二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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織田信奈の野望 「「ようやくの仕事」」
日時: 2013/07/03 18:06
名前: ぜにがた (ID: IGAMlEcf)

織田信奈の野望の二次創作です!

注意
更新日は決まっていません。
主人公の名前が違います。
歴史の動き方などは大体おなじです。

目次
始まり >>01 >>02 >>03 >>04 >>05>>06 >>07 >>08
美濃の蝮 >>09 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18
騒がしい長屋 >>19 >>20 >>21 >>22 >>23 >>14 >>25

駄文ですが、いざ出陣!!


最初からは下のページ2からお願いします。

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Re: 織田信奈の野望 「「ようやくの仕事」」 ( No.40 )
日時: 2013/09/21 18:38
名前: ぜにがた (ID: cjVK9X9P)

「そ、そうよ!頼まれた仕事の一つもできないような無能な部下は、生かしておくに値しないわ!あんたが首をはねられるのも当然なのよ。自業自得だわ。このバカ!」

信奈の特徴的な高い声が、だんだん詰まったような鼻声になってきた。
(やっぱりほんとかわいくねぇな)
信奈は刀を握る腕に力を込めた。
龍介は静かに目をつぶる。意識の集中した耳に、空気を裂いて振りおろされる刃の音が聞こえ・・・
カツンッ!
しかし、首に達するまえに信奈の握っていた刀は、縁側から飛んできた手裏剣の束に弾かれていた。

「痛っ!く、くせ者だわ。皆のもの出会え!」

「・・・くせ者違う、犬千代。遅れた」

部屋に息を切らした犬千代が入ってきた。

「よかった、犬千代、滑り込みでセーフだ」

「龍介お米買ってきた」

「おお、ありがとうな」

その後、手裏剣を投げたのは五右衛門だなと龍介は思った。

「犬千代、肝心のい米はどこにあるの?」

「そうだった。結局どのくらい買えたんだ?」

「たくさん・・・。今城門から城に運び入れてる」

信奈と龍介は窓から身を乗り出し、外をのぞき見た。
すると米俵を大量に積んだ荷車が、列をなして城に入ってくるところだった。

「なんて量・・・いったいどのぐらい買ってきたの?」

「・・・全部で七万五千俵」

「えっと、一石が二俵と半分だから・・・三万石?言いつけの三倍近いじゃない!」

「資金を二倍、米を半分のの値段で買ったからな、ぎりぎりだったけど、いい仕事したろ?」

信奈は、
「どうやってそんなに増やしたのよ」と聞いてきた。」

「んーそうだな、「「教えてください」」っていったら教えてやるよ」

「な!・・・やっぱり首をとばされたいらしいわね・・・!」

「ジョークだって、ちゃんと教えてやるよ。」

「?じょーくってなによ。また未来の言葉?」

と、クイクイと犬千代が信奈の袖を引いた。

Re: 織田信奈の野望 「「ようやくの仕事」」 ( No.41 )
日時: 2013/09/21 11:27
名前: ぜにがた (ID: cjVK9X9P)

「?どうしたの犬千代?」

「姫様、犬千代を斬る」

「なに言ってるんだよ犬千代。斬られるとしたら俺のほ・・・」

龍介はの犬千代の動きに違和感を感じた。
(それにこの臭いは!)

「犬千代!腕を見せてみろ」

「なにしてんのよ!」と言う信奈を無視して犬千代の袖を捲っていくと、真新しい傷が現れた。
それほど大きくはないが、少し深い。

「誰にやられた?」

犬千代は少し目を細めると

「信勝様の小姓。犬千代は斬って法度を破ったから、姫様が斬らないと信勝様と揉める」

龍介は肩に手を置いて聞いた。

「米を運んでいる途中に邪魔されたんだな?」

龍介の問いに、犬千代が小さくうなずいたのを見て、龍介は毒づいた。

「くそっ。犬千代は関係ないだろ!勝手に巻き込みやがって」

どうすればいい、龍介は考えをめぐらした。
犬千代を斬らなければ信奈と信勝の立場はもっとひどくなる。
だが、信奈にとって犬千代は、小姓以上の妹のような存在だ。
それなのに信奈に斬れだと?そんなのできるわけ・・・

「そうだ犬千代。出奔しろ!」

「出奔・・・」

「清洲から逃げるんだよ。信奈に斬られそうになったから逃げ出したってことにしておいて、信勝との問題が解決したら、戻って来い」

「・・・分かった」

犬千代はためらわず頷くと、信奈のほうに向く直って深くお辞儀をした。

「姫様、お別れ」

「犬千代・・・」信奈は犬千代のことを見つめるだけで、それ以上はなにも言わなかった。
それだけで犬千代と信奈は伝えたいことを伝え終わったのだろう。
二人は視線をはずした。

