二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【銀魂】 π《パイ》
- 日時: 2012/07/15 23:07
- 名前: 無雲 (ID: C5xI06Y8)
カキコ三作目は学パロです。
相も変わらず攘夷贔屓。
設定は次です。
目次
設定・注意 >>01
入学式での来賓の話なんか誰も聞いちゃいない >>02
クラス分けで騒いでいる女子に向かってドロップキック >>03
髪や目の色で人を判断するのはよくない >>04
冷凍食品は神 >>05
人の色恋に口をはさむな >>06
カメラの充電は切れやすい >>07
入学したては、一日に三・四回くらい自己紹介をやらされる >>08
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- 設定・注意 ( No.1 )
- 日時: 2012/07/08 22:16
- 名前: 無雲 (ID: C5xI06Y8)
この物語は、
・学パロ(not3Z)
・NL表現あり。
・いろんな人が生きてる。(松陽先生、ミツバ、伊東etc.)
・攘夷4+松陽先生が(血のつながりはありませんが)リアルに家族です。
・攘夷関連の設定
・坂田銀時 吉田家の末っ子。他の四人から溺愛されている。
四人のことは、父さん、辰兄、小太兄、晋兄と呼ぶ。(家、プライベート限定。)
・高杉晋助 吉田家の三男。兄弟の中で一番のファザコンで中二病。
松陽を父さん、坂本を馬鹿兄貴(愛ある呼称なので誰も何も言わない。)、桂を兄貴と呼ぶ。
・桂小太郎 吉田家の二男兼お母さん。堅物で真面目だがどこか抜けている。
松陽のことを父さん、坂本のことを兄さんと呼ぶ。
・坂本辰馬 吉田家の長男。底抜けに明るい性格だが腹黒い。
松陽のことはおとやんと呼ぶ。
・吉田松陽 吉田家のお父さん。四人を溺愛していて、彼らを傷つける者は許さない。
常に着流しを着ている。
重要なのはこのくらいです。
『なんで家族なのに苗字が違うのか。』等の謎は物語の中で明らかになります。
作者の趣味丸出しの物語ですが、どうぞよろしくお願いします。
- 入学式での来賓の話なんて誰も聞いちゃいない ( No.2 )
- 日時: 2012/07/08 22:17
- 名前: 無雲 (ID: C5xI06Y8)
春。
桜の花が咲き花びらを散らせる季節。日本人が浮足立つ季節。そして新たな始まりの季節である。
銀魂高校入学式。
ここから新たな物語が始まろうとしていた。
++++++
「・・・これをもってお祝いの言葉とさせていただきます。教育委員会会長、寺田綾乃。」
壇上で長い式辞を読み終えた寺田が自分の席に戻るのを見ながら、土方十四郎は欠伸をかみ殺した。
今日は銀魂高校の入学式。周りの者は皆慣れない制服を着て、長々と続く校長やら来賓やらの話をぼんやりとした表情で聞いている。
そこまでレベルの高い高校ではないのに何故こんなにもたくさんの客が来るのだろう。
はっきり言ってあんた等の話なんか真面目に聞いてるやついねぇよ。とか心の中で思いつつ、段々と重くなっていくまぶたを必死に押し上げた。
- クラス分けで騒いでる女子に向かってドロップキック ( No.3 )
- 日時: 2012/07/08 22:18
- 名前: 無雲 (ID: C5xI06Y8)
「あぁ、疲れた。眠みぃ。」
「土方君、眠る前にせめて自分のクラスくらい見なよ。」
入学式が終わった途端眠いを連呼する土方に、中学からの友人・伊東が呆れながら言い、クラス分けが貼り出されている板を指さす。
そこにはすでに人だかりができていて、女子達の黄色い声が上がっていた。
「・・・あ、僕C組だ。土方君も。鷹久は・・・A組か。」
