り糸を引き上げる。
「ね」
「?」
「猫が…釣れた」
ごーんと効果音が鳴った気がしたが…そこは気にしないでおこう。
釣り糸に絡まっていたのは青色の羽の生えた猫だった。
「うわ、なにこの子!かわいい〜」
ナミが釣り糸から猫を外すと猫を抱きしめた。
「こいつ、食えるかな?」
ルフィが言うとナミがゲンコツを与える
「食うな!!!!」
そんなやりとりをしている間にロビンが興味深そうに猫の羽を観察してる。
「こんな生物が居るということは島が近いのね…この霧はもしかしたら島の気候海域に入ったからかもしれないわね」
霧に関しては説明がつくものの、やはりログポースの異状はわからない。
「うんぅ」
猫がうなり声を上げる、目を覚ましたようだ。
猫の視界に最初に入ってきたのは、海賊旗だった。
「ひぃぃ?!」
その海賊旗が猫のことを睨んだように見えたから、猫は叫び声を上げながら飛び上がった。
「か、か、か!!!」
訳も分からず飛び回ったせいで、猫は運の悪いことに昼寝をしていたゾロの顔にぶつかってしまった。
「なんだぁ…てめぇ」
ただでさえ目つきが悪いのに寝起きで機嫌が悪くさらに目つきが悪くなっていたゾロ。
その目で睨まれたらメデューサも真っ青だろう。
「海賊だぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!」
我慢できずに猫は叫びまた飛び上がる。
あべこべに飛んだ末にナミの胸に飛び込む。
「ルーシィ!!助けて〜」
情けない声を上げすすり泣く猫。
「ルーシィ?私はナミよ猫ちゃん」
「うそだぁ!この胸はルーシィだよ」
さりげないセクハラ発言にナミは思わず…
「アホか!!!!!」
と猫を…ハッピーを甲板に叩きつけてしまった。
*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*
「戻ってこないね」
ルーシィは霧を見つめて呟く。
「うむ…ルーシィ、紐をひぱって、みてくれないか?」
ハッピーの帰りが遅かったとき紐を引いて無理矢理引き戻すことになっている。
「うん…」
クルクルと紐を引くと妙に手ごたえが無い。
ルーシィは嫌な予感を抱きつつ、紐を回収し続けた。
そして…
「エルザぁぁ」
ルーシィが情けない声を出す。
今の今まで霧を見ていたエルザは何事かとルーシィを見る。
「まさか…!」
ルーシィの持ち上げた紐にはハッピーはついていなかった。
「?!!!!」
ナツは声も出せないほど驚き霧を見た。
そして、海に飛び込もうとした。
「待てナツ!霧の原因がわかって無いのに飛び込む奴があるか!!」
ナツの腰に手を回しナツの勢いを抑えたのはグレイだった。
「ハッピーーーーーー!!」
グレイから逃れようともがくナツ。
霧に響く声に『あい!』という返事は無い。
ようやくナツが落ち着き座り込む。
グレイはナツから離れ、はぁとため息をついた。
「どうなってんだよ」
- 第四話猫と海賊と火竜 ( No.4 )
- 日時: 2011/12/28 22:00
- 名前: レアンドロ (ID: Fbf8udBF)
「へぇ、おまえ喋れるのか〜」
ハッピーのほっぺを伸ばしながら感心するウソップ
「うあい。おひらハッピーれす、ほっぺはらしてくらはい」
ウソップはハッピーから手を離す。
「ヒリヒリする」
ほっぺをさすりながら呟く。
チョッパーはハッピーをじーーと見ながら言った
「おまえもヒトヒトの実食ったのか?」
「ヒトヒ?なにそれ?」
ハッピーは首を傾げる。
チョッパーはさらに質問をする。
「じゃあ、何で喋れるんだ!」
なんで?ハッピーも思わず考え込む。
生まれてから一度も疑問に思ったことが無かったのだ。
数秒黙った後ハッピーは、
「わかんないです」
チョッパーはなんだぁというようにため息をつく。
