二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 巻層雲と影法師と【銀魂】
- 日時: 2012/01/21 21:54
- 名前: 月ノ乱舞 (ID: /jPQBODi)
聞き慣れてしまった下手くそな縦笛の音色は子供らの騒ぎ声に掻き消された。町は鮮やかに彩られ、今宵の夜も栄える。
巻層雲に隠された月は私の影法師を淡く黄金色に映し出していた。
私の分身が、私の影法師が私を呑み込んで行く。
薄れ行く意識の中で誰かの馬鹿みたい、と言う声が聞こえた気がした。
【大体オリ話、時々原作沿い。先に言っておきますが、駄作です。只の自己満足ですので、それでも「仕方ねぇから読んでやるか」という心お優しい方は本編へ。コメント等お待ちしてます。】
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- Re: 巻層雲と影法師と【銀魂】 ( No.2 )
- 日時: 2012/01/22 20:06
- 名前: 月ノ乱舞 (ID: /jPQBODi)
物静かな路地裏には灯りは一つも無い。辺りが騒がしくなってきたと思えば、此方へ走り寄る一つの影が私を押さえつけた。
「よ、寄るな!このお嬢ちゃんの頭が飛ぶことになるぞ」
「人質を解放しろ!おっかさんが泣いてるぞ!」
あまり状況を把握出来ないが、私を押さえつけている男は真選組に追われている悪党なのだろう。それにしても、あのゴリラは古臭い台詞を長々と。そりゃあ、悪党も抵抗するよねー。けど、私をナメテもらっちゃあ困る。
私が男の股間に蹴りを入れ、振り向き様に顔面を殴ると男は後ろ向きに倒れてしまった。背中越しに真選組隊員達の冷やかな視線を感じた。
【人生山有り谷有りって言うけど多すぎる】
「えー、この度は犯人逮捕にご協力有り難う御座いました。少々お話を伺いたいのですが……」
そんな訳で、目の前にはゴリラ、ではなく局長の近藤さんと、くわえ煙草の瞳孔が開いた土方さん、可愛らしい顔をした沖田さん、オドオドしている山崎さんの4人が並んで座っている。
「名前は」「八雲遥です」
「職業h「無職」
「何故あの時は彼処に?」「……時の流れに身を任せて」
うわぁ、何コイツみたいな顔をされちゃってますねぇ。此方も困ってるんですよ、これでも。ふと視線を上げてみると土方さんと目が合ってしまい、居心地が悪くなってしまう。
「お前、何か習ってんのか」「何って何が?」「もういい」
いやいや、いきなり聞いたくせにもういいは無いでしょ。あーもう、早く帰りたいわぁ。
……だが、その直後私の願いは近藤局長によって崩れ落ちてしまう。
「まだ聞きたいことがあるから、今日はここに泊まってね」
- Re: 巻層雲と影法師と【銀魂】 ( No.3 )
- 日時: 2012/01/22 20:04
- 名前: 月ノ乱舞 (ID: /jPQBODi)
何ですとぉ?此処に泊まれとか拷問以外の何物でも無いよ。
それでも体は素直な訳で、久しぶりに嗅ぐ畳の匂いと暖かい布団に私は身を委ね瞼を閉じた。
【無職って爽やかに言われると微笑むしか無い】
私の借りた部屋は縁側のすぐ側で外からの声は筒抜だった。障子が貼られた戸を開けると目の前では近藤局長が稽古をしていて、「おはよう」なんて爽やかに言われたのでニコっと微笑み返した。そして、近くにあった下駄を手に取ると近藤局長の顔目がけて思いっきりぶん投げた。
「朝っぱらから真っ裸で稽古するアホがいるかァーー!!」
私の投げた下駄は見事近藤局長の顔面に命中し、近藤局長の様子からして心にも大分ダメージを受けているようだ。
「近藤さん、ソイツの言う通りだぞ」
「公衆猥褻罪で逮捕ーー」
「総悟テメェ、俺に手錠かけてんじゃねぇよ」
あら、他にも居たのね。朝からコントじみたことして元気だなぁ。……楽しそう、なんて思ってる場合じゃないか。私は一人で居るのが一番なんだからそんなこと思わなくていい。
***
「年齢h「16歳」
「住所を教えて下さい」「住所は歌舞伎町をブラブラと。宿を借りたりして」
私の家無き子宣言を聞いて何故か近藤局長は目に涙を溜めて男泣きをしている。土方さんと山崎さんも哀れみの目を私に向け、変わらないのは沖田さんだけ。今時可笑しいことじゃないと思うんだけど、まあ一般の人から見たら異常なのかな。
