二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【 End Game Content 】鋼錬×マギ
日時: 2012/11/10 22:30
名前: 篝火かなこ (ID: IGAMlEcf)






◆はじめまして
   篝火かなこです! K音が多くて発音しにくいです! なんなら三回言ってもいいよ!
   このページを閲覧しているのはきっとマギor鋼錬に興味のある方たちだとは思うのですが
   残念なことにマギ主要人物の登場はあまり期待なされないです。
   マギからの引用は設定や世界観、記憶のみとなります。また完全オリジナルキャラクターが登場します。
   き、期待するだけムダなんだからねっ////

◇つづきまして
   閲覧に関しての注意、前置き。本作品は鋼錬とマギを扱った二次小説です。
   原作の雰囲気を著しくぶち壊しにする可能性があります。
   気分を害してゲロしても責任は負えません、観覧は自己責任で。
   最低限のルール、マナーは護りましょう、いつでも歓迎しますよ!

◆概要とかなんとかかんとか
   11月 プリンうめえ。以上。

◇ご注文はこちら
   品数が少なくて申し訳ありません。只今当店は開店準備をしております。
   01「例えば生きることとか、そんな簡単なこと」
   02「あかい熱帯魚」





   きみの人生の、わたしの人生の、あなたの人生の。
     今日が終わりではじまり。
       ちいさな一はやがて、世界を覆う鳥達の群れの全となる。


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Re: 【 End Game Content 】鋼錬×マギ ( No.1 )
日時: 2012/11/10 23:01
名前: 篝火かなこ (ID: IGAMlEcf)

   

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 きみの人生の、わたしの人生の、あなたの人生の。今日が終わりではじまり。ちいさな一はやがて、世界を覆う鳥達の群れの全となる。


 うすぺらいひかりのとりたちがわたしを包む。淡くて優しい母の面影を残す穏やかな暖かいひかり。それが足先が頭のてっぺんまで満たされてゆく。足取り軽く宙を掻く。やわらかな空気が指の間をすり抜けた。薄く開いていたひとみをゆっくり閉じたら、睫毛の揺らす風をふと感じた。心地良い感覚の中で、それは胎児のような眠りをいざなっていた。時間のない白の中は、痛みも苦しみも、そういった負の感情かけらひとつなく、ただ、わたしはきえてゆくのだろうという漠然とした、当たり前であったかのような感情だけが増してゆく。余計なものはいっさい消えてしまって、このまま身を任せてしまいたい。それはなんて甘美な誘惑なんだろう。

 ああ、あのひとの言葉がおもいだせない。わたしはきっと、なにかいなければいけないことがあった筈なのに。——それはなんだろう? それは必要なもの? いま、わたしにとって、それは何であるべきもの?

 わたしこのまま消えちゃったら、後に残す物なんてなにもないのかもしれない。なにもない、からっぽの入れ物。こんなのは、いや、だ。

 鳥が瞬いた。それと同時に辺りを包むひかりの量が増して、ひかりかがやく。例えこれが終わっていた物語だとしても、わたしは、だからこそ訊いてみたい、視て、生きて、世界というものを知りたい。


——思い出したよ、わたしの、たいせつなひと。


Re: 【 End Game Content 】鋼錬×マギ ( No.2 )
日時: 2012/11/11 15:04
名前: 篝火かなこ (ID: IGAMlEcf)



オリジナルキャラクター




 - メリイ 

15歳。ダンジョン攻略者。「メリイ」という名前は合ってないと思っている。
人間嫌いだが動物は好きでめんどくさい子。
おとなしく派手なことはしないし弁えているつもり。…つもり。
冷たく見られがちだが結構抜けている。しかし機転が利き、頭の回転が速い。

さらさらとした長く黒い髪を持ち、常時細い紐でポニーテールをしている。
マギの世界では東洋の出で、大昔に栄えた王国の血を引く。
外見やファッションについては無頓着。「寒くなくて暑くなければいい」という思考の持ち主。
通常は白いシャツに黒紺のサスペンダー付き黒かぼちゃパンツ。
あらゆる生き物を遣わせることができる、またその形は命令でなく契約とし、そのものが満たされぬことなどなき永遠の人生を約束するというもの。

それ以外の魔法はもっぱらハンタでいうところの強化系。得意技:殴打()
体全体を覆う魔力の取り扱いが得意で、消費を最小限に抑え尚且つ攻撃時に最大の能力を発揮するようにしている。
元の筋力と合わさってその衝撃はかなりのもの。モルさんまではいかない。
魔装はできるが消費が高いのであまりしない。というか、衣装が恥ずかしすぎて死にたくなるのでやらない。


 - ウェルギリウス

メリイの持つ金属器に宿るジン。禽獣と実りを象徴する。実体化することこそないものの力の集約として白い狼となることがある。
精神体としては中年に差し掛かった悪そうなロン毛のおっさんである。
他人で遊ぶのが好き。特に狼の時メリイなどで遊ぶのはとても楽しそうである。
コスプレが好きなユーモア溢れる見た目三十代である。