もしかしたら、同じヒトヒトの実の能力者かと思ったのだろう。
「ねぇ、え、と…ハッピーちゃんだっけ?」
「あい、ハッピーでいいです」
ナミはハッピーのためにしゃがむ。
「この近くに島はある?」
その質問にハッピーはやすやす答えた。
「うん、ハルジオンの港がすぐ近くにあるよ!」
「やっぱり、この霧は気候海域に入ったからなのね」
ロビンが言うとハッピーが首を横に振った。
「ちがうよ、この霧はさっき出たんだ。おいらそれを調べに来たんだ!」
はっとハッピーは自分の体に結ばれたロープを思い出した。
ロープを見ると、途中でプッツリ切れていた。
「ああ!これじゃ、おいら帰れないよ!」
しょぼーんと耳をへたれさせる。
「あら?私たちの船に乗っていけば、いいじゃない」
ロビンに言われそれだ!!というように指を指す。
「フフフ」
笑ってるロビンをよそにルフィがハッピーに突拍子も無いことを言った。
「お前おもしろいなぁ。おれたちの仲間になれよー」
「あんたはまたバカなことを」
やれやれ、とナミがため息をつく。
ハッピーは困ったような顔になる。
「おいらはフェアリイテイルの仲間だから、海賊にはならないよ」
「「「「フェアリイテイル?」」」」
近くで話を聞いていた者全員が首を傾げる。
「あい!!フェアリーテイルは最高のギルドだよ!」
嬉しそうに笑うハッピー。
「ぎるどぉう?」
ルフィがまたまた首を傾げる。
それにナミは答えた。
「ギルドっていうのは、同じ目的を持った人達が集まって仕事をするところよ」
「あーなるほどぉ」
手のひらに拳をぽんっとおく。
「そこにお前の仲間がいんのか?」
ウソップがたずねると、さらに嬉しそうに
「あい!ナツにグレイ、ルーシィにエルザ。ミラもエルフマンもみんな仲間だよ!」
と答えた。
そこにサンジの声が響く。
「ナミさーん!霧が晴れてきたぞ!」
その報告にナミは嬉しくなった。
「ほんと?!よかったー」
数分もすると先が見えてきた。
「ハルジオンの港だよ!」
ハッピーも安心して思わず叫ぶ。
ナミはそういえば…とハッピーを見る。
「わたしたち、海賊が港に船なんて停めていいのかしら?」
ハッピーはすぐさま答えた。
「おいらがマスターに言うからたぶん大丈夫だよ」
ナミはひとまず胸を下ろした。
*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*
「霧が…」
難しい顔でエルザが霧を見ていると、霧がだんだんと薄れてきた。
「グレイ…あれって!」
それにいち早く気づいたのはルーシィだった。
黒い旗に麦わら帽子を被った骸骨。
それは、死を意味する海賊の旗ジョリーロジャー(・・・・・・・・)だった。
「海賊…だと?!」
グレイの言葉にナツが反応した。
「海賊?ハッピーはあいつらに!?」
ナツは立ち上がると、走り出した。
「まて!ナツ!!」
エルザが止めようとするが、すでに桟橋を全力疾走していた。
船はナツが本気を出せばすぐに跳びつける距離にあった。
ハッピーが船から外を見ているとナツが走っていた。
「あ!ナツーーー」
ハッピーが呼びかけると何を勘違いしたのかこの男は
「ハッピー!今助けてやる!!」
と叫び船に跳び乗ってきた。
「うわ!なんだ?!」
ルフィが驚く暇も無くナツが殴りかかってきた。
「おらぁ!!」
しかし、ルフィは腕を伸ばし…数十M先に伸ばし(・・・)避けた。
「な、なんだよこいつ!」
「火竜の…」
マストに摑まっているルフィに向かってナツは
「咆哮!!!」
火を吐いた。
そう、火を(・・)。
「な、なんだぁあれ!火?!」
また慌てて別の場所に腕を伸ばし戻して避ける。
「おまえ、能力者か?!」
「知るか!!ハッピーを返せ!」
ルフィの声に聞く耳を持たないナツ。
「がぁぁ!」
「うわっつ!」
まともに顔面を殴られるルフィ。
