二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- No.6 学ぶということ
- 日時: 2012/09/07 00:14
- 名前: はるうさぎ (ID: XURzUbRL)
大人気小説、No.6のお話を書こうと思います。
今回は、紫苑とイヌカシのお話です。
小説初心者ですが、頑張って書いてみるので、覗いてくださると嬉しいです!!
●お願い●
・荒らしはやめてください。
・でも、「こうした方がいいと思う」のようなご意見は大歓迎です!
・亀更新です。がんばりますが! 気長に待ってやってください。
・コメントいただけたら嬉しいです(*≧∀≦*) !
- Re: No.6 学ぶということ ( No.7 )
- 日時: 2012/09/10 22:47
- 名前: はるうさぎ (ID: qXcl.o9e)
参照が100超えてました!! やったー!
実ははるうさぎ、このお話が小説初投稿なのです。
つまり、3桁いったのは初めて……! わーいわーい!
これも、読んでくださっている皆様のお陰です。ありがとうございます!!
つたないなりに これからも一生懸命書いていくので、どうぞよろしくお願いいたします!!
はるうさぎでした!
- Re: No.6 学ぶということ ( No.8 )
- 日時: 2012/09/11 06:19
- 名前: はるうさぎ (ID: kaY8Y1HD)
日が落ちてきた。冬はやはり、日が落ちるのが早い。
夕焼け色に染まり始めた空を見上げ、また犬に視線を戻す。
夜になる前に終わらせねえと。
紫苑がポケットを探っていた手を引き抜いた。
「あったあった。」
「?」
取り出してきたのは、しわくちゃの紙だった。イヌカシに差し出してくる。
イヌカシは怪訝な顔でそれを見た。
「何だ、これ。」
「君からもらった手紙だよ。」
よく見ると、確かにイヌカシが紫苑に向けて書いた手紙だった。
数週間前、どうしても犬洗いの人手が欲しくて紫苑を誘った。
「律儀に持ち歩いてたのか。」
「うん、嬉しかったから。…手紙もらうの、初めてだったんだ。今まで通話やメールしか使ったことなかったから。」
- Re: No.6 学ぶということ ( No.9 )
- 日時: 2012/09/12 06:28
- 名前: はるうさぎ (ID: XnbZDj7O)
…こいつは、どこから来たんだろう。
イヌカシは前からずっと疑問だった。いきなり現れた流れ者。甘ちゃんで、世間知らずで、疑うことを知らなくて、純粋。
どこで育てばこんなやつになれるんだか。
まあでも、
「俺も手紙書いたのは初めてだったな。」
「そうなのか。嬉しかった。改めてありがとう。」
とりあえず、いいか。紫苑は紫苑だってことで、いいか。
なんとなく、聞かなくてもいずれ知ることになるような気がした。
そして知ったときは、何かとんでもないことに巻き込まれるような気がした。
ずっとしゃがみっぱなしで、足が疲れた。
イヌカシは立ち上がり、伸びをした。その時それを見たのは、全くの偶然だった。
No.6。
高い外壁の内から、光が漏れている。明かりなんてほとんど無いに等しい西ブロックとは、えらい違いだ。
まさか…
紫苑を見る。長毛種の犬に、ブラシをかけていた。
甘ちゃんで、世間知らずで、疑うことを知らなくて、純粋。
「いや、まさか…な。」
イヌカシは自分の考えを振り払った。
高い壁は、変わらずにそこにあり、内部からの光で美しく輝いていた。
- Re: No.6 学ぶということ ( No.10 )
- 日時: 2012/09/16 17:12
- 名前: はるうさぎ (ID: j0x8WVaG)
「君はさ、字が書けるだろう?」
「はあ?」
紫苑が立ち上がった。手にはバケツを持っている。
「君は、字が書ける。現に、君からもらった手紙が、ここにある。」
言いながら紫苑は、小川に歩いていく。
イヌカシの住むホテルの近くには綺麗な水を湛える川があり、犬洗いに使ったり、飲み水にしたりしていた。
「これは、どこで学んだんだ?まさか、独学じゃあないよな。」
川の流れにバケツを入れる紫苑を見ながら、イヌカシは笑った。
「まさか。さすがの俺も、そこまで賢くはない。なに、どうってことはないさ。俺を拾ってくれたじいさんが、気まぐれに教えてくれただけだ、大したものじゃない。」
「そうか。」
紫苑の声が、少し遠くから聞こえる。バケツにいっぱいの水を汲んで、重たそうに戻ってくる最中だった。
ドラム缶に水を注ぎ、バケツをおいたあと、紫苑はニコッと笑った。
「でも、おじいさんが教えてくれたんだ。よかったな。学ぶのって、楽しいものな。」
「楽しい?」
イヌカシはぽかんとして紫苑を見つめた。
「楽しいって、勉強がか?」
「へ?うん。だって、新しい事を知ると、わくわくするだろう。君は、学ぶ事が楽しくなかったの?」
「はあ…いや、どうだったかな。昔の事なんて、忘れちまったよ。まっ、この年になってもお勉強が楽しいなんて言えるの、世界中探してもおまえさんだけだろうがな。」
- Re: No.6 学ぶということ ( No.11 )
- 日時: 2012/09/18 23:35
- 名前: はるうさぎ (ID: v8Cr5l.H)
全く、この天然坊っちゃんは、おかしなことばかり言う。何を考えているのかわからないって点じゃあ、ネズミと一緒だな。
そう考えてから、イヌカシはふとある疑問を抱いた。
「紫苑。」
「うん?」
「聞きたいんだけどさ。あんた、何故俺にそんなことを聞いた?」
「そんなこと?」
紫苑がまたバケツを持って立ち上がった。それを追いかけるように声を重ねる。
「勉強しないのか、ってだよ。自分の発言ぐらい、しっかり覚えておいて欲しいもんだね。」
そう言うと、「ああ。」と納得したような声と、次には当然、と言わんばかりの声が川から聞こえた。
「だってイヌカシ、君は頭がいいじゃないか。」
「はあ?」
予想外の言葉に、思わず口をぽかんと開けてしまう。
ハトが豆鉄砲をくらったようだった。
「紫苑…あんた、頭がいかれちまったのか?」
「え、正常だと思うけど。」
川とドラム缶を往復する紫苑にイヌカシは「いやいや。」と首をふった。
この掲示板は過去ログ化されています。