龍介はそれを心痛の面持ちで見つめた。

「犬千代、ほら」

龍介は犬千代を手で呼び、しゃがみこむとその首に、紐をかけた。

「・・・これは?」

紐の先には小さな袋がついていた。

「また前とすぐに会えるように、お守りさ。肌身から離すんじゃないぞ」

と龍介は笑いかけた。

「わかった。いつも持っとく」

「よし。お前が帰ってきたら、俺がご馳走を作ってやるよ」

すると信奈が渋い顔をした。

「サルの作った料理・・・大丈夫かしら?」

「・・・心配」

「おいおい、犬千代まで」

小さいが、城に笑いが響いた。

Re: 織田信奈の野望 「「ようやくの仕事」」 ( No.42 )
日時: 2013/09/21 23:47
名前: ぜにがた (ID: cjVK9X9P)

信奈とその弟・信勝の対立激化を防ぐために、犬千代は清洲から逐電してしまった。
だがそれでも織田家のお家騒動は食い止められなかった。
犬千代逐電の三日後、信勝の家老・柴田勝家が「はぁー」と憂鬱そうなそうなため息をつきながら、清洲城にいる信奈のもとを訪れた。
柴田勝家、あだ名は「六(りく)」。
若くして尾張最強の猛将として知られる女武将で、ひとたび槍を持てばその姿鬼の如し。
しかし、その他のことはさっぱりで、政治感覚などはからっきし。
天は二物を与えず、の代表である。

先日の、犬千代が信勝の小姓を斬ったことは、やはり信勝とその取り巻きたちが仕組んだことらしい。
勝家は何とか考え直してくれないかと信勝に進言をしてみたが

「なぜ勝家殿は止めるのか」

「この前の戦でも、とくにこれと言った成果は挙げておられぬ」

「実は通じておられるのでは」

といわれる始末
信勝にいたっては

「法度を破った犬千代を引き渡せ、と姉上に持ちかけてもらえないかな?それを拒むようなら今度こそ戦だな」

と勝家にいい渡した。
勝家は何かいい方法はないかと考えたが、取り巻きたちを斬るぐらいしか思いつかず、仕方なく信奈に相談しにやってきたのだった。

Re: 織田信奈の野望 「「ようやくの仕事」」 ( No.43 )
日時: 2014/01/24 19:00
名前: ぜにがた (ID: /ZfshGS3)

「それじゃあつまり、いい案がないから逃げてきたってわけ?」

勝家は平身低頭。

「面目の次第もありません、姫様!この勝家、戦場では誰にも遅れをとらぬと自負しておりますが、このようなことについてはさっぱり・・・」

「はぁ、もう困ったわねぇ」

現在、部屋には信奈と勝家、龍介の三人だけ。
先ほどからため息ばかり響いている。

「の、信勝様は法度を破った犬千代を引き渡せ、さもなくば再び謀反申し上げると・・・」

「・・・それは無理よ。犬千代は尾張を出ていってしまって居場所は私にも分からないわ。」

信奈は声を落とすと、何処にいるかも分からない犬千代を探すかのように外に目を向けた。

犬千代は信奈にとって妹のような存在たっだ。
その犬千代がいなくなって、信奈がどんな気持ちなのか、それがわかってしまう勝家は余計に心苦しかった。

「こんなことなら謀反したとき戦で、私の首でもをとりなさいよ!」

「滅相もありません。そんなことをするぐらいなら腹を切った方がましです!」

出来ることなら信奈様の家臣として生まれてきたかったです。と勝家がうめいた。

「あいつは周りの取り巻きにのせられているだけなのよ。自分一人だけじゃなんにもできやしない。勝家、信勝を説得しようとするんじゃなくて、周りを説得しようとしてみて。あいつらさえ押さえれば、たぶんきっと・・・」

「・・・分かりました、姫様。もう一度考え直してくれないか掛け合って来ます。」

そう言うと、勝家は部屋を出ていった。

「・・・・・・」

「どうしたのよ、サル。さっきからずっと気持ち悪いくらい静かね?。」

「いや、ちょっとな。お前は結局信勝のことをどう思って家督を継いだのかな、と。」

信奈はぁ、と息をついた。

「姫大名っていうのはね、戦に負けても髪を下ろして出家すればなんとかなるの。けれど男だと、問答無用で首をはねられるのよ」

「つまり遠回しに弟を助けたかったっと?」

「うっさいわね!はい、話し合いは終わり。もう用はないんだから戻るわよ!」

そう言いながら、すたすたと信奈は去っていった。

「へいへい。・・・ほんと、かわいくねぇな」

龍介も、立ち上がると信奈の後ろを追っていった。








Re: 織田信奈の野望 「「ようやくの仕事」」 ( No.44 )
日時: 2015/08/13 20:43
名前: ぜにがた (ID: aR6TWlBF)

その日の夜、闇が深まっても本堂は松明がいつまでも灯っていた。
奥に肘おきに頬ずえを付いた信奈が座り、すぐ横の上座には目を閉じ静かに腰を据える長秀、そして縁側に片足を投げ出しながら龍介が座っていた。


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