まぁ、痛くは無いのだが。
「くそ!なんなんだよおまえ!」
ナツは腕に体に炎をまとい大技を出すであろう姿勢をつくる。
ルフィも同じく戦闘体勢をとった。
「火竜の…」
「ゴムゴムの…」
このままでは、まずいとナミが飛び出す。
そして、
「やめんか!!!!」
と両者の頭にこぶしを叩きつけた。
- 第五話悪魔の実と魔法 ( No.5 )
- 日時: 2011/12/28 22:07
- 名前: レアンドロ (ID: Fbf8udBF)
「がぁ?!」
「ぬぉ?!」
二人は声を上げ甲板に倒れる。
「これ以上、船の上で暴れるな!!!」
拳をプルプルさせながら、ナミは二人に怒声を上げる。
「え、船?」
そう呟くと、ナツの顔色がサーと青くなる。
「うぐ…きもち…わる…」
パシッと両手を口に当て、いかにも気持ち悪そうにするナツ。
「ナミ!こいつがケンカ売ってきたんだぞ!」
ルフィが断固講義の声を上げるとナミは
「うっさいわね」
と氷の女王顔負けの冷たい瞳を投げた。
「すいません」
ルフィはタンコブのできた頭をおとなしく下げる。
さすがナミ。
「ナツ!なにをしているんだ!」
声と共にエルザが甲板に乗ってきた。
「おぉう…えるぅざ、ひゃっぴーが…」
本格的にやばそうなナツにエルザは
「ふんっ!」
と腹にパンチ。
ガクッとナツは気絶する。
「これで楽になるだろう…」
誰に言うわけでもなく呟くと、空中から剣を取り出し片手に握る。
エルザの魔法である騎士だ。
そして、その剣先をナミに向ける。
「ナツを止めてくれたことには感謝する。だが、おまえ達は海賊だ。
なにが目的だ?事の次第によっては…」
ナミは手を上げ思わず肩をすぼめる。
「わ、わたしたちは…」
ナミとエルザの間にハッピーが割って入った。
「エルザ!この人達はいい人だよ」
普段エルザに反抗に的話しかけることが滅多にないハッピー
にエルザは面食らった。
「おいらを助けてくれたし、それにエルザには分かると思うよ!」
エルザはナミを見た。その目はまっすぐで曇りが無い。
ルフィも同様だった。
悪人がこんな目をしているか?
否
「…どうやらわたしが、間違っていたようだな」
エルザは剣を下ろし消した。ハッピーはホッと息を吐いた。
*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*
「では、おまえ達はその、ログポースをたよりに偉大な航路を旅する海賊なのだな?」
ナミは頷く。
「そして、あなた達は魔法を使える魔道士ギルドのメンバーなのね?」
今度は、エルザが頷いた。
「わたしたちは、別世界に来た…ということになるのかしら?」
ロビンが言うとエルザは困惑したように言った。
「にわかには信じがたい話だ…」
真剣に話し込む三人をよそに楽しそうに笑い声を上げている奴らがいた。
「「すげーーー!」」
ルフィがほっぺをありえない長さに伸ばすのを見て感動の声を上げるナツとハッピー
船を下りたので急に元気になったのだ。
「シシシシ!すげーだろ」
ルフィはビヨンビヨンとあちこち伸ばしてみせる。
「それが悪魔の実ってやつの能力か?」
グレイは興味深そうに言った。
「おれはゴムゴムの実を食べた全身ゴムのゴム人間なんだ」
「そのかわり、海に嫌われて一生泳げなくなるんだな」
ウソップがルフィの説明に備考を加える。
「おれも能力者だぞ!」
チョッパーがピョンピョン跳ねながら言った。
「しゃべるたぬき?!」
ルーシィが言うと
「おれはたぬきじゃねぇ!トナカイだ!!」
とチョッパーが怒鳴った。
その弾みで、おもわず人型になってしまう。
「うわ?!」
「おお!!」
チョッパーはシュルシュルと元のたぬき型に戻る。
「おれは、ヒトヒトの実を食べた人間トナカイなんだ!」
なにが威張れることなのか分からないがエッヘンと胸をそらすチョッパー。