「あ、そうだ。此処で働いたら良いんじゃないですか?遥ちゃん」
「あー、そうします。真選組に入隊させて下さい」
そんな訳で山崎さんの突拍子もない提案で私の奇々怪々な日々が始まってしまった。
- Re: 巻層雲と影法師と【銀魂】 ( No.4 )
- 日時: 2012/01/22 20:10
- 名前: 月ノ乱舞 (ID: /jPQBODi)
真新しい制服を身に纏い、グンと伸びをする。その時、男ばかりの真選組に女の私にピッタリの制服があったのは不思議に思わなかった。
【孫にも衣装、祖父母にも衣装】
「もう起きたんですかィ。今日は見回りらしいですぜィ」
もう起きたって土方さんに無理矢理起こされたんでしょうが。正確に言うとアンタも私の頬を叩いて起こそうとしてましたっけ。そう言えば土方さんの姿が見えないなぁ、なんて考えていると土方さん、それに近藤局長と山崎さんが部屋にやって来た。
「おお、似合うなぁ。遥ちゃんの制服姿も」
「孫にも衣装って言いますからねー」
「本当ですよ。山崎さんも真選組の制服が無かったら、ねぇ」
「ね、って何が言いたいの?地味だとでも言いたいの?」
なんて山崎さんと言い合っていたら土方さんにちゃんと着ろと怒られて、頭をガツンと殴られた。しかも、女の子にグーで。
「いってぇなぁ、馬鹿。お母さんみたいな事言わないで下さいよ」
「お前今馬鹿って言わなかったか?それにその長ぇ髪切れよ」
「死ね、馬鹿。嫌だよ、これは目印なんだから」
「嫌、今完璧に死ねって言ったよな」
- Re: 巻層雲と影法師と【銀魂】 ( No.5 )
- 日時: 2012/01/22 20:47
- 名前: 月ノ乱舞 (ID: /jPQBODi)
「おい、見回り行きやすぜィ」
「えー、面倒臭いなぁー」
「黙って見回れよ」
【小説だから死なないって言っても痛いものは痛い】
本当に煩いよねー、この阿呆は。今ここで黙らせようかな。
ふと、後ろを振り返ると白い大きな犬が此方へ猛突進してくる。避ける暇も無く私はただただその犬を見つめていた。
「あブごォ!」
言うまでも無く、あの奇妙な呻き声は白い犬に踏まれた時の私の声。
「うゴげぇ!」
立ち上がろうとした瞬間にまたもや私は呻き声をあげた。今度は何かと前を向くと私をひいたであろう二人乗りのスクーターが停まっていた。スクーターに乗っていた一人が私の方へ駆けてきて心配そうに声をかける。
「だ、大丈夫ですか!ほら、銀さんと神楽ちゃんも謝って」
よく見れば犬にはチャイナ娘がまたがっていた。チャイナ娘と銀髪の男が近付いてくる。
「大丈夫アルか?」「大丈夫かァ」
「大丈夫なわけ有るかァーー!!」
「そんくらい元気なら大丈夫だろ」
この状況の何処を見て大丈夫だと言えるんだい、ボーイ&ガール?まあ、そんなことより一番ムカつくのは……
「こんのクソ眼鏡ェーー!!」「何で僕なんですかァーー!」
- Re: 巻層雲と影法師と【銀魂】 ( No.6 )
- 日時: 2012/01/25 21:07
- 名前: 月ノ乱舞 (ID: /jPQBODi)
「あ、サド」「マヨ方くん」「新八くんじゃないか!」「げ、お前かよ」「チャイナじゃねぇですかィ」「え、何?皆さん揃いに揃って」
【知り合いだと思って話しかけたら全く知らない人だった】
上手く状況の掴めない私と山崎さんだけが取り残されてぼぉっとつっ立っている。
「……山崎さん、コイツら全員殴って良いですか?」
「いや、皆が見てるよ。抑えたほうが……」
私と山崎さんが話していると皆が此方を向いた。そして銀髪の天パがおもむろに口を開き、新入りか、と土方さんに聞いた。
「私は真選組の八雲遥です。失礼ですが、貴方たちは?」
「俺は坂田銀時。万事屋銀ちゃんやってまーす」「私は神楽アル。宜しくネ」「僕は志m「「眼鏡ーー」」
なるほど、万事屋ねぇ。私には今のところは関係無さそうだ。眼鏡の名が右から左へと耳を通り抜けた。あ、そう言えば私この人たちにひかれたんだっけ。まあ、怪我してないし良いかな。
見回りの続きをすると言って土方さんはスタスタと歩いていった。後に続くように沖田さんや近藤さん、それに山崎さんも歩いていたので、私は3人に軽く頭を下げて走って行った。
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