二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 鈴の音が。 【カゲプロ】
- 日時: 2012/08/26 14:37
- 名前: heiwa (ID: 34Ns4Wp.)
こんにちわ!!
初めまして!!
heiwaと申します!
私がカゲロウプロジェクト好きすぎて小説を書かせていただきたいと、思います!
*荒らし・中傷・晒しはご遠慮願います。
*オリジナルキャラクターが出てきます。苦手な方はご注意ください。
*口調・キャラなどが崩れるかもしれません。
よろしくお願いいたします。
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- Re: 鈴の音が。 【カゲプロ】 ( No.1 )
- 日時: 2012/08/26 14:49
- 名前: heiwa (ID: 34Ns4Wp.)
*初幕*
《チリ…ン》
風に合わせて少女についた鈴が鳴る。
赤い橋に佇んだ少女は大きな箱を背負って、和服を着ている。
『運命は…残酷な、ものだ』
首から下げた鏡を覗き込みながら嗤った。
その鏡には『107』と書かれたボロボロな建物が映っていた。
- Re: 鈴の音が。 【カゲプロ】 ( No.2 )
- 日時: 2012/08/26 21:10
- 名前: heiwa (ID: 34Ns4Wp.)
*一幕*
カ「キドぉぉ!!ご飯!!」
キ「うるせぇ。今作ってる」
セ「マリー起こしてくるッス」
朝のメカクシ団アジトは騒がしい。
特にカノが。
マリーも起きてきたら、朝ご飯。
そんなアジトに、訪問者が一人…。
『ごめんください』
カ「はーい?キドーお客さん!」
キ「お前がでろ!!」
カ「はいはい…」
『…朝早く、申し訳ありませんね』
そんなことを呟く少女は何処も「申し訳ない」と言う表情ではない。
背はキドと同じくらいで、色白。高い位置で結わいても腰まである薄い蒼の髪に真っ赤な瞳。
紫の蝶の柄の入った着物に紺色の帯。
大きな箱を背負っている。
不思議な雰囲気をもつ美少女だった。
カ「君は??」
『…薬を、売りに、きまして』
カ「薬?」
『はい。薬を…。例えば……』
白い指でカノの目を指差した後、自分の目を指す。
綺麗な口は小さく弧を描いていた。
『その、目、を治す、薬…なぞは如何でしょう?』
カ「なっ!?…なに言ってるのさ。目って??」
カノの目が赤く光り、普段の笑みへと変わる。
…欺いているのだ。
『おや…。焦って、おいでで?』
カ「この顔のどこが焦ってるの?」
『……欺き続けていると、本当の顔を見失いますぜ?』
カ「……なにもの?」
『いえ、ねぇ。只の小娘ですよ。薬を売っている、だけの、ね?』
キ「…お前、なにを知っている?」
『なに…とは……。なに、でしょう』
アジトの居間に入れられた少女は、
メカクシ団の面々に囲まれている。
カ「どうして僕たちの事を知っているの?」
『…私は何も知りませんよ。何も、ね』
キ「嘘をつくな」
『……嘘、とは』
少女の唇はグッと弧を引いた。
けれど、赤い目は何も映さない。
『…また面妖な…。ふふふ』
不気味な笑い声が響く。
しかしこの部屋にいるもの全員、この少女を「美しい」と思っていた。
キ「…なにが可笑しい」
『…あなた方は…“嘘”の何を、お知りで?』
カ「……どういうこと」
『あなた方は、何も知らない。それは、至極、滑稽なことですぜい』
キドとカノは愚か、話に入っていなかったセトとマリーまでも、寒気を感じた。
《チリリリン…》
『ほう…』
風など吹いていない。
どこから鳴った鈴の音なのか。
その少女しか知らない。
その時、少女がキドを見据えた。
『目を…隠してしまう…。そう、お思いで?』
キ「!!」
『実に、滑稽だ』
パン、と手を打った。
皆が驚いて瞬きをした、その一瞬のうちに少女はキドの前に立っており、鏡をキドに向けている。
『あなたは、此処に存在している。姿見に映っている…。なのに何故、否定する…?』
キ「……」
動きに着いてこれなかった着物が舞う。
文様の蝶が、舞う。
『それこそ、実態を持たぬ“嘘”を、穢している…』
キ「ああ、、あああ!!ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
キドが叫んだ。
泣き叫んだ。
そして崩れた。
キドを見下すように立つ少女は鏡を覗く。
『あなたは、弱い。故に、強いんです、よ……』
何処かから鈴が鳴った。
*続く*
- Re: 鈴の音が。 【カゲプロ】 ( No.3 )
- 日時: 2012/08/29 18:16
- 名前: heiwa (ID: 34Ns4Wp.)
*二幕*
カ「キド!?」
セ「キドになにしたッすか!?」
マ「キド…」
泣き崩れたキドをメカクシ団の面々が囲む。
少女は鏡から目を離さない。
『…廻る』
カ「…は!?」
『廻る、んですよ…。輪廻は、廻る』
少女は鏡の淵を指でクルクルとなぞり始めた。
カノが鏡を覗き込む。
しかし、
カ「何も映ってない…」
そこには少女とカノが映っているだけで、他はなんの変哲もない鏡だった。
『おや…。時が、来ましたね……』
少女はおもむろに背負っていた大箱を漁り始めた。
中には、紙風船や風車、千代紙…と、まるで江戸時代の遊び道具のようなものが大量に入っていた。
現代らしいものは愚か、薬さえも入っていなかった。
『少々…お待ちを……』
千代紙を折り始める少女。
を、カノ、セト、マリーが見つめる。
白い指は黙々と“紙風船”を折っていく。
『…』
おもむろに空気を入れて膨らますと…
《パァンッ!!》
派手な音をたてて、割った。
カ「なっ!!」
セ「!!??」
マ「びっくりした……」
少女は意味深に微笑んで、ゆっくりとキドの方を指差す。
カノたちがそちらを向くと、キドは
キ「……っう」
目を覚ました。
『ご気分は、如何で?』
キ「ぅ、ああ…」
『これを…』
さっき風船を割った方の手を開く。
中には小さな錠剤が二つ乗っていた。
カ「!?」
セ「どこから出てきたッすか…」
キドは受け取った錠剤を呑みこむと、口を開いた。
キ「……ありがとう」
『……憂さは、晴れましたか』
キ「ああ。随分と楽になった」
『それはそれは…』
よかった、と見た目の幼さに相応しくない大人びた笑みを浮かべる。
カ「ど、どういうこと!?」
キ「この人は、俺の疲れを取ってくれた。あの鏡と薬によってな」
マ「ホントに薬だったんだ…」
『おや…。疑ってたんで?』
カ「…ごめんね」
『いえ…。慣れてますから…ね』
目を伏せながら鏡を撫でる。
どうやらそれが癖のようだ。
《リ…ン》
セ「この鈴の音…」」
『改めまして…薬売りの、嘘雨(きょう)と申します。薬…の代わりに、少々……話を…聞かせていただきたく候…』
《リン!!》
一層強く鈴がなった。
*続く*
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