「双子が同じクラスってのはねぇか流石に。」
双子の兄とクラスがわかれたことで伊東の声のトーンが少し下がる。鷹久は体が弱いからなにかと心配なのだろう。
土方にも体の弱い彼女がいるため、そんな彼の気持ちはよくわかる。
因みにその彼女はD組で、土方のまとう空気が少し暗くなった。
「いいじゃないかミツバさんは同じ階だろ。僕なんか階も離れるし・・・。」
「あーもう、うぜぇよ。それぐらいで落ち込むな。」
傷心の伊東に冷たい一言を浴びせると、土方は校門に向かってすたすたと歩きだした。
「ちょ、どこ行くんだい?」
慌てて追いかけてくる伊東の方に首だけを向けて土方は立ち止まる。その端正な顔には不機嫌だという感情が丸出しだ。
「帰るに決まってるだろ。入学式も済んだしよ。」
伊東は帰ったら速攻で寝る気だろうなと思ったが口には出さず、代わりに呆れたように溜息を吐き出した。
「あのさあ、これから高校の説明会があるって知ってる?」
「はぁ!?んなめんどくせぇもんがあるのかよ!」
やはり知らなかったようだ。これで自分がいなかったらどうする気だったのだろう。
伊東は仏頂面の土方の背後に回り、その肩に手を置いて歩き出した。自然に土方は前に押される形となる。
「おいなにすんだ!」
「だから説明会行くんだって。入学式の日からサボる気なら話は別だけどね。」
「分かった行くから押すんじゃねぇ!」
押されたことによって転びそうになった土方の要求に、伊東は素直に従った。
- 髪や目の色で人を判断するのはよくない。 ( No.4 )
- 日時: 2012/07/08 22:19
- 名前: 無雲 (ID: C5xI06Y8)
*とっつぁんのキャラが若干違います。
「やっと着いたな・・・。」
土方は十五メートルほど先に1−Cのプレートを見つけた。彼の言葉に伊東がああ・・と疲れた声で返事をする。
何故二人がこんなにも疲れているのかというと伊東の目と髪色のことで教師に説教を受けていたうえに迷子になり、しばらく校内をうろうろしていたからだ。
一応のために書いておくが彼の目色も髪色も天然ものである。
「すまないね土方君。君まで巻き込んで・・・。」
「謝る必要ねーよ。俺だって目ぇ群青だし。」
見るからに憔悴している伊東に土方がフォローを入れる。だが土方自身は伊東に説教した教師から何も言われていない。群青の瞳はパッと見黒目と見分けがつかないのだろう。
土方のフォローもあってか伊東は少し元気を取り戻した様子で笑い、いつの間にやら目の前に迫っていた教室の扉を開けた。教室の中へと入って行く伊東に土方も続く。
「っで!!」
教室に一歩足を踏み入れた途端、土方の額に何かがぶつかった。土方は驚いたが、よく見てみるとそれは伊東の背中だということに気づき思わず文句が口をついて出る。
「急に止まるなよ!危ねぇだろーが!」
伊東の反応はない。教室の奥を見つめたまま固まっている。
不審に思った土方は体を傾けて伊東の陰から教室を覗き込む。そして伊東と同じように固まってしまった。
教室の中で一人の教師と四人の男子生徒がにらみ合っていたのだ。
いや、にらみ合っていたという表現はこの場に成立しない。教師は確かに四人に向かって睨みをきかせているが、当の四人は教師を睨んではいない。彼らのうち三人は薄い笑みを浮かべて教師を見、残る一人は眠たげな目をしながら頭をかいていた。
「おめぇ等入学初日からんな恰好して来るたぁ、いい度胸じゃねえか。」
サングラスをかけた強面の教師が低くどすを効かせた声で言う。首にかけられた名札には松平片栗虎とあった。
「ハッ、いいがかりだな。俺達の髪は地毛だぜ?」
紫黒の髪を掻き上げながら片方しかない深緑の目で松平をせせら笑う男子生徒。そのネームプレートには〈高杉〉と書かれている。
