二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.Gray-man 寄生された右目 ( No.475 )
- 日時: 2012/07/01 19:37
- 名前: 有栖 (ID: vDb5uiaj)
「大変だわっ! ラビ君が私の範囲から出てしまう!」
「やはり戦っているのだな。援軍が必要だな」
「リナリー。いけるのか。」
リナリーは、首を縦に振る。それから、イノセンスを発動し鉄槌にのり走る。
数秒後には、ラビとブックマンが降りてくる。
ブックマンは、レコーダーを守り、ラビが船を守る。
唯一の遠距離戦のラビでも雲がかかっており、あてずっぽうに頼るしかない。
ぐずぐずしていたら、船がやられる。
「うぐ…」
「ルギア!?」「ルギア君、どうしたの!」
「頭、痛い。」
激しい。最近痛みに襲われることが多くなった。
あのLv.3のアクマは、遠くに離れて行った気配がしたのに、また近くにきているような感覚。
でも、それとはまた違う痛みのような気がする。
その時、急に船が沈み始める。ミランダのイノセンスは、発動してる。
ただ、力が弱くなってる、ミランダが何かあったわけではない。
では、なぜ。
「ぐっ…」
体が、重い。
気がつくと、俺の周りには怪しげな紫色の光を放つ紐のようなものが絡まっていた。
「これは、なんだ」
さっきよりいっそうアクマの気配が近くなる。まさか、これが、アクマの能力か。
周りにあるイノセンスが弱まっているのを感じる。
そうか、俺は、元々弱まってるから……。まったく、身動きがとれねぇ。
体が動かない。
くっそ。ルキアがいれば、我慢できた。まだ………。
俺の手から双剣が離れる。双剣自体にも変な紐は、絡まっている。
それをケルシーがくわえようとしたが、電気が走ってケルシーが痛むだけ。
何も出来ない。俺は、ここで海に沈むのか。
もういっそのこと、それでも……
—そんなことないよ
「エクソシスト様! 大丈夫ですか!?」
誰かが、俺に絡まってる紐の痛みに耐えながらもささえる。
今の声は…ルキア?
「あぁ……。」
双剣が、輝かしく光る。アクマの攻撃など効いてないとでもいうように。
遠くで、光る。ルキアの双剣が。
「ごめん、迷惑かけたな。俺は大丈夫だから、その手を離せ」
「え、でも…」
「大丈夫だ。ケルシー、双剣を」
俺と、双剣が、共鳴する。息があう。
大丈夫だ。きっといける。これくらいどうってことない。
リナリーのイノセンスだって頑張ってる。
俺がここでへたばってどうする。
ケルシーがここまで持ってきてくれた双剣を受け取り、支えてくれた奴から離れて立ち上がる。
「いくぞ、イノセンス」
周りを見渡すと、ミランダの腕にも紐のようなものが絡みついている。
「ミランダ、腕を出せ。」
ミランダが、おびえた顔でこちらを見てから腕を差し出す。
俺は、双剣を思い切り振り下ろす。時間もかからずしてその紐を破壊。
船の時間も戻る。
だが、船は沈んだままだ。重力操作をどうにかしないと船の沈みは、治らないだろう。
「ラビ! 何をしてる。木判を使え」
「な、なんでルギアがそんなことを知って…」
「んなことどうでもいいだろ。さっさとしろ」
「でも、こんな不安定な足場じゃ…」
やっぱ駄目か。
さすがに、重力はリナリーがあのアクマを倒さない限り解除はされないか。
「何だ?」
かすかにアクマの気配。それと同時に浮き上がる船。
船が浮き上がると、すぐにアクマの気配が消える。一体何事。
しかし、こちらにとっては好都合だ。
「ラビ!」
「イエッサァ!!」
すぐに、ラビが、空の雲を晴らさせクロウリーがアクマを倒しに行く。
俺は、ひとまず安心して力を抜く。
- Re: D.Gray-man 寄生された右目 ( No.476 )
- 日時: 2012/07/01 20:06
- 名前: 有栖 (ID: vDb5uiaj)
そしたら、双剣の輝きも失せる。
俺や双剣に絡まっていた紐も輝きを失い落ちる。
結構、楽になったな。頭痛もなくなった。
力が消えたっていう事は、リナリーが勝ったのか。
だが、まだ安心できないな。アクマを戦って、リナリーは、生きてるのか。
ここからじゃ、リナリーのイノセンスの気配が分からない。
「伸」
「お前ら! いくぞ!」
急に騒がしくなる。その騒がしくなった方向を見るとラビが、イノセンスを発動し、どこかへ向かう途中のようだ。
きっとリナリーのところなんだろう。
それを止める船員達。だが、見事にラビのせいで吹っ飛ばされる。
「ラビ君やめて! せ、船員さん達に暴力しないで! この人達は、私や船を!」
「わりぃ…。」
「致命傷はない? 出血しそうな所を教えて。ぬ、布で縛った方が…」
「んなぁことはどうでもいいだろうがぁ! リナリーは、お前らの仲間だろ! 心配じゃねぇのか!?」
その一喝でミランダが涙を流す。
ブックマンは、顔を抑えていた。そりゃそうだな。これで2回目だ。
ラビが、俺が見た中であんなに感情をあらわにするのは。
「貴方も…仲間でしょ…。」
「っち」
「待て、ラビ。」
—鉄槌、発動停止
鉄槌に乗っているラビは、発動を解いたことで落ちる。
「ルギア、てめ!」
「何だ。」
ラビがすごい形相でこちらを睨みつけてくる。
「お前は、本気で心配してねぇのか!」
「どっちかっていうと、イノセンスの方が心配だ」
「だったらなおさらっ」
かなり怒ってんなぁ…。
「お前のイノセンスも心配だからだ。お前が死んだらきっとイノセンスは、アクマの手に渡るんだろうな。海上戦、向いてないだろ。お前のイノセンス。」
「それは…」
「これは、戦争だ。いつやられるか分かんねぇ。なるべく犠牲者は少ない方がいいと思うんだが…。間違った事、いってるか? それとも、ブックマン後継者のお前には関係ない…か。それでもいいや。お前らに関係なくとも俺達には関係がある。」
「…くそっ」
ラビが吐き捨てるようにそういうと、またさっきのアクマの気配。
「あ、ここだったちょか。すっごく探したんだっちょ!」