「おや?皆さん楽しそうですね」
船の上から、ブルックが見下ろす。
「おばけぇ?!」
「ガイコツだ!!」
まぁ、驚くのも無理は無い。
ブルックは死んで骨だけなのだから。
「ヨホホ!」
タンッと船から飛び降りる。
「可愛らしいお嬢さんが…お名前は?」
ルーシィにズズっと近づく。
「ル、ルーシィです…」
口をパクパクさせながら言う。
何度も言うようだが、死んで骨だけなのだ。怖いのは当たり前。
「ルーシィさんですか。すいませんパンツ見せてもらってよろしいでしょうか?」
「よろしくないわよ!」
ガンっ!とルーシィはブルックの頭にチョップを入れる。
「おいおい…どんな理由でガイコツが喋ってアフロなんだ?」
万国ビックリ人間ショーか…とグレイがため息をつく。
「わたくし、ヨミヨミの実を食べたよみがえり人間なのです!」
ヨホホと笑うと紳士的に礼をした。
「…アフロは、なんで?」
グレイが言うと
「あ、わたし毛根強かったんです!」
ときっぱり。
「おまえ等は魔法が使えんだろ?見せてくれねーか?」
ウソップが言うとナツはすかさず腕に炎をまとって見せた。
「見れば見るほど、エースに似てるなぁ…」
ルフィが不思議そうに炎を見た。
「これは、滅竜魔法っていう、自分の体を竜の体質に変化させる太古の魔法なんだ!」
ハッピーはまるで自分のことのように自慢げに説明する。
「ハッピーの羽も魔法なんだ」
ナツはハッピーの羽を掴んで見せる。
「あい!」
逆さま宙ぶらりんのハッピーは元気に叫んだ。
「グレイは?」
ルフィの一言にいっせいに視線がグレイに集まる。
「オレのはたいした魔法じゃねぇよ」
そう言いながら、手のひらに拳を乗せた。
そして、その拳を開いた中には麦わら帽子を被ったドクロの氷の彫刻があった。
「氷の造形魔法だ。これより、ルーシィの魔法のほうがすげぇと思うけどな」
ルーシィはビックリしてグレイを見た。
その目はそんな無茶振りしないでよ!と言っていた。
でも順番に魔法を見せているのだから自分も見せないと…とスカートにつけていた鍵束の中の一本を取り出した。
「わたしの魔法は…」
ルーシィは一息おくと唱えた。
「開け!子犬座の扉!!」
ルーシィの掲げている金色の鍵が光りだす。
「プルー!!」
そう叫ぶと強い光が溢れた。
そして光が止むとそこには、雪だるまみたいな白い
黄色い尖った鼻のある生物が居た。
「な、なんだこいつ…」
ウソップが困惑して呟く。
「プーン!」
謎の生物は
謎の声を出してないた。
「このこは、子犬座のプルー。わたしは星霊魔道士なの!」
ウソップはプルーを抱き上げた。
「い、犬?!すっげー振るえてんだけど…」
「プーン」
プルーは鳴くと、その尖った鼻をサクッとウソップの眉間に刺した。
「ぎゃぁぁぁあ!!」
思わずプルーを放り投げる。
「強制閉門!」
宙に浮いたプルーはルーシィの一言で、ポンッと消えた。
ウソップはまだぎゃああと叫んでいた。
その横でチョッパーが、「医者〜〜!あ、おれかぁぁぁ!!」
と叫んでいた。
あまりの五月蝿さに、真剣に話していたナミは、
「うるさい!!!」
と怒声を上げた。
みんな、パッと口に手を当ててもう喋りませんポーズをアピール。
「話し合った結果、一度フェアリーテイルに戻ることになった。もちろん全員で」
エルザが言うとナツは満面の笑みを見せた。
「よーし!さっそく行こうぜ!」
「あい!!」
立ち上がり、今にも駆け出しそうなナツ。
「シシシ!おんもしろそーだな!」
ルフィも笑う。
「じゃあ、わたしサンジ君たちに船番頼んでくる」
ナミはサニー号に声を上げた。
そして、海賊と魔道士一行はフェアリーテイルへと
向かった。
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