「染めているわけでは無いのだ。文句を言われる筋合いはない。」
長髪の生徒が琥珀色の目をわずかに細める。胸元の半透明の板には〈桂〉の一文字。
「それに目もカラコンとかじゃねぇしな。」
銀髪を掻き回しながら自身の赤い瞳を指さす少年。ネームプレートには〈坂田〉の字が乗っている。
「ちゅう訳ですき、見逃してくれませんかのう?」
〈坂本〉と書かれたプレートを付けた茶髪に青い目をした少年が笑う。だがその笑顔にはどことなく黒いものが感じられた。
四人から発せられる威圧感に、松平はたじろいだ。
「まあ、あれだ。地毛ならしょうがないよな・・・。」
松平はそう言って四人をそれぞれの席へ戻らせ、そこでやっと土方達の存在に気が付いた。
「何やってんだ。さっさと席着け。」
教室の入り口で固まっていた二人はその言葉で我に返り、慌てて自分たちの席へと向かった。
- 冷凍食品は神 ( No.5 )
- 日時: 2012/07/08 22:20
- 名前: 無雲 (ID: C5xI06Y8)
「午後からは校舎案内すっから、一時までに昼飯食えよ。」
大方の説明が終わったらしく、松平は教室から出て行った。現在の時間は十二時十分。
昼食をとるのに丁度いい時間だ。
だがどことなく弁当を広げづらい。読者の皆様も一度はこの『行動したいけど目立つのは嫌だから早く誰か動けよ!』的な空気を味わったことがあるだろう。教室には今、その空気が充満しているのだ。
と、その時、教室に椅子を引く音が響いた。反射的にクラスの全員がそちらのほうを見る。
音を立てたのは先程の銀髪の生徒だった。彼は自分に向けられている視線を気にもせず、隻眼の生徒、
高杉の席に近づいた。
「晋、弁当。」
「ったく、他に言うことねぇのかよ銀時。」
高杉がやれやれといった風に言うが、銀時は弁当!と言って手を突き出すだけだ。
「銀時、人にものを頼むときは丁寧な言葉を使えといつも言っているだろう。ということで晋助、弁当 を出せ。」
「テメェも丁寧な言葉使えてねぇじゃねーか。」
「アッハッハッ!そがなこと気にしとるきに、おんしは背が伸びんのじゃ。」
「るっせぇ馬鹿本。その毛玉むしり取ってやろうか。」
坂本を睨みつけながら、高杉は鞄の中に手を突っ込む。
しばらくして出てきたのは白、青、紫、赤のバンダナに包まれた弁当箱だった。
銀時は白、桂は青、高杉は紫、坂本は赤の弁当箱を取り、高杉の席を囲むようにして自分の席から
持ってきた椅子に座った。
「よし、では手を合わせt「いっただっきまーす!」最後まで言わせろオオォォォオ!!」
言葉を遮った坂本に桂が怒鳴る。あとの二人はそんな桂達を放置して弁当を食べている。
「晋助ェ、オメーが弁当作ると白米以外全部冷凍物になるのはなんでだ。」
「楽だしウメェし、神だろ冷凍物考えた奴は。」
「うん、だから何?」
周りからの視線に気付いているのかいないのか、賑やかに食事をする四人。その声をきっかけにして
少しずつだがクラスメイト達も弁当を広げ始めた。
「・・・土方君。」
「・・・なんだ。」
「あの四人、目立つうえに色々謎だね・・・。」
四人の方を見ながら言う伊東に土方はうなづく。
髪や目の色も目立つ原因の一つだが、全員が小奇麗な顔をしている。その証拠に先程から女子達が
ちらちらと彼らの方を見ている。
しかしそれよりも気になるのが、高杉が四人分の弁当を持っていたということだ。
ただ単に持たされていただけなのかと思ったが、さっきの会話を聞く限り四人分の弁当を高杉が作ってきた(というより解凍してきた)ように聞こえる。
「あいつ等どーいう関係なんだ?」
そう呟いて、土方は自分の弁当に盛大にマヨネーズをぶっかけた。
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