 - スタンリー・フレディ・ソーク

絵を描くことで生計をたてている詩人。23歳。男。
セントラルに家を持つ、夢を追うというえば聞こえが良いが貧乏人である。
栗毛色の髪の毛でやわらかいくせっ毛の童顔。ヘタレ。
気が良く、優しい性格で、困っている人は助ける絵にかいたような良い人。
そのため勧誘に引っ掛かり易く騙されやすい。食べ物、年上の大人なお姉さん、お金が好き。


Re: 【 End Game Content 】鋼錬×マギ ( No.3 )
日時: 2012/11/25 18:58
名前: 篝火かなこ (ID: IGAMlEcf)

 01



  見慣れた高い窓がひとつの一室は、むかしこの棟が他人に害を及ぼす可能性のある、または隔離の必要のある患者の、そういった、薄暗い背景として収容場所に使われたことを示している。今でこそフィアレットいちの設備の整った有能な医者の集う場所だと名を売っているが、むかしのこと、いやなこと、全部もう覚えてはいないらしい。

 白衣はぴかぴか真新しく、誰もかもにこやかな笑顔で良いところですと言わんばかり。庭は緑と花で埋もれるよう。ただいけ好かないのは女性のナースのスカートの丈だけである。なぜあのふくらはぎの丈を選んだのか私には到底理解できないであろう。中央からの軍人とあって喋るシカに、いやクマにでも出会ったように挨拶をする女医に手を振った。女医……そういうのもいいな、邪心がすこし出てきたところで、本来の目的を確認し直し、鍵をあけ、引き戸をひいた。低い木製の机に部屋の管理用鍵を置く。








「……ばあっ!」

 背中側、ベッドのある方から——女が飛んできた。

「あのすいませんほんとえっとなんていうかてゆーか言う言葉が見つからない?」
「いーえアレ…いや、ねえ、あ! 一回ぐらい起きたんですけどそしたら扉開かないし窓高くてまわり見えないしなんて狭い天国なんだろうでも地獄だと思うには結構キレイだし水色テーマカラー(笑)みたいに落胆してたところなんですよ、で、もっかい寝てー」
「えー?! なんだろう? 本当に状況が理解できないんですよー……あ、次寝たら大丈夫ですかね? 次寝たらGOヘヴン? いえむしろ現実がGOあうぇーい?」

「少し黙れ」

「あ、すいません」

 息を吐く。よくよく見れば、女というにはまだ若く、16歳程度の少女であるように見えた。白い肌着のような病院の貸したのだろう衣服を纏い、足は裸足である。いきなりぶつかられた背中をさも痛そうにさすれば、そうっと少女はこちらを覗き込みながら後ろ側に退いていく。実のところそんなに痛いわけでもない。ひかりさす天窓のほうを見て、

「空が、青いな……」

「……どちらかというと白、灰色の類ではないですか、てか空あんたが邪魔でみえないですし、ねえ何がしたいんですか」

「特に何もない。キチガ…いや思考が錯乱している者を落ちるかせるには自分から突拍子もなく漠然とした当たり前のことを言えばいいらしくてな。突然相手に不信感が芽生え冷静になろうとし、こいつ危ないという人間の本能が作動するらしいんだ」

「ほほうそれは素敵な言い回しですね、言えばいいじゃないですかお前は頭がおかしい少し頭を冷やせと! どこの文献から引用されたのかしらウィキペディアか? ウィキペディアなのかばーろー!」

 軽口を叩く少女はどすんとベッドに腰を下ろした。むっす、と不満げな顔で足を組む。くろぐろとした目は、この国には珍しい。東国の出であるのだろう。容姿の幼さと相まって、その言動は猫の縄張り争いのようだ。

「ところで、いい加減話を戻そう」

 途端に、明朗で賑やか、悪く言えばうるさいだけの少女の声が止まった。うつむき加減に組んでいた足をぶらりと下げると、紡ぐような声で少女は言った。

「もしかしたら、いえ、きっと信じてもらえないんでしょうけど」




「わたし一回、死んだんです」





 一度、死んだ。細い線のようなものが頭を巡る。少し、ほんの少しだけ、あの兄弟のことが頭をよぎった。

「疑うつもりはないが……死んだ、というのは?」

「言葉どおりの意味です」

「自分の名前、出生は?」

「名前——……わたしの名前、は、メリイ。生まれたのは東の方の偏屈なところの小さな村です、多分誰も知らないような」

 思い出すように、確認するように。片手を頭を押さえ、メリイは言った。

「東国と言えばシンが代表的だが、その近くか?」

「シン? あまり聞いたことはありませんが、大きなところなら煌帝国の大陸の傍あたりだと」

「そうか、ところで、なぜあんな場所に?」

「あんな場所、とは?」

「精神薬学医療開発準研究室の——爆発事故現場だ。本当に何も覚えて居ないのか? 言葉で説明するのもわかりにくいな。この病院施設の研究施設の一つだよ」

「・・・・・・ここ、病院だったんですか。てっきり隔離所かなんかだと」


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