二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- モルガ 第一歩
- 日時: 2012/08/13 03:40
- 名前: 目眩姫 (ID: MJoef3nH)
『お客さん、ちょいと寄っていきませんか。
なぁに、すぐそこ すぅぐそこですともさ、お、よく見りゃ旅人さんかね?旅は長いよ、くたびれる。ちょっと休んで行かれなさいな。
アタシも昔は旅をしたが、ありゃダメだ。腰も足も棒っきれになっちまった。昔はぁよかったなぁ、若いし、なんでもできたし、きっと夢見てたんだな、あれは夢の夢の夢の夢の・・・・・・ユメ?・・あれ。
何の話の途中だっかな・・まぁ、いいやね、疲れた時は休んだ者勝ちだというじゃないか。
さぁさ、どうぞどうぞ。』
「・・・・」
『あ、料金のことなら心配ないよ。ウチはツケの効く上等な店ですとも。さあさ、寄っていってくださいよ、なんならその荷を持ちましょう。』
「・・・ぇ・・」
『はい?イヤ、申し訳ないがもちっとゆっくり話してください、お客さんどこからおいでに・・イヤイヤ少々訛りがきつくて、とゴホンゴホン・・え、な、なんですかね?』
「・・オレの、持ちモンに、さわんじゃねぇぇぇぇぇっっっっ」
『ひぃっっ』
「さっきからベラベラベラベラと・・壊れた機械じゃあるまいし。馴れ馴れしく話しかけやがって、あ?夢喰い虫喰い嫌われ上手てなオメェのことだ、ヒトさんの邪魔して道閉ざしてんじゃねぇさっさと引っ込めウスノロっっ」
『あ、こりゃまたモゴモゴ・・・・』
「ふんっ」
チットは大声のせいで肩からずれ落ちた荷を担ぎ直し、鼻息荒くまた歩き始めた。
気づけばそこかしこに見えるのは宿屋と屋台ばかり。宿屋の軒先には店の屋号が刺繍してある前掛けをしたした、いわゆる先ほどのような客引きが必死とばかりに道歩くものを呼び止